例えば、ドーナツ。ノーマルバージョンと低糖質バージョンがあったら、一般的にはノーマルな方が美味いもの。だからこそ、人はショーケースの前で悩むのだ。自らの欲求と罪悪感を天秤にかけて。
もしも低糖質バージョンの方が美味ければ みんな即決。というか、だとしたらノーマルの存在意義がない……と思っていたために、「超低糖質スイーツ」なるものがあると聞いたとき、正直なところ味にはまったく期待していなかった。
なにせ、低糖質に “超” がついている。美味しさまで求めたら、それは「欲張りすぎ」というものだろう。しかし、実際に超低糖質スイーツのバウムクーヘンを食べてみたら……
タイトルの通り。つまるところ、超低糖質スイーツが予想以上に美味かったのだ。ちょっと驚いたので、“超” がつかない「普通の低糖質バウムクーヘン(ブランのバウムクーヘン)」をローソンで買ってきて食べ比べたところ、さらに衝撃を受けた。超低糖質バウムクーヘン、低糖質バウムクーヘンより明らかに美味いのである。
私はてっきり、超低糖質は低糖質よりマズいものだと思っていた。その分、健康に良いんだ的な。いわば、ひと昔前の青汁的な。低糖質スイーツが甲子園常連校の野球部だとするならば、超低糖質スイーツは昭和のPL学園野球部的な。
ようは、ストイック オブ ストイック。低糖質界隈でもっともハードなものが、超低糖質スイーツというイメージを抱いていた。ところがどうだろう。ひと口かじったら、意外なことにしっかり甘いのだ。先輩から殴られる覚悟で部室のドアをノックしたのに、フラッシュモブで歓迎されたようなものと言おうか。
この事態に、私は混乱した。夢を見ているのかと思った。昭和のPL学園野球部で、こんなことが起こるはずがない。ありえないことだ。そこで自分の舌を疑いながらよくよく味わってみると、低糖質と比べたからこそ甘さを強く感じたと気付いた。ノーマルなバウムクーヘンを食べた直後だったら、「もっと甘くてもいいのに」となった可能性はある。
……が、その点を差し引いても、やはり超低糖質バウムクーヘンのほのかな甘さが心地いい。全体的にしつこくないからだろう。ヨーロッパのスイーツと日本のそれと同じような差が、ノーマルと超低糖質の間にも確実にある。なんてことを思いながら1つ、また1つと開封し、たどり着いた結論が、
超低糖質のバウムクーヘンの方がノーマルより美味くね?
──だった。ただし、私の妻は「絶対にノーマルのバウムクーヘンの方が美味しい。超低糖質バウムクーヘンには低糖質系食品特有の甘さがあって、それがあまり好みじゃない」と言っていたので、このあたりは個人差があるかと思う。
・従来品に比べて糖質90%以上オフ
ちなみに、私が食べた超低糖質バウムクーヘンを手掛けているメーカーは「シェアイート」で、同社の公式サイトには以下のように記載されている。
「低糖質市場では30〜50%カットが主流ですが オリジナルMIX粉の開発により 90%以上の糖質カットを実現!」
「シェアイートのバウムクーヘン32個分の糖質量 = お茶碗1杯分の白米の糖質量 ※白米茶碗1杯を150gで計算」
甘さを残しながらこの数字。驚異的と言っていいのではないだろうか? また、同社の超低糖質バウムクーヘンとローソンのブランのバウムクーヘンを比べると、やはり超低糖質バウムクーヘンの方が全ての項目で ”控えめ” であるようだ。
しかし、価格ではローソンのバウムクーヘンの方がかなり控えめ。ローソンが1つ175円(税込)なのに対して、シェアイートの超低糖質バウムクーヘンは5つ入りで1890円(税込 / 店舗購入時)だったから1つ約380円。ローソンの約2倍だ。
まぁ、コンビニスイーツと比べること自体が酷かもしれないが、現在のコンビニでは安くてカロリー控えめでそこそこ美味しいスイーツがゴロゴロあるのもまた事実。それらの競合をどう跳ねのけるかが、シェアイートにとっては重要な気がする。
なお、同社のスイーツはオンラインで購入できるほか、ショップリストが公式サイトで公開されているので、気になる人はそちらを確認して欲しい。パッと見たところ、購入できる実店舗はそこまで多くないが、近いウチにもっとメジャーになってコンビニに陳列される日が来る……かもしれない。というか、そうなることを願いまくっている。
参考リンク:シェアイートについて、オンラインショップ、ローソン
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
▼ローソンの低糖質バウムクーヘンが1個あたり糖質7.5gなのに対して、超低糖質は「糖質約1.7g(※エストリールをのぞく数値)」と記載されている
▼超低糖質スイーツにはプレーンのほか、竹炭などの味のバリエーションが。ぜんぶ食ったが、どれも美味
▼超低糖質フィナンシェもあるぞ。こちらは55個で、お茶碗1杯分の糖質とのこと