皆さんは餃子を焼く際、何か意識してやっていることはあるだろうか。おそらくは「説明書通り」という人がほとんど。書いてある数字の湯を入れて蒸し、これまた書いてある分量の油を入れる──といったところだろう。

しかし、実を言うと1つ1つの工程に美味しく作るポイントがあり、それによって餃子は違う顔を覗かせる。この度、当編集部は餃子のプロから「焼き餃子を美味しく作るコツ」を教わったのだが、出来上がりは見違えるほどに美味しく……それはそれはキレイな餃子が誕生したのだった。今日、これまでの餃子の常識が覆される!!

・先生は焼き餃子協会の代表理事

さっそく先生をご紹介しよう。永久保存版とも言えるコツを教えてくれたのは、一般社団法人焼き餃子協会の代表理事・餃子ジョッキーの小野寺 力さんである。

小野寺さんはほぼ毎日餃子を食べる「餃子中毒」。店舗はもちろんお取り寄せ分野の知識も豊富で、餃子に関するイベントも開催している “餃子のプロフェッショナル” だ。先生、よろしくお願いします!

・ポイントまとめ

せっかくだから1つ1つ手順を踏んでいきたいところだが、はよ教えろといる方もいるかと思うので先に箇条書きでポイントをお伝えしよう。これらを抑えておけば餃子を簡単にキレイに焼ける!


・厚みのあるフライパンで焼く
・ホットプレートやIHよりもガスで焼く
・火の強さは中火がベスト
・餃子の底(焼き面)にしっかり油をつける
・油はこめ油
・仕上げでフライパンを揺する


これらは一部だが、小野寺さんが長年の経験から導き出した “答え” だそうだ。中でも「餃子の底にしっかり油をつける」のは、スルーしてしまいがちなポイントなのでよ〜く覚えておこう! それでは、授業スタート!!

・美味しくてキレイな餃子を作るコツ

今回、先生の授業を受けるにあたり、ダンダダン酒場の生餃子(冷凍よりオススメ)を用意した。


ダンダダンはよく食べている餃子だけに、わずかな違いにも気づくことができるだろう。さて、餃子を焼く前にまずは予熱を入れる。フライパンは冷めにくい厚めのものが好ましい。

火の強さは中火。ちなみにフライパンのサイズによって中火は違うため、底から火がはみでないくらいがベストだ。温めたらお湯を少し垂らし、すぐに蒸発するようだったら準備OKのサインが出ている。餃子を置くときは油がハネるので一度火を切ってもいいが、作業は なるはや で行って温かい状態をキープするようにしよう。

なお、使用する油はこめ油がオススメ。サラダ油が絶対にダメだというわけではないが、どうしても匂ってしまうのだ。その点、こめ油は焼いた後に匂いがあまりせずに違いは歴然!

で、お次は餃子の底に油をしっかりとつける作業をしなくてはいけない。通常だとひいた油の上に餃子を置くだけになりがちだが、ここで油をつけているかいないかで “焼き” が美味しくなるかどうか運命の分かれ道となる。あと、餃子は次第に膨れていくから少しスペースをあけておこう。

それが済んだらお湯を注いで蒸し作業へ入るが、その間フタは絶対に開けず餡にまで火を通すように。んで5分ほど待ち……

フライパンからパチパチという音が聞こえ、泡が白く大きくなってきたら完成間近の合図だ。そのタイミングで……


蒸気がずっとこもっていると水分が飛んでいかないため、フタを開けてすぐ閉める。油が周囲に飛んでも気にしない人は、フタをとったままにしておいてもいい。ここから茹で蒸しから焼きへ入るわけだが、絶対にやるべきなのが……

フライパン揺すりである


これをやることで端の方で水分が早く飛ぶし、餃子同士がくっつくのを防げるのだ。餃子のフチが茶色になってくると出来上がりのサイン。これは中が焼けている証拠だから油を切ってからひっくり返そう。底面にフィットするくらいの皿をあて、油を捨てたら……


うわっ……


うわあぁぁぁぁ……!!


美しいっ……!!


パンパンに膨れている餃子は水分を含んでいるのでめちゃジューシー。ガスで焼いただけに皮はパリッとしていて、これまでにない食感を味わうことができた。味の方はというと、お店で食べる餃子も美味しいけどさらに美味しくなっていた……のは気のせいじゃない。これは超えてる!!


・自分で作ってみた

見ていると簡単なようだが、実際にやると難しいかもしれない。ここからは当編集部の調理。復習を兼ねてご覧いただきたい。

まずは中火調整。OK!


フライパンに少量のお湯を垂らして蒸発するかをチェック


油を餃子の底面に塗り〜の


お湯をかけ〜の


蒸し〜の


フライパンを揺すり〜の


ひっくり返す!


じゃん!!!!


いかがだろうか。特別なことをやっているわけではないのだが、明らかにこれまでの焼き方とは一線を画す。また、味の方も皮の美味しさが別次元。もう一度言うが、ジューシーさは店で食べるソレを凌ぐ。

これまで当編集部は黒焦げになって失敗することを恐れてホットプレートを使用していたが、次からガス&フライパンを決意するほど違いがあった。ちょっと作り方を工夫するだけで常識が覆されるような出来栄え……今回伝授されたコツは誰にでもできるので、ぜひ家でお試しあれ〜!

Report:原田たかし
Photo:RocketNews24.

▼ホットプレートでも作り方は一緒(フライパンの方がベターだけど)

▼焼き面に油をつけ……

▼水を入れて蒸して……

▼水分が飛んでパチパチ言い始めたら……

▼ほい、出来上がり!

▼トングがあるとすぐに焼き目を確認できて便利だよ

▼いただきまーす!

▼小野寺さんはそのまま食べるor酢につける派

▼だけど、酢は酢でも京都の千鳥酢

▼酢をつける場合、焼き目じゃなくヒダの方につけよう

▼千鳥酢は酸っぱくなくまろやかで、油のクドさを飛ばしてくれる

▼動画もあるぞ!「ホットプレート編」

▼動画「ガス+フライパン編」