その売り場では、動物型のチョコレートが売られていた。ゴリラやワニ、ブタなどを象(かたど)ったもので、遠くからだと動物のフィギュアに見えなくもない。ショーケースの中に並んでいると、いやが応でも目を引くチョコレートである。
しかしながら、実はその可愛らしいチョコレートの隣に書かれた文言の方が強烈であった。気づいた瞬間は、混乱したほどに。あまりの無慈悲さに「引いた」と言ってもいい。一体どれほど冷酷になれば、こんなことが言えるのか。
・恐ろしいこと
内容は単純で、「こうして食べたら?」的な案内文。一見するとどこにでもあるもので、何なら爽やかですらある。だが、よくよく考えると……! とにかく、ひとまず文言を紹介しよう。
「ゴリラにホットミルクをそそいで
美味しくあたたまるホットゴリラに」
……
……
貴様は何を言っているんだ。
ゴリラはチョコレートなんだぞ!
ゴリラに見えるが……
チョコレートなんだぞ!
目を覚ませ!
オシャレに拷問を勧めるんじゃない!
冷え性のOLに生姜湯を勧めるテンションで言うんじゃない!!
そのゴリラにホットミルクをかけるのは……
いくら何でも無慈悲すぎるだろうが!!
人間に置き換えたら……
ドロドロの溶岩をぶっかけられるようなもんだろうが!!
そんな鬼畜の所業……
出来るかよ!!!!!
・数年前にも話題
と、ここまで読んで、数年前にTwitterで話題になった件を思い出した人もいるかもしれない。詳しくは「ホットゴリラ」でググっていただければと思うのだが、要はゴリラ型チョコレートをホットミルクに入れるのは何も新しい食べ方ではない。
ただ、まさか公式のお墨付きが与えられていたとは……。ゴリラの立場になってみたら、信頼している飼育員さんが密猟組織のボスだったみたいなもので、あまりにも残酷なストーリー。
そのゴリラの気持ちを考えれば、とてもじゃないが実践できる食べ方ではない。と思う一方で、「公式が言っているのだから美味いのでは?」という点も気になるところ。どうすべきか数秒悩んだ結果、心を鬼にして試してみることにした。
・ホットゴリラを実践
当然ながら、最初に牛乳を用意。ゴリラの入るマグカップが無かったので、ちょっと大きめのお皿にその牛乳を注ぐ。そしてレンチンで、アッツアッツにした。鍋つかみが無いと持てないほどに。そこへゴリラを……
ドボン!
——ここから何が起きたのかは察しがつく人も多いだろうから、詳細な説明は割愛したい。が、ゴリラの名誉のために何点か伝えておきたいことがある。
まず、食べてみるとゴリラは中身がしっかり詰まったチョコレートだった。決してスカスカ系ではない。税込972円という購入価格を考えたら、コスパ的にも優秀なチョコレートかと思う。
それから、ゴリラは実によく頑張った。ホットミルクにダイブしたら一瞬で溶けるのでは? と予想していたものの、そう簡単には溶けなかった。まぁ、5分以上経ったら下半身がドロドロになってしまったのだが……。ドロドロになった部分がこれまた絶品だったことも、付け加えておきたい。
そして、頭からかじりつこうが背中にフォークを刺そうが、ゴリラの形は簡単に崩れなかった。悪いように言えば食べ辛いと言えるが、良いように言えば それだけしっかりしたチョコレートであった。ゴリラはやっぱりゴリラ。チョコレートであってもタフだということだろうか。
そんなゴリラの最期の姿をご紹介して、本記事を終わりにしたいと思う。どうか、みなさんでゴリラを見送ってあげて欲しい。さようなら、ゴリラチョコ。何と言うか、君はすごく……
すごく……!
すごく……!!
すごく……!!!
すごく……!!!!
美味しかったー\(^o^)/
合掌
参考リンク:松風屋「ZOOLOGY」、Twitter #ホットゴリラ
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
▼紹介のタイミングが遅くなって申し訳ないのだが、ゴリラチョコは松風屋のブランド「ZOOLOGY(ズーロジー)」から発売されているよ!
▼ワニもあるよ!
▼カメもあるよ!
▼ブタもあるよ!
▼カエルもあるよ! 他にも色々あるよ!!
▼余談だが、まるで仏像でも入っているかのように包装されている。中身はもちろん……
▼ゴリラだ。サイズは、手のひらに乗るけれど小さめのマグカップだと入れるのはキツイくらい
▼今はバレンタインシーズンだから、あなたの近くのデパートの催事会場とかでも販売されているかもしれない。なお、オンラインでも購入可