ここ数年、月1のペースでコストコに通っていたら「新商品」と「定番商品」がわかるようになってきた。基本的に定番商品の評価は高いことが多く、元々がかなり安いだけにあまり悪い評価は見当たらない。評判がいいから定番商品になる……ごく当たり前の話である。ところが……。

かなり長いこと販売されている定番商品であるにもかかわらず、イマイチ評判の良くない商品に気付いてしまった。それが『フリゴ ストリングチーズ』である。アメリカ製のいわゆる “さけるチーズ” で、1本あたりの価格は驚異の約25円。個人的にも未体験の商品であったが、実際のところを確かめるべく意を決して購入してみることにした。

・コスパは最高なのに

先述のように『フリゴ ストリングチーズ』はアメリカ製のさけるチーズである。1パック48本入りで税込1198円。1本あたりの価格は驚異の約25円だから、普通に考えれば「ディナーロール」や「パンオショコラ」などと同じくらいチヤホヤされてイイ商品であろう。

ところが、チーズという特性もあってかカートに入れている人もあまり見かけず、また「コストコと言えばコレ!」的な話題になっても『フリゴ ストリングチーズ』の名を耳にすることは基本的にない。メッチャ激安なのにこの扱い……考えられるのはそう「味に問題がある可能性」だ。

私、P.K.サンジュン自身も今まで何度か購入を試みたが、同行した家族や知人たちに「イマイチらしいよ」とか「そもそもオススメと聞かない」などと言われ、結局1度も購入せず現在に至っている。正体不明の評判に流されるのは大変よろしくない……というワケで『フリゴ ストリングチーズ』に初挑戦してみることにした。

・雪印のさけるチーズと比較

さて、『フリゴ ストリングチーズ』をレビューするにあたり、日本におけるさけるチーズの大定番「雪印北海道100 さけるチーズ」を無視するワケにはいかないだろう。味や風味、食感などを雪印のさけるチーズと比較してお届けする。

まず、食感だがこれは明白な違いがあった。雪印のさけるチーズが精密機器のように規則正しくさけることに対し、コストコのストリングチーズは手でさく段階からかなりアバウト。むしろ最後まで一直線にさけないことも多かったから、雪印しか知らない人は「なんだこれ?」と思っても無理はない。

口に入れると、雪印が「キュッキュ」「シコシコ」とした食感ならば、コストコは「そこはかとなく弾力のあるチーズ」くらいにしか感じなかった。つまるところ、形状はさけるチーズでも、食感は「しっとり系のナチュラルチーズ」といった雰囲気である。

・食感も味も風味も全く違う

ところが、味自体はコストコに軍配が上がるのではないだろうか? というのも、雪印のさけるチーズは何より食感が命であり、純粋なチーズとしての深みやコクをあえて排除しているキライがある。雪印のさけるチーズにチーズのウマさを求めていない人は多いハズだ。

その点、コストコのストリングチーズはしっかりチーズである。雪印と比較すると塩分もやや強めで、風味もコクも強い。チーズとして考えた場合、味と風味に関してはコストコのストリングチーズの方が個人的には美味しく感じられた。

あとは値段であるが、コストコの1本あたり約25円に対し、雪印はおよそ110円。つまり、4倍以上の違いがあることになる。同じ「さけるチーズ」でも方向性がかなり違うので一概には言えないが、少なくともコストコのストリングチーズが無能とは思えなかった。むしろ超有能だ

・正直、かなり気に入った

とはいえ、日本人の99%以上は雪印のさけるチーズで育っていると思われるため、コストコのストリングチーズをさいた時点で「これじゃない!」となる気持ちは理解できる。高いけど規則正しく食感が最高な雪印を選ぶか、安くて美味しいけど食感はほぼないコストコを選ぶか、あとはご自身で判断していただきたい。

というわけで、あまり評判のよろしくない理由は理解できたが、個人的には何ら問題は無く、むしろまた1つ有能な商品を見つけて得した気分である。なにせ25円はコスパ高すぎるでしょ……! 興味がある人はぜひ1度試してみてはいかがだろうか? いつものじゃないけど、美味しいよ!!


オススメ度(☆5中): ☆☆☆☆(全然アリ!)
また買う度(☆5中): ☆☆☆☆☆(食べ切ったら買う!)
オススメシチュエーション: 48本入りだから、二家族以上でシェアするとイイかも。


参考リンク:コストコ公式サイト雪印北海道100 さけるチーズ
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.