どこの家庭にもひとつやふたつ、「あれは何だったんだろう……」と思い返す謎の料理があるはず。そんな門外不出、一子相伝のメニューをご紹介するのが、リレー連載『カーチャンが昔よく食べてた謎の料理』だ。
本日6月1日は麦茶の日。麦茶と言えば私(中澤)は思い出してしまうことがある。あれは暑い暑い夏の日じゃった……。カーチャンが「外国ではこうやってお茶を飲むんやで」と冷え冷えの麦茶にいちごジャムを入れたのじゃ。
・第2回「ジャム麦茶」
まず、情報を整理すると、カーチャンは「ジャム麦茶」をよくやっていたわけではない。むしろ、私が目撃したのはその1回だけ。それだけに、真夏の幻影のように鮮烈なイメージが残っているのである。あれは何だったんだろうか……?
ちなみに、今回は連載タイトルを「カーチャンの謎レシピ」としたのはそのためだ。よく食べてたわけでもないし、料理でもないから。もし、第3回に続く人がいれば、以前通りに戻していただければと思う。
・当時の感想
それはさて置き、当時飲んだ感想としては「あま~い\(^O^)/」と思ったことしか覚えていない。私は子供だったし、紅茶も飲んだことがなかった。味が合っているかどうかなんてもちろん分からなかったのである。そこで、今改めて飲んでみて判定したい。
・材料と作り方
用意するのは、麦茶といちごジャム。20年以上前の記憶だが、全く色あせないのは作り方が超絶簡単ということも由来するかと思う。なにせ……
麦茶にいちごジャムを入れて……
溶けるまで混ぜるだけで……
完成!
・今飲んでみると
「冷え冷えの麦茶だと溶けにくそう」と思うかもしれないが、実際やってみると意外にも簡単に溶けた。さて、味も溶け合っているのか? 飲んでみたところ……
こ、これは……!!
ほぼ紅茶の味だ! 具体的に言うと、甘みといちごの風味が加わったことにより、麦茶の渋香ばしさのような野暮ったさが和らぎ、どことなく優雅な味になっている。
ただ単に麦茶といちごジャムの味がするのではなく、ちゃんとハイカラな味に昇華されているところがなかなかのものだ。さらに飲んでいくと、溶け残りで濃くなっていくジャムの味。最後のひと口がご褒美のようにあま~い\(^O^)/
輝く窓の外、庭の色も白く染まるほど猛烈な陽射し、揺れる陽炎、レースのカーテン、ピッチャーの水滴……最後のひと口を飲んだ瞬間、あの夏の日がフラッシュバックしてきた。そうか。私はこの味を覚えていたのか。そして、今ならば分かる。あれは何だったんだろう……? その答えが。
そう、あれはロシアだったのだ。ロシアンティーにはジャムが添えられていたりする。カーチャンはそれをどこかで見てインスパイアされたのかもしれない。
あれから20年以上が経った。カーチャンが食べたことがないようなものも食べて、お茶の味も分かるようになった。でも、ロシアンティーはやっぱり照れる。私はまだまだジャム麦茶でいいや。ジャム麦茶がいいや。
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.