ウマイそば屋を求めて色んな町を放浪する立ち食いそば放浪記。しかし、現在、東京都は緊急事態宣言中のため、放浪は控えている。この期間に立ち食いそば屋が潰れないことを願うばかりだ。
さて置き、放浪できないなら自分で作ったらいいじゃない。というわけで、コオロギをかき揚げにして「コオロギ天そば」を作ってみたぞ! 閲覧注意。
・コオロギ缶を使用
元になるコオロギは上野にある「昆虫食自販機」で購入して何かの時のために保管していたものだ。レンチン処理されており、賞味期限も2021年2月25日までと1年くらいある。
量も15gと十分だ。ん? コオロギ15gがどれくらいの量か分からない? そうだな……では、参考までに私が購入した缶には大体40匹くらいのコオロギが入っていた。
要するに、コオロギ15gは味に飽きるレベルの量である。そんな量の細々したものを素人が調理するとしたら、やはりかき揚げが最適だろう。
・予想外
というわけで、小麦粉に水を「1:1」の割合で混ぜ卵を入れた。正直、天ぷらを作ったことはないが、揚げるだけなので、ただ作るだけならばそこまで難しいこともないだろう。まずは、コオロギに天ぷらの衣をつける……
そして、一気に熱した油に入れたところ……
バラバラー!
弾ける油の勢いに押され無造作に広がっていくコオロギ!! 全然かき揚がらねェェェエエエ!
一緒に入れたらなんでもかき揚がるものだと思っていたが、コオロギが細かすぎたのかもしれない。もしくは、スベスベなのが問題か? コオロギをかき揚げにする際にはご留意いただけると幸いである。
・コオロギ天そばへ
ともかく、大きい塊にはぐれコオロギを乗せて無理やりかき揚がらせていった結果、不格好にはなってしまったがなんとかコオロギのかき揚げ天を作ることができた。天ぷらから飛び出す足がリアルこの上ない。
さて、古来よりかき揚げと言えばそばだ。さっそく、そばを茹でコオロギ天を添えてみたところ……
うん。エグみが薄れた気がする。遠くから見たらおいしそうに見えなくもない。かき揚げ天の黒さや足が出ていることに目をつぶれば。
とは言え、以前の記事でもお伝えしているが、コオロギは普通に食べ物の味がする。ちなみに、この缶のコオロギはそのまま食べると炒り豆っぽかった。すなわち、食べる分には何の問題もないということだ。ビジュアルにさえ目をつぶれば。
・実食
そこでコオロギ天を食べてみたところ、かっぱえびせんみたいな味がした。揚げることによりコオロギの旨みがより感じられるようになった気がする。
そのまま食べるとコオロギ15gは飽きる量と前述したが、かき揚げそばにすると、そばによってエグみが中和されるからか飽きずに食べきることができた。
味の濃厚なコオロギも爽やかに食べることができるこのレシピ。かき揚がらせるにはテクがいるが、昆虫食マニアはお試しいただけると幸いだ。また、コオロギもそばも保存がきくため、非常用レシピとして覚えておいて損はないだろう。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.