東京駅で近大マグロを食べた。噂に聞きし近大マグロ。世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功したというアレ。近畿大学水産研究所の研究成果の賜物(たまもの)と言えるマグロは、最高だった。養殖っぽさは全く無い。以前の記事で、「天然マグロにも決して引けを取らない美味しさ」と記載の通りだった。

そんな「近大マグロ」が東京駅で食べられるようになったのは、つい先日のこと。正確に言うと、2020年8月3日。その日に、東京駅改札内のグランスタ東京で『近畿大学水産研究所 はなれ』がオープンしたからである。

お店は初日から大盛況で、おそらく今後『近畿大学水産研究所 はなれ』は東京駅で屈指の人気店になると思われる。同時に、「待っている時間が無いから」という理由で諦める人は少なくないだろう。かくいう私自身、「行列に並ぶのが面倒くさい」と思ってスルーする寸前だった。


・「美味い店」と確信した理由

しかし、お店の外から店内を見たとき、私は “あること” に気づいたことで「ここは絶対に美味い店」と確信した。それは何も、行列が出来ているとか、テレビの取材がバンバン入っていたからではない。もっとほかの理由だ。


手っ取り早く、答えを言ってしまうと……



キッチンに人が多かったから


決して広くはない厨房にこれだけの人数。まぁオープン日だから気合を入れているというのもあるだろうが、同じように開店したばかりの他店に比べても明らかに多い。そこに気づいた瞬間、私の心の中で「人件費をけちらない店はこだわりが強い証拠だから並んででも食え!」という声が響きはじめた。

その声に従うがままに入店し、受け取ったものが……


マスクを保管できる紙の包み


この細やかな心遣い。これはもう間違いない! という直感が結果的には当たっていたのだが、もしもキッチンの人数に気づかなければ……危ないところであった。そのため、いわば注意喚起で本記事を執筆した次第である。


早い話が、ちょっとくらい並んでても『近畿大学水産研究所 はなれ』には立ち寄る価値があるということだ。特に、近大マグロが初めての人ならば、その価値は大きいかと思う。


確かに、値段は決して安くない。「近大生まれ マグロづくしの手桶寿司」が税込2950円、「近大紅白手桶寿司」が税込2200円、「近大バラちらし寿司」が税込1650円という値段を考えたら、観光地価格と言うか東京駅価格と言っていいかもしれない。

だが、大事な旅行前の食事で失敗したくなければ、『近畿大学水産研究所 はなれ』はかなり手堅い選択肢の1つ。行列に並んだことで、もし仮に新幹線に間に合わなくても大したことじゃない。食べずに新幹線に乗る方が後悔するだろう


……と言いたくなるほど、近大マグロは美味しかった。ごちそうさまでした。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 近畿大学水産研究所 はなれ
住所 東京都千代田区丸の内1丁目9-1 JR東日本東京駅 グランスタ東京 1階(改札内)
時間 月〜土曜日 8:00〜22:30(L.O.22:00) / 日・祝日 8:00~21:30(L.O.21:00)

参考リンク:グランスタ東京「フロアマップ」(PDF)
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼こちらが「近大生まれ マグロづくしの手桶寿司」

▼味噌はフリーズドライだが、近大マグロの中骨エキスが入っている。マグロの身だけではなく、骨まで料理に活用しているらしい。

▼湯呑の表面には、近畿大学水産研究所が過去に養殖した魚、現在養殖している魚が書かれているとのこと。このあたりもユニーク。

▼偶然知った「ご飯(酢飯)のおかわり」について。

▼ちなみに、お店への行き方はグランスタ東京の「フロアマップ」(PDF)が役に立つ。