料理をする方ならご存じかと思うが、包丁は意外といいお値段がする。種類にもよるが専門店に並ぶ包丁は最低ラインが1万円で、中にはウン万円するものも珍しくない。職人の情熱と技術が結集した包丁には、値段相応の価値があるのだろう。
例えば料理人ならそんなプロ仕様の包丁を購入すればいいが、ご家庭によっては今回ご紹介するコストコの「包丁4本セット」でも十分かもしれない。驚くことにこの包丁、1本当たりの価格はおよそ575円という、逆に怪しささえ感じる代物なのだ。
・包丁の相場
あなたはご家庭でお使いの包丁の値段を答えられるだろうか? 我が家の包丁はおよそ半年前に購入した5000円の包丁で、可もなく不可もなく、包丁としての役割を全うしている。特にこだわりがない限り、3000円~1万円が家庭用の包丁としては相場であろう。
そしてその前までは1本3000円の「セラミックの包丁」も使用していた。耐久性と使い勝手の良さに優れた包丁で、おそらく5年以上は我が家のキッチンのエースとして働いてくれたハズ。個人的にはそこまで包丁にこだわりがないため、かなりコスパに優れた包丁だと考えている。ところが……。
コストコで目にした「包丁4本セット」は、税込価格2298円──。1本あたりの価格は約575円という計算だ。4本のうち1本はミニナイフなのでそれを除外したとしても、1本当たりの価格は766円。価格に関しては「飛びぬけて安い」と考えて差し支えあるまい。
また、念のためホームセンターでセラミックの包丁の価格を見てみたところ、やはり相場は3000円~5000円で、最安値でも1500円であった。うむ、どう考えてもコストコの包丁は安い……いや、安すぎる。逆に怪しい。
・メキシコのキッチンメーカー製
さて、コストコの包丁4本セットは「TRAMONTINA(トラモンティーナ)」というブラジルのキッチンメーカーの製品だ。ホームページには「ブラジルを代表する企業の一つに数えられます」とあるから、素直に考えるとかなり大きな企業なのだろう。
で、4本の内容であるが、どこにも日本語の表記がないので正確ではないかもしれない。ただ一般的なところで言うところの、
牛刀
ペティナイフ
ミニナイフ
サバイバルナイフ……?
そう、ひと際目を引くのはサバイバルナイフの如くギラギラした包丁で、これがずっしりと重い。重さは我が家で使用している包丁の1.5倍ほどで、刃の厚みも2倍弱はあった。
・切れ味は……
肝心の切れ味はというと、試しに大根を切ってみたところ、どれもなかなか鋭い。少なくとも「切れないな」という印象はなく、我が家の3000円の包丁とさほど変わらない印象だ。そして最大の特徴はその重さ。通常の刃に加えて “重み”で切っていく包丁なのだろう。
特にサバイバルナイフ風の包丁はずっしりと重く、肉に関してはかなり切りやすい。大根ではそこまで差を感じなかったが、肉に関してはコストコの包丁の方が遥かに切れ味は鋭かった。また、ペティナイフは収まりのいいサイズなので、実は1番活躍するシーンが多そう。いずれにしろ、かなり安いことは間違いない。
総じて言うと、4本セットはやや大げさな気がしなくもないが、それでもお買い得な包丁であろう。そこまで包丁にこだわりがなく、安くて普通に切れる包丁をお探しならばピッタリかもしれない。もちろん肉専用の包丁としてはかなり良質だ。
オススメ度(☆5中): ☆☆☆☆(普通に使えるしかなり安い)
また買う度(☆5中): ☆(1回買ったら5年くらいは買わなそう)
オススメシチュエーション: 切れない包丁をついついそのまま使っている方も価格的に手を出しやすそう。
参考リンク:コストコ公式サイト 、 TRAMONTINA
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.