もしも食材の世界に食物連鎖があるならば、その頂点に立つのが “にんにく様” であろう。どんな食材と交じり合おうと、にんにく様の存在感を打ち消すことは不可能。その存在感はマイケル・ジャクソンやマイク・タイソンにも匹敵する、まさに “キング” である。

そのにんにく様を崇め、敬い、そして感謝するのが本日2月29日「にんにくの日」だ。あえて4年に1度しかお祝いさせてくれないにんにく様の気の使いようったら……! なんといじらしいお人……!! せっかくの記念日、にんにく様の有り余るパワーを全て受け止めたい……思い付いたのが『にんにく100個ペペロンチーノ』である。

・ポテンシャルを最大限に発揮する料理

あくまで個人的な感想になるが、どんな料理もにんにく様が多ければ多いほど美味しくなるもの。本来「にんにく臭い」などという言葉は大変失礼な言い回しであり、正確に表すならば「にんにくかぐわしい」が正解であろう。みんなも使おうな、にんにくかぐわしい。

にんにく様へのあふれ出す愛はこれくらいにして、せっかく4年に1度しかない記念日ならばスペシャルなにんにく料理を作りたいではないか。にんにく様のポテンシャルを最大限に発揮することを最優先に考えた結果、思い付いたのが『にんにく100個ペペロンチーノ』だ、

・心を込めて調理開始

言うまでもなくペペロンチーノはにんにく様がイキイキされている料理であり、あれ以上の存在感を感じたければ生でかじりつく以外に方法はない。というわけで、八百屋でにんにく様をネット買いし、1つ1つ感謝の気持ちを込めて手でむき始めた。


……のだが。


全ッ然終わらねぇぇええええ!


結局、にんにく様100個のお皮をむかせていただくだけで45分が経過。オシャレなにんにく様はすけすけランジェリー的な薄皮をまとわれているため、メチャメチャ手間がかかる。またありがたいことにその夜布団の中で、指先からにんにく様の残り香が漂っていたことは記述しておく。

さて、にんにく様100個をフライパンに移したら、ひたひたのオリーブオイルを注ぎ弱火で香りをお出しいただこう。これだけでも45分ほどかかったこともそうだが、警報機が鳴り出さんレベルで部屋中が にんにくかぐわしくなったことは光栄の極みである。本当にありがたい。

あとは動物性の旨味を出すベーコンと、辛みの鷹の爪を追加したら塩コショウで味付け。そこに茹であげたパスタを追加すれば『にんにく100個ペペロンチーノ』の完成である。

・殺人的なウマさ

気になるお味は、まさにキング──。たった一口でドラキュラ200人くらいを殺せそうなほど、にんにく様のお香りは濃厚そのものであった。にんにく様の食感は噛まなくて良いほどトロトロで、かろうじてそのお姿を保っているだけである。なんたる幸せ……! にんにく様、生まれてきてくれて本当にありがとうございます。

ちなみに、にんにくは国産を使用したので材料費は諸々込みで4000円弱かかった。また調理時間も1時間半ほど必要だったが、にんにく様とマンツーマンで向き合えるハピネスは何ものにも代えがたい。ズバリ、4年に1度は地球に住む全員が『にんにく100個ペペロンチーノ』を作るべきである。それほど尊い1皿であった。

なお、妻は殺し屋のような眼で「2度と家でやらないでね」と言っていたので、換気扇だけはフルパワーで回し続けることを推奨したい。さあ、みんなも祝おう、にんにく様バンザイ! にんにく様バンザイ!! にんにく様フォーエバーーーーッ!!!!

Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼翌日、トレイに入ったら……おっと、誰か来たようだ。