二郎系ラーメンはそれ単体だけで食べても十分すぎるほどの罪深さだが、「白米」と一緒に炊飯器にブチ込んだら一体どうなってしまうのか? 犯罪的なナニカが生まれそうな予感がプンプンすると同時に、底知れない背徳感を味わえそうだ。

ということで実際にやってみたのだが……なるほど、色々と発見がありました。アレがああなって、ナニがこうなるのか。やってみないとわからないものだなぁ!

・「豚山」で検証しました

検証に使用したのはラーメン二郎のインスパイア系「ラーメン豚山」の汁なし。店舗によって個性豊かな本家ラーメン二郎もいいのだが、豚山はブレが少なくクオリティの高いものを安定供給してくれるので普段から重宝している。あと自宅から近いので採用した、というのも大きい。

注文したのは汁なし(茹で麺)+豚3枚+ニンニクマシ。本当はアブラ(背脂増量)+カラメ(タレ増量)も加えたかったのだが、持ち帰りの場合は対応していないとのこと(ニンニクの増減のみ)。


 

・ブチ込んでいく作業

それでは、さっそく準備していこう。まずは炊飯釜に洗った白米1合を用意。

そこへ、豚山の茹で麺を投入。

白米1合+麺1玉なので、水は2合分を入れた。このあと入れる野菜からも水分が出ることになるだろうが、茹で麺もまだ水を吸収しそうなのでちょうどいいあんばいになるのでは、という算段。

さらにニンニク(マシ)と、

タレも投入。ちなみにタレにはデフォルトで脂が入っている。この時点で全体を軽く混ぜ合わせた後、

お野菜を入れ、

そして最後にブタ5枚を並べて、準備完了DA!

……と無理矢理テンションを上げてみたが、目の前に広がるまがまがしい光景に我ながら震えてきた。一体ナニが生まれようとしているのだ……気分はマッドサイエンティストである。

なんとか正気を保ち、炊飯作業に移る。白米以外の具材はすでに加熱調理されているので、普通に「白米モード」で大丈夫だろう。(※このときはそう思ったのだが、やはり「炊き込みモード」にするべきだった。詳しくは後述)

炊き上がりまでしばし待つ……その間、炊飯器からほとんど蒸気が出てこないことに気がついた。これにはマジで安心した。我が家は賃貸なので、ニンニク臭全開の蒸気が部屋に充満し異臭がこびりついたら敷金が返ってこないんじゃないかと心配でならなかった。

でも、ちゃんと火(熱)は通っているのかな?


・魔界の扉をオープン

1時間ほど経つと、炊飯の終了を知らせる甲高い電子音が鳴り響いた。ということで、いよいよ魔界の扉を開け放ち未体験ゾーンへと踏み込む時間だ。つまり、この先はやや閲覧注意です。

繰り返す! この先は閲覧注意だ! ここは、観光客の来るところじゃあないぞっ! 

\パカッ/

なんだ、炊飯前とあまり変わらないし大したことないな……と思ったでしょう? ちょっくら混ぜてみましょう。


 


 

…………!


 

ときおりラーメン二郎(及びインスパイア)のことを「豚のエサ」と揶揄(やゆ)する輩がいるが、そういうとき、いちジロリアンとして私は決まって こう反論する──「違う。二郎は文化だ」と。

……ただ、目の前にあるコイツからはさすがに文化の片りんも、知性も感じない。なんだろう、このアタマの悪さは。ひと目見たら強制的に「うわぁ……」と発声させられる魔力を帯びている。


・食べてみると、意外なことに…

見た目がエグイのは否めない。しかし、肝心なのは味であり、二郎系+白米という組み合わせが高いポテンシャルを秘めていることも事実である。ということで、いただきましょう。

なるほど……まず感想をひとことで言うなら「圧倒的 炭水化物感」(あたりまえだ)。そして “二郎系” 特有の罪深い味は健在である! 暴力的なにんにくフレーバーとブタさんの旨味が、白米とムチムチの麺にからまりウマイ!

これは大成功……といいたいところだが、想定と違っていた点もいくつかあった。

まず白米が「少し固め」と言ってもいいぐらいの炊きあがりだ。おそらく火力(加熱)が足りなかったのだろう。先にも述べた通り、私が「白米モード」で炊いたことが原因と思われる。おとなしく「炊き込みモード」で炊けば、白米の芯まで熱が通ったのかもしれない。

ただ、味を損なうほどの固さではないことは強調しておきたい。ちなみに、茹で麺はしゃもじでも切れるぐらいの柔らかい炊き上がりだった。

次に味の濃さだが、これが意外と見た目ほどは濃くない。10段階でいうと4ぐらいで、どちらかというと薄めだ。白米の固さを考えれば、決して水が多かったわけではないバズだが……。おそらく水や具材に対してタレの量が少なかったのだろう。

気になったのは、脂っこさだ。こちらは10段階で8ぐらいだろうか。タレに元々入っていた脂はそこまで多くはないハズ……ということはおそらく、5枚分のブタの脂が溶け出したことに起因すると思われる。

味は薄め、でも脂っこい……このアンバランスな味を補完してくれたのが、ブタ本体。確かに脂は少し溶けたようだがパサパサにはなっておらず、しっとり柔らか。

ブタの下味もしみこんだままなので、他の具材と食べるとちょうどいいというか、ひとつの料理(と呼ばせてくれ)として完成される。“日本式ルーローハン” みたいな味とでも言おうか。そこへ卵の黄身を落とした日には、問答無用で優勝だ。


 

・総評と反省

ということで、反省点はあったものの「まぁ、ウマイんじゃないかな」といってもいいレベルには達していた。「死ぬほどうめぇーッ!」と言えるような結果をお伝えできなかったのは残念だが、こちらもリアルガチな検証をしたので、ご理解いただきたい。

もし再チャレンジするなら? まず「炊き込みモード」を使うという当然のことをしつつ、タレを適量追加(麺つゆで代用できそう)。ブタは炊き込まなくてもいいのかも。それより、「鍋二郎」で炊き込んだら どうなるのやら。

執筆:ショーン
Photo:RocketNews24.
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▼余ったものは冷凍保存。いつでも “二郎” をキメられるぜ

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