
結論から言ってしまうと、「ナポリの窯」は改名した方がいいのではないかと思う。「最強モチモチピザ屋」とか「超モチモチピザ伝説」とか、そういうわかりやすく親しみやすい名前が良いのではないか。いくら何でもダサすぎるかもしれないが、この際やむをえまい。必要な痛みである。
のっけから過激な提案をしてしまって恐縮だが、とにかくそれほどの衝撃だった。宅配ピザと言えば「ドミノピザ」や「ピザハット」、「ピザーラ」の御三家が有名で、ついその3社のうちのどれかを選びがちだった筆者。しかし最近初めて「ナポリの窯」に手を出してみたところ、御三家にも勝る「ある特徴」に度肝を抜かれたのである。
前々から「ナポリの窯」の存在は知っていたが、上述の通り知名度で上回る御三家の威光に吸い寄せられてばかりだったり、店名のオシャレ具合やどこかミステリアスな雰囲気に尻込みする部分もあったりで、なかなか挑戦できずにいた。
今回挑んだきっかけは、巣ごもり生活に変化をつけようという思いつきのようなものだ。そのおかげで新たなピザに出会えたので、人間には無限の可能性があると言える。読者の方々ともこの感動を共有するにあたり、まずは同店のメニューを眺めてわかったことをざっと書いておく。
用意されているピザのサイズは基本的にM(直径約25cm)、L(約30cm)、XL(約40cm)の3パターン。生地は御三家と違って、ナポリピッツァやミラノピッツァなどの種類がピザごとに固定されている。M、Lサイズの2パターンのみのピザもあったりするので、生地のことも含めて詳しくは公式HPを参照してほしい。
これら2点のほかに個人的に驚いたのが、御三家と比較してコスパの面では大きく変わらない点だ。自分の中で勝手に「ナポリの窯はブルジョワ向け」という謎のナポリバイアスがかかっていたため、認識を改めずにはいられなかった。
例えば今回は王道のメニューとおぼしき「ナポリのマルゲリータ」のMサイズを頼んだのだが、こちらの価格は税抜1580円。かなりお手頃である。加えて実際に届いたピザがすこぶる食欲をそそる見た目をしているとあっては、この時点でポイントも高くなろうというものだ。
果たして肝心の味はどうか。とはいえ、冒頭であれだけ臆面もなくネタバレしておきながら今さら勿体ぶることの滑稽さといったらないので白状すると、とても美味しかった。そして、美味しさの要はひとえに食感であった。
新鮮なトマトの酸味、とろけるチーズの旨味、ニンニクのスパイシーさを、ナポリピッツァと呼ばれる恐ろしくモチモチした生地が抜群に跳ね上げている。口に含んだ瞬間、わずかなあいだだが心臓が止まった。真に美味しいものを食べた時、人間は生命活動を若干放棄するのである。
こんなにモチモチした生地のピザをデリバリーで初めて食べた。歯を優しく押し返す柔らかさが、生地の香ばしさも十全に伝えてくる。デリバリーに限らずとも、このクオリティにはなかなかお目にかかれないかもしれないと、そう思わされるほどに引きずり込まれていく。
いやはや、これはたまらない。ふんわりとした弾力が、心をつかんで離さない。外側の耳の方さえ噛んでいて心地良い。食べ終わるのが惜しくてじっくり味わっているうちにピザが冷めてきてしまったのだが、冷めてもモチモチ感が全く失われないものだから始末が悪い。本当に、この生地が何よりの驚きだった。
今まで「ナポリの窯」に触れてこなかった自分が恥ずかしい……と言いたいところだが、御三家を経験してきたからこそ「ナポリの窯」の良さが身に沁みたとも言える。もっと多くの人に同店の魅力が伝わることを願うばかりだ。
やはり店名を変えた方がいいのではないかと思わなくもないが、「ナポリの窯」に魅了された今となっては、他と一線を画すこのミステリアスさが愛おしくもある。興味の湧いた方は、ぜひとも勇気を出して、「窯」の奥の暗がりに手を伸ばしてみてほしい。
参照元:ナポリの窯 公式HP
Report:西本大紀
Photo:Rocketnews24.
▼完全に余談だが、サイドで頼んだポテトがめちゃくちゃ行儀良く並んでいたので、これにも驚いてしまった
西本大紀






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