光陽オリエントジャパンから、尋常じゃないレベルで黒い塗料『黒色無双』が販売された。2020年5月12日からAmazonにて販売されているが、欠品が続いていて入手困難な一品だ。人気の理由は言うまでもなくその黒さ。

公式HPにてリンゴやガンプラを塗装した画像を見ることができるが、まるでPhotoshop等で黒く塗りつぶしたんじゃないかというレベルで黒い。黒すぎてもはや立体感が無い。いくら何でも黒すぎるだろ! これは実際に色々と塗ってみたくなるというもの。実は在庫が一瞬だけ復活したタイミングでゲットしたので、どれくらい黒いのか試してみたぞ!

・吸収

黒さの秘訣は、光をほとんど反射しないから。公式HPによると『黒色無双』をエアブラシで塗った場合の光の反射率は0.8%。筆で塗っても1.2%しか光を反射しないという。ちなみに一般的なアクリル塗料の黒は、2~6%だそうなので、もはや異次元な低反射率である。

ちなみにお値段は100mlで2500円。凄いスペックのわりに、思っていたよりも安い。上述の通り、エアブラシで塗るのが理想的なのだが、持ってないので100均の筆で何かを塗装してみようと思う。

では具体的に何を塗るべきか? こういう時の定番はやはりガンプラだと思うが……家にはガンダムバルバトスしかなく、一瞬塗ろうと思って写真まで撮ったものの、ぶっちゃけ筆だと塗り辛そうなことこの上ない。



・黒と言えば

それに、塗るならもっと黒が似合いそうな、人々が黒さを求めていそうなものがいい。ということで……



『名探偵コナン』でおなじみの犯人さんに登場してもらいました。フィギュアの正式な名称的には『真・犯人』なもよう。犯人にせよ真犯人にせよ、黒と言えばこいつだろう。まあ最初から真っ黒だが、黒色無双の力をもってすれば更なる黒さに至ることができるはず。

公式HPによると、薄く何度も塗り重ねるのが良いようだ。また、エアブラシを使う際には水で30〜50%に希釈した粘度で試すよう書かれてもいる。使用の前には公式HPをよく読んだ方が良いだろう。ちなみに、筆者は薄めることなくそのまま筆でベタベタと塗った。一応目の周りなども、100均で一番細い筆を使い慎重に塗っていく。



何度か重ね塗りをして、乾かすため一晩放置した結果……










_人人人人_
> 漆黒 <
 ̄Y^Y^Y^Y ̄


最初から黒かったと言えばその通りだが、ガチに光を反射しないので黒さの質が違う。これはさすがのコナンくんとて正体を見破ることはできまい。黒色無双の無双っぷり半端ねぇぇえええええ!!



ただ、やはり筆だと気泡が混じったり、筆の跡による凹凸ができてしまうことも。上手く塗れていない場合、そこまで黒くならないようだ。やはりエアブラシで塗るのが最強なのだろう。また、指で強く触ったり、可動部などで擦れたりすると塗装がはがれてしまうのも注意が必要だ。



・布に塗ってみる

さて、ここで次に思うのは「全身タイツに塗ったら犯人になれるのか?」ではなかろうか? プラスチックなどの堅い素材であれば、ちゃんと塗りさえすればその効果は圧倒的。しかし布での効果はまた別かもしれない。

ということで、100均で買ったシャツに塗ってみることに。同じシャツの黒と白を購入。白い方を黒色無双で塗り、黒いシャツと黒色無双で塗った白いシャツのどちらが黒いか比べてみようと思う。



ちなみにシャツの素材はポリエステル100%で、生地自体がツルツルして光沢がある。



こちらも刷毛で塗り、一晩外で干して乾かした結果……



微妙


布でも一応反射を抑える効果は発揮されている気がするが……実のところシャツ1枚を塗りきるだけの量が足りず、しかもかなりの塗りムラが発生しまくってしまい、微妙としか言えない結果に。

正直に言って、布に塗るのはあまりお勧めしない。塗ろうとしても、たちまち吸収されてしまって100ml程度すぐになくなってしまう。もし全身タイツを全てムラなく塗ろうと思ったら、黒色無双が10本くらいは必要なんじゃなかろうか。

実は光陽オリエントジャパンから、『無反射植毛布』という、光を吸収する真っ黒な布が売られている。黒色無双で全身タイツを塗るよりも、無反射植毛布で全身タイツを作った方が良さそう

ということで、黒色無双の黒さはガチだった。光を吸収しまくるので、例えばカメラのレンズフードや、銅鏡の内側に塗るなどしたらいい感じになるだろう。また、プラモデルなどでも、黒い部分に塗れば圧倒的黒さを表現できそうだ。とりあえず1本買っておいて損はしないだろう。

ちなみに欲しい方は、メーカー公式のTwitterをチェックしておくと良いかもしれない。たまに納品の予定をつぶやいていたりするので。

参照元:黒色無双、Twitter @KoPro18
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.

▼リンゴに塗った動画。黒さが半端ない。

▼ガンプラの台座に塗った動画。黒背景に台座が一体化して浮いているように見える。

▼筆者はこの販売再開ツイートのおかげで買うことができました。

▼後ろの影でわかると思うのですが、結構ストロボ強く当てて撮っているんですよ。それでもテカらない。