様々なアイデア商品で消費者の度肝を抜き続けている『サンコー株式会社』の公式オンラインショップで、現在約2カ月待ちの品切れ状態なのが「おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器」だ。商品ページには大きく「早炊き14分」の文字がある。
正直なところ早炊きに関しては通常の炊飯器や鍋でも似たような所要時間であるが、注目すべきはそのサイズだ。幅24×奥行き10×高さ8(cm)は “完全に弁当箱” といえる小ささ。それで本当に炊飯できるんやろか……?
気になったので秋葉原のサンコー総本店を訪れてみれば、ラッキーにも店頭で購入することができた。税込6980円……失敗するとチト痛い金額だ。頼むぞ〜!
・あまりにもシンプル
箱から取り出した「おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器」は、知らなければただの保温機能つき弁当箱にしか見えない。
付属品はコードと小型の軽量カップのみ。
弁当箱の側面には通常の炊飯器と同様、0.5合炊き・1合炊き用のラインが引かれているぞ。
…………うん。
・炊いてみた
あまりにもシンプルすぎる構造ゆえ、他に特筆すべきこともない。さっさと米を研いでセットしてみるとしよう。
米を炊く前にはある程度の時間 “浸け置き” し、さらに炊けた後も10分程度 “蒸らし” を行うのが美味しく仕上がるコツだ。これはどの炊飯器を用いる場合でも不変の「炊飯セオリー」であり、弁当箱炊飯器の説明書にも「お米を10分程度水に浸してから炊飯すると、より一層おいしく炊きあがります」と記述されている。
しかし今回の商品がセールスポイントとしているのは「14分で高速炊飯(0.5合炊きの場合 / 1合だと19分半)」。これは浸け置きと蒸らしの時間をゼロとした所要時間だ。短時間での炊飯は味の面で大きなハンデとなるが、弁当という特性上、悠長に待っている時間はない。
つまり「14分で炊いた米の味」こそがこの商品の最重要判定ポイントとなるワケで。よって今回は「研いで即炊飯、炊けたら即食い」検証を敢行してみることにした。まぁお手並み拝見といこうじゃないか。
1本しかないコードを弁当箱に繋ぎ、1つしかないスイッチを押せばあとは待つだけ。
10分が経過しても音や水蒸気など「炊飯器におなじみの演出」は見られない。不安になって手を伸ばすと……ヒッ! フタと本体の境目あたりが熱々っ! 本当に「炊飯器」だったのだな!
火傷には注意が必要だが、逆を言えば使用中だと気づきにくい。よって職場でコッソリ米を炊くことが可能であるといえる!
おまけに「ピー」などといった “炊けた音” も鳴らない仕組みなのが嬉しい。ランプが静かに緑色に変われば炊飯完了である。
・食べてみた
蓋を開ければおいしそうな匂い……
ちゃんと炊けてる!!!
見た目は完璧なように見えるがお味は……
うん、イケる! これはまさに「炊飯器で早炊きした米の味」!
浸け置きや蒸らしの手間を加えた米よりは若干劣るが、それは従来の炊飯器とて同じことだ。小ささによるマイナスは全く感じられず、早炊きの硬さを “炊きたての強み” でカバーした白米。コンビニ弁当を軽く越えていることは言うまでもない。
ここに手作りのおかずがあれば文句なしだが、レトルト品や缶詰などを添えるのもオススメだ。なぜなら……
弁当箱全体が熱々なので……
「ついで温め」が可能だから!
・デスクから動く必要すらない
発売元であるサンコーの発表によれば、この商品は1人暮らしの人が「自宅で簡単に少量の米を炊くために」使用する例が多いのだという。通常の炊飯器より小型で安価な「おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器」は、そういった用途でも十分に活躍するはずだ。
しかし……私個人の意見としては、これは職場に置いておくことでその実力を最大限に発揮するものであると思う。無洗米なら米を研ぐ必要はない。ペットボトルの水を入れスイッチを押すだけで、デスクから動くこともなく炊きたてご飯が食べられる感動は計り知れない。
ウマイ、安い、早い……おまけに腐る心配もない「デスク炊飯」は弁当の究極進化形といっても過言ではないだろう。
働き方改革が叫ばれる昨今。あなたも職場に「置き米」始めてみては……?
参照元:サンコー直営オンラインショップ
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
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▼840グラムと軽量なので、移動の多い人は携帯するのもアリかも
▼米好きの私はふりかけで十分だ