慣れない場所に行く時、私(あひるねこ)はよく「Googleマップ」アプリを利用する。自宅から目的地までの経路を検索すれば、何時の電車の何両目に乗って、駅の何番出口から出たらいいか教えてくれるのだから便利なものだ。さすが世界のGoogle先生である。

ところが先日、奇妙なことが起きた。Googleマップに指示された通りに駅の出口を出ようとしたら、近くにいた警備員から「ここは出口じゃない」と言われてしまったのだ。え……? ここって出口じゃないの?

・日本の中枢にて

先日、とある取材で東京・港区に行った時のこと。いつものように目的地までの経路をGoogleマップで検索すると、東京メトロ「霞ヶ関駅」から歩いて〇分という表示が。私はGoogle先生の指示通りに改札を出た。


え~と、なになに? B3b出口?


B3b出口、B3b出口……こっちか。


B3b出口、B3b出口……。


B3b出口、と。

・出口へ

駅の案内を見ながらB3b出口へと向かう私。さすがGoogle先生、ちょうどいい時間に到着しそうだ……なんてことを考えながらスマホ片手に歩いていると、その途中、急に声が聞こえた。


「どこ行くんですか?」


驚いて顔をあげると、そこには警備員らしき男性の姿が。ん? これは……私に言っているのか? 状況がつかめず一瞬戸惑うも、どうやら私に向かって言っているらしい。なので質問されたことに正直に答えた。


──〇〇という場所に行くつもりです。経路を調べたらB3b出口から出るよう表示されたので、ここを通ろうとしているのですが……。

しかし、どうもピンときていない様子の警備員。そこで私はスマホを軽く見せながら、同じことをもう一度伝えた。するとこの直後、警備員の口から驚くべき発言が飛び出す。


「ここは出口じゃないんで」


・意味不明

出口じゃない……? どういうことだ? もしかしたらB3b出口に向かって歩いているつもりが、間違えて別の通路に入ってしまったのか? ここで真上にあった案内を再度確認してみたところ……


いや、出口やん。


・マジ出口

思いっきり「B3b出口」って書いてるやん。なら100パー出口やん。ただ、案内をよく読むと分かるように実はここ、合同庁舎第5号館への連絡通路にもなっている。つまり環境省と厚生労働省である。

厚生労働省のホームページによると、正門(日比谷公園側)、北門歩行者通路(弁護士会館側)、地下鉄連絡口(霞ヶ関駅B3b出入口)の3カ所にセキュリティゲートを設置しているらしい。どうやら通行証がないと通れないようになっているようだ。

なるほど、そういうことか……。だがしかし。世界有数のグローバルIT企業であるGoogle大先生は、「〇〇に行きたいならB3b出口から出ろ」とハッキリおっしゃっている。世界のGoogle様が、真っ向からGOサインを出しているのだ。

・板挟み

そう、これは究極の選択である。おいどっちだ……!? 日本の中枢・霞ヶ関と世界のトップランナーGoogle……。どっちの言うことが正しいんだ……!?

まあよく考えたら、霞ヶ関は明らかに出口って書いてあるのに「ここは出口じゃない」とか言って通さねーし、GoogleもGoogleで「セキュリティゲートを突破しろ」とか無茶な指示を出してくるしで、両者共に頭がおかしいとしか言いようがない。

つまり結論としては、霞ヶ関もGoogleもどちらもヤバイ。これに尽きるだろう。結局、私は警備員に追い返される形で別の出口から外へ出た(理由くらい説明しろよな)。もちろん目的地には無事辿り着けたが、もしGoogleマップで「霞ヶ関駅のB3b出口」と表示された時は、くれぐれも注意していただきたい。

参考リンク:厚生労働省
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:Google、Googleマップ(iOS)
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