10代のころは新たなメイク技術を習得するため、日夜努力を惜しまなかったもの。しかしある程度の方向性が定まってからは、ただただ手順が簡略化されてゆくばかりだ。毎日約10分というメイク時間はなかなか好スコアなのではないかと思う。

私はキラキラのラメ、つけまつげ、肌色リップなどを20代で卒業。それなりに年相当なメイクで生きているつもりなのだが、特に同世代の女性から「ギャルのなごりが消えていない」と指摘されることが多い……ということは多分そうなのだろう。

それが悪いとは全く思わないけれど、聞くところによると “30過ぎてギャルメイク” ではあまり異性にモテないらしい。テレビでアイドルや女優さんなどを見るかぎり、メイクのトレンドはどんどんナチュラルになってきているようだ。


そろそろ、なんとかせねばなるまい。


・ご参考までに……

ちなみに私が普段使用しているメイク道具は「ティーンエイジャーが使っているようなもの」ばかり。ドラッグストアで購入できるプチプラ商品がメインだ。

まず無印の化粧水を顔面にすり込んだら……

ヨーロッパで購入した1500円くらいのBBクリームを適当に塗り、「クリアラスト」のパウダーをはたく。

「ケイト」のアイシャドーで目の周りと眉を描いたのち、タイで購入したアイライナーで目尻をハネ上げ……すかさずマスカラを塗ったなら……


10分ほどでいつものメイクが完成!


お伝えした通り私のメイクは決して「濃い」というわけではない。にもかかわらず特に男性から「メイクが濃い」と言われることが多いのは、ひとえに「アイラインが黒い」せいなのだと薄々自覚している。

自覚してはいるのだが……「今さらどう変えればいいか分からない」というのが本音である。


・ならプロに委ねちゃお!

JR原宿駅前に今年1月、全女子が1度はお世話になってる『@cosme TOKYO(アットコスメトーキョー)』の超大型店が華々しくオープンした。その名は『アットコスメトーキョー』。施設内の立ち回り方については以前の記事を参照していただきたい。

とにかく画期的なのは「自分に最適なコスメをブランドの枠を超えてチョイスしてもらえる」点である。

アットコスメトーキョーの3階はスマホアプリ会員限定のスペース。無料で簡単に登録でき、タダで休憩やメイク直しができるとあって登録しないテはあまりないぞ!

カウンセリングやメイク等のサービスは通常1、2階で行われているが、今回は特別に3階スペースで体験させてもらうことに。

担当してくれるのはスタッフの村井さんだ。ここはひとつ……よろしくお願いしまーす!

今回は私の年齢に合わせ、ドラッグストアよりもう1ランク上のコスメをメインに揃えてもらった。使用するアイテムもさることながら、したたかにプロの技術を盗んでおかねばならぬ。


・女子アナになりたい

その前にまずは私の普段のメイクについて、一体どのへんがダメなのかプロの意見をうかがってみようと思う。


村井さん「いや、ダメではないですよ! お似合いだと思います」

──そりゃあダメだとは言えないですよね! じゃあ質問を変えましょう。一体どのへんが “今っぽくない” ポイントですか?

村井さん「眉毛は今っぽくて良いと思います! ただアイラインの主張が少し激しいかな? という印象ではありますが……。ちなみに “なりたい雰囲気” ってありますか?」

──女子アナです。

村井さんナチュラルで清楚な感じですね。かしこまりました。それでは今回は、ガッツリ入っているアイラインをナチュラルにしましょう。優しい雰囲気になるよう、ブラウンを入れようと思います。それでだいぶ変わるはずです」

──それでお願いいたします!



村井さん「それではメイク落としから始めますね〜」


・奥深いぜメイク落とし

私は普段のメイク落としに「顔全体をオイルでゴシゴシする」方法を用いている。所要時間は30秒ほどだろうか。しかしプロのメイク落としは若干様子が違う模様。なにせコットンで優し〜くホホを……かれこれ3分はナデナデされているのだから。


──……メイク落としですから、もっと適当で構いませんよ?

村井さん「これは “クレンジングミルク” といいまして、汚れを落としながらハリを出す商品なんですよ」



汚れを落としながらハリだと……!?



村井さん「次はアイメイク落としていきま〜す」

──え!? 目と肌と別々に落とすんですか!?

村井さん「そうです。ちなみにご使用のマスカラはウォータープルーフ? それともお湯で落ちるタイプですか?」

──え!? ごめんなさい……分かりません!

