よく「○○好きに悪い人はいない」というが、正直なところそんなはずないやろと思っている。だって好きは一歩間違えたら嫌いに急転するように紙一重。○○が好きだからといって、必ずいい人だと限らないのだ。

ただし、餃子に限ってはレアケースかもしれない。こういうのも、先日初めて餃子の記事内でリクエストを募ったところ、優しいコメントばかり。全国各地の餃子好きさんから「これ食べて!」が止まらない状態になっているのである。もしや餃子好きに悪い人はいないのでは!?

・神戸の餃子専門店「イチロー」

ということで今回は、数あるリクエストの中から「サブちゃん」さんからオススメされた神戸の餃子専門店「イチロー」をお取り寄せしてみた。もう名前がいい! なにせカタカナでイチロー!!

ちなみにイチローの創業は1996年。これでピンときた人はプロ野球好きに違いない。というのも、この年はオリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)がリーグ優勝、日本一になった年だからだ。しかも、お店があるのが神戸となれば……

あのイチローから名前を拝借したと考えるのが自然な流れ。まぁ、お店関係者の誰かしらが「イチロー」なのかもしれず、偶然が重なりまくった可能性もなくはないけど……何はさておき肝心なのはそのお味だ。

同封された説明書によると、イチローは味噌だれで本領を発揮する餃子らしい。なお、購入したのは神戸味噌だれ餃子50個セット。値段は税込2080円だが、送料無料だったのが嬉しい!

・イチローを実食

それではさっそく作っていくとしよう。届いた餃子を取り出すと、サイズ的には1口でパクリンチョできる小ぶりな部類に入る。

おそらく手作りな餃子に米油をタップリつけて焼き……


トーンタンタンと油を切ってひっくり返せば……


へい、一丁! どうしてこんなに美しく焼けるかは「焼き餃子を美味しく作るコツ」をご覧いただきたい。


・何もつけずにそのままの味は?

さて、前述したようにお店が推している食べ方は味噌だれ。しかし、当編集部は餃子本来の味を確かめるため、まずは何もつけずにイチローを食べてみた。はたして初打席、どんな球を投げてくるのか?

プレイボールから一口。むむむ……なるほどなるほど……いいんじゃないですか!

一言でいうなら甘い。たぶんキャベツだと思われるが、餃子の中から甘みが滲み出てくる。そして何はともあれ皮がウマい。やや厚めでパリパリ、それでいてモチッとしたところがヒジョーにヨロシイ。もうモチかってくらいにモチッとしている。

これだけでも十分ウマい……そりゃ売れるのもよく分かるって内容なのだが、試合はここからが本番。そう、お店がイチオシする味噌だれの存在である。はたしてどこまで餃子を高めることができているのか。大いに期待しつつ食べてみたら……

これはいいものだ。餃子の甘さに味噌だれがピタリと合っている。くどくないし、餃子の良さを引き出すかのようでかなり計算して作られているのが分かる。とにかく、味噌のピリリと餃子の甘さの相性がいい!

餃子と味噌だれが「人」という字のように、お互いを支え合うようにして活かしあっている。これで小ぶりだから食べる手が止まらないのなんの。ポイポイいけちゃう……というよりいけすぎちゃう。正直ウマい!!


・味噌だれ以外だとどうなる?

ただ、ここで気になることが1つあって、それは本当に味噌だれ以外だと合わないのかということ。何もつけずにウマかったのだ。きっと酢や醤油にも対応できるはず。

そこで酢と醤油を用意。酢から食べてみたのだが、口当たりが爽やかになるくらいで本質は変わらず特別変化なし。そして醤油は不思議なもので町中華のような味に変貌した。

決して酢と醤油がダメというワケではないものの、すべて食べ比べてみたら味噌だれが別格ホームラン。キレイにまとまっていて、お店が味噌だれを推しているのに納得がいった。


・最大の推しポイントは臭くないこと

あと驚いたのは、ニンニクが入っているにもかかわらず気配を消していること。間違いなく入っているはずなのにどうして……と思って説明書を見たら、なんでも「薬味や調味料をバランスよく配合していて臭さを解消している」らしい。

ニンニク臭さが抑えられていることに加え、食べやすいところも女性が好きそう。なんでもイチローの餃子は楽天などの通販でランキング1位になったこともあるそうな。全国から注文があるみたいなので、気になる人は神戸の名物餃子を食べてみてはいかがだろうか。

参考リンク:餃子専門店「イチロー」
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.

▼もし「ここの食べてみてほしい」「ウマすぎるから絶対に食べておくべき」などといった餃子があったら、ぜひリクエストボックスに送ってください〜!