そのSMSは実に巧妙だった。日本語に不自然なところはなく、文面を読めば読むほど「こりゃ騙される人も多いだろうな〜」という気がする。私が引っかからなかったのは、タイミングが良かっただけ。なにせ、SMSの文面がこれだ。


「楽天市場でご購入ありがとうございます。商品発送状況はこちらにてご確認ください。http://……」


もしも楽天市場で買い物した直後だったら、私はほぼ間違いなく反射的にリンクをクリックしていたように思う。立ち止まれたのは、たまたま楽天市場を利用していなかったからにすぎない。というのも、SMSを見たときの心理的には……



配送状況がSMSで確認できるなんて便利やなぁ〜

あれ? そういえばオレ最近楽天で買い物したっけ?

ちょっと待て! よく考えたら、Amazonで買い物したけど楽天ではしてない!

そう言えば、数カ月前に似たようなヤツを受け取ったような……!

(ググったら)やっぱり詐欺やん! 楽天が注意喚起してるやん!


……といった感じで、SMSを受け取った当初はまったく疑っていなかった。おそらくだが、「フィッシング詐欺メール = 日本語が不自然なものが多い」という先入観から、「日本語がOKなら詐欺じゃない」と短絡的に判断してしまい、私のガードが下がってしまったのだろう。

ちなみに、上で述べた「似たようなヤツ」とは、以前に記事でも紹介した「お荷物のお届けにあがりましたが不在の為持ち帰りました」から始まるSMS。こちらも巧妙かつ悪質だったが、今回の楽天バージョンも負けず劣らずと言っていいかと思う。


・楽天市場の注意喚起

また、楽天市場ではこの詐欺SMSに対して、以下のように注意喚起をしている。

「楽天市場からの商品発送通知を装ったSMSが配信されているとのお問い合わせを、多数いただいております。楽天市場でご注文された商品の配送状況は、購入履歴画面、もしくは楽天市場アプリの「お知らせ」欄からご確認いただけます。身に覚えのないSMSを受信した場合は速やかに破棄ください」

文面を落ち着いて読むと、「当たり前のことを言ってるだけやん!」と思ってしまうかもしれないが、実際にSMSを受け取ると私のように騙されそうになる人は少なくないはず。十分にお気をつけいただきたい。

……と言ったところで、「クリックしたらどうなるか気になる!」という人だっていることだろう。安心してくれ。そんな人が多いだろうと考えて、私が実際にクリックしてみた。すると……



iPhone(セキュリティ)がキッチリガード!


それでも強引に先へ進むと……



何も表示されなかった。


残念というか安心したというか複雑な気持ちだが、実は楽天市場ではURLの遷移先も紹介しており、「auじぶん銀行」と表示されたサイトに飛ぶ例が取り上げられている。気になる人はそちらで確認してみてくれ。

とにかく、何が表示されるにしても それより先に進んではいけない。そもそも、SMSのURLをクリックしてはいけない。ただ、人間誰しもついウッカリ……ということがある。そんなとき、「速やかに以下の対応を行ってください」と楽天の公式サイトに書いてあるので、引用しておきたい。


・ただちに無線LANをOFF(スイッチor設定)にする/LANケーブルを抜く
・セキュリティソフトウェアでPC内を検査し結果を確認する
・お使いのPCにインストールしているウィルス対策セキュリティソフトウェアの会社にご相談する
・お住まいの地域の警察のサイバー犯罪相談窓口に相談する


「そこまでする?」と思うかもしれないが、URLをクリックしなければ何の問題もない。楽天市場の公式サイトにもあるが、身に覚えのないSMSを受信した場合は速やかに破棄。これが鉄則ということをお忘れなきよう。

参考リンク:楽天市場「【ご注意ください】楽天市場を装った不審なSMS」、au「宅配業者や当行を装った詐欺メール・SMS・ポップアップにご注意ください
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.