村井さん「多分フィルムタイプという、お湯でオフするタイプのマスカラだと思います。これはオイルやクリームでは落ちないんですよ。今日はお湯の準備をしていないから完全に落ちないかも……すみません」

──いやいや! こっちがすみません! ってか……


・知らなかった……

「ウォータープルーフ」が “水で落ちない” の意味だとは知っていた。しかし “お湯でしか落ちない” というタイプのマスカラが存在していたこと、おまけに自分がそれを使用していることすらも、恥ずかしながら私は知らなかったのである。

つまり私は今まで、オイルではなく “力” でマスカラを落としていたワケだ。

そのあとも「ポイントメイクを落とします」「次は目元を落とします」といった具合に、少しずつ丁寧に行われるメイク落としに要した時間はのべ15分!

終わってみれば確かにクレンジング後とは思えぬしっとり感。心なしか肌がモチッとしたような気がするぞ! メイク落とし……ノーマークだったけど実にあなどれないヤツだ。


・田中みな実の美容液

次はメイク……と思ったら、美容液をタップリすり込むようにマッサージ

まるでエステのように……

肌を引っぱったり持ち上げたり……

つまんだりした結果……


──ワッ! なんだかツルツル!!!

村井さん「使用したのはアットコスメですごく売れているランコムの美容液です。お肌のキンのケアができるんですよ」

──キン? 筋肉ですか?

村井さん「細菌のです(笑)。お肌の表面には色々な菌が……いい菌も悪い菌もいます。バランスが乱れるとお肌の不調につながるので、それを整えてくれる美容液です」

──顔に菌が?

村井さん「そうです。アクネ菌とか」

──コレはおいくらなんですか?

村井さん「1万5000円です。その次は同じランコムの化粧水でして、酵素の力でお肌をきれいにしてくれます。複合的なお悩みがある方にオススメですね」

──高い……! でも顔をマッサージするといいという話は、確かによく聞きます。



村井さん「そうですね。朝目覚めたては血行が悪いので、マッサージするとファンデーションのノリも変わってきます。そこへクリームをぬると “朝ごはん” の役割で、肌にエネルギーを与えてくれるんです。乾燥が気になる方には特にオススメです。

……さて、その次はカネボウのクリーム。これは田中みな実さんが絶賛した商品なんですよ」]


・上から下にネ!

ようやくメイクの順番が巡ってきた。まず『ポールアンドジョー』の下地。つづく資生堂『ベネフィーク』のリキッドファンデーションはノンテクニックできれいに仕上がるらしい。


村井さん「モテを意識するならあまりガッツリのカバーはよくないと思うので、ナチュラルな感じでいきますね。コンシーラー等も無しで、艶の入ったフェイスパウダーで仕上げます。春なので軽やかな感じにしましょう」


「春だから軽やかに」か……そういえばハタチくらいの頃は意識していたような気がする。いつからか面倒になり、1年を通して無難な茶色を使用するようになったんだよなァ。季節とかトレンドとか……たまには意識してみたらモテるだろうか?


村井さん「眉毛はフンワリした感じに仕上げていきますね」

──あら、順番は眉毛からなんですか? 私はいつも目からです。

村井さん「基本は上から下に仕上げていきますね。そうすれば漏れがないですし。優しい雰囲気の女子アナを目指したいので、まゆは角度なしのなだらかな感じにしていきますね。亀沢さんの眉毛は今茶色ですが、髪の毛がピンクっぽい色なので統一感を出すためピンクに合わせます」


眉と同じピンク色のアイシャドウをまぶたに塗る。私の苦手とする「グラデーション」を作るコツは、まず薄い色を全体、それから先に濃い色を塗り、中間色で境目をぼかすようにすれば簡単とのことだ。

普段アイラインは漆黒のジェルを使用しているが、今日はブラウンのペンシルでほんのり優しく。

ここでビューラーの登場だ。

マスカラに……

唇の保湿をしておいてからチーク。顔の中心寄りに色があれば可愛らしい感じ、外側にいけばいくほどかっこいい感じになるのだそう! そうとは知らず、私は長年メチャ外側にチークを入れていた。怖そうに見られるのはそのせいだったのかも……。


村井さんなりたいイメージに合わせて変えていただければいいと思いますよ。キラキラのハイライトも入れておきますね。笑った時に前へ出る位置にキラキラがあると可愛くなるんです」


最後にリップ。幼いころ母親が赤い口紅を塗るのを見ながら「自分も大人になったら塗るのだろう」と思っていたが、ついに塗る習慣が身につかぬまま30歳を超えてしまった。リップに関してはことさら何をチョイスすればいいか見当もつかないので、プロに決めてもらえるのはありがたい。


さあ、これにてようやく……


完成だ!!!


“メイク落としタイム” と “マッサージ&美容液タイム” にトータル30分を要したのに対して、メイク自体は15分ほどであっさり完了。下準備のほうが長いという結果、私にとっては大きな驚きだが……みんなはどう?


・女子アナなるか?

完成した自分の顔を鏡で見てみると、普段とのあまりの違いに戸惑う。

が、しかし……


コレはけっこうイイ感じな気がする!


アットコスメトーキョースタッフの皆さん、ならびに取材に同行した当サイトの原田記者「カワイイ!」と大絶賛。まんざらでもない気分だ。

できれば今回使用した全アイテムを購入したい気分だったが、予算の都合により徐々に買い揃えてゆきたいと思う。今回は眉とまぶた両方に使用した『Too Faced』のアイシャドウパレット(税込7480円)を購入することにした。

パッと見は韓国コスメっぽい『Too Faced』はアメリカ生まれのブランドで、日本へは約半年前に上陸したばかりなのだという。桃色のパレットからはピーチの匂いがただよい、とにかくカワイイ。


・社内で人気投票

数日後、当サイト編集部メンバーに「普段のメイクと女子アナメイク、どちらが好みか」のアンケートを行ってみた。

男性比率の高いロケットニュース編集部。

計7名の意見をまとめると……


なんと2対5で「いつものメイク」が多数という、記事としてはまとめづらい結果に……!


いつものメイクを支持する理由は「見慣れているからしっくりくる」「派手なメイクのほうが似合う」「女子アナメイクは若干老けて見える」などといったもの。10代の頃からほぼ変化なしのメイクが、結果として若作りの効果を生んでいたということかもしれない。

しかし姉妹サイト(Pouch)の女性記者にも意見を求めてみれば「女子アナメイクのほうが髪の毛の色と合っていてイイ」という回答だった。さすが女子! よくお分かりで……!

そして何より取材に同行し、スッピン状態からメイクが完成するまで一部始終を目撃していた原田記者の「女子アナメイクのほうが200%イイ」という意見も見過ごすわけにはいかない。


特に男性にとって、パッと見は派手なメイクのほうが印象的なのは確か。だがスキンケアやトレンドカラーなどといった細部の小ワザに関しては、見ているうちボディーブローの要領でジワジワと効いてくるはずだ。「モテメイク」ってそういうものなんじゃないだろうか……たぶん。

Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

▼メイクに興味を持った原田記者

▼とても春らしい

▼女子らしいスタイルで記念撮影

▼『Too Faced』のブースはほぼ夢の国だ

▼アットコスメトーキョー内には撮影スポットが多数!

▼※今回の女子アナメイクに使用した商品は以下のとおり。全てアットコスメトーキョー店頭や通販で購入可能だ(品切れの場合もあり)。

【クレンジング】アルビオン アンフィネス『エリミネート クレンジング ミルク』

【化粧水】ランコム『クラリフィック デュアル エッセンス ローション』

【美容液】ランコム『ジェニフィック アドバンスト N』

【クリーム】カネボウ『フレッシュ デイ クリーム』

【化粧下地】ポール&ジョー ボーテ『モイスチュアライジング ファンデーション プライマー S』

【リキッドファンデーション】ベネフィーク『ファンデーションジーニアス (リキッド)』

【フェイスパウダー】エレガンス『フェザー ヴェール』


【アイシャドウベース】トゥー フェイスド『シャドウ インシュランス アイシャドウ プライマー』


【アイシャドウ】トゥー フェイスド『スイートピーチ アイシャドウ パレット』

【リップ】カネボウ『Nールージュ』

【リップ】クラランス『コンフォート リップオイル』

【マスカラ】エレガンス『フルエクステンション マスカラ』

【マスカラ下地】エレガンス『カールラッシュ フィクサー』

【マスカラ】トゥー フェイスド『better than sex』

【アイブロウマスカラ】エレガンス『エアリー アイブロウ マスカラ』

【アイブロウペンシル】エレガンス『アイブロウ スリム』

【アイブロウパウダー】エレガンス『パーフェクト ブロウ パウダー』

【アイライナー】エレガンス『ファインラスティング ジェルアイライナー』

【チーク】アディクション『ザ ブラッシュ』