宮崎県の延岡市には、昭和の世界へタイムスリップできる銭湯があるという──そんな情報を地元が発行している地域情報誌でキャッチした。地元民がガチで推薦するスポットにハズレはない。
というわけで今回は、1949年(昭和24年)創業の銭湯『喜楽湯』に行ってきた。アミューズメント要素の強いスーパー銭湯も好きだが、歴史ある昔ながらの銭湯も最高じゃないか! のんびり贅沢なリラックスタイムを堪能してきたので詳しく報告したい。
・喜楽湯
延岡駅から歩いて20分ほどの場所にある喜楽湯。風格を漂わせる昭和な外観は、そのまま映画のセットとしても使えそうであった。かつて延岡に30軒近くあった銭湯も、今では喜楽湯を含めて2軒のみ。もはや文化財レベルで貴重な存在である。
さてさて、訪ねたのは15時の営業開始直後。戸を開けると昔懐かしい番台があった。入浴料の350円は店番のおばちゃんに手渡し。ついでに150円のタオルも購入して脱衣所へ。年季の入りまくった木製ロッカーや体重計などは「当時のまま」だという。スゲーなおい。
それでは、いよいよ浴室へ。
こ、ここは……
天国ですねぇぇ。
・そのままなのが素晴らしい
まず目に飛び込んできたのは、浴室中央にドーンと鎮座する丸い湯船。神々しいほどの美しさである。これぞまさに日本の銭湯、贅沢過ぎる一番風呂だ。
そして、壁上部にズラッと飾られた昭和30年代頃の手描き広告も渋い。話を聞けば「そのまま使っているだけ」とのことだったが、タイムスリップ気分を味わえるほど “そのままの状態” を維持しているのがシンプルに素晴らしいじゃないか。
・入浴心得
さあ、それでは入浴心得と書かれた看板「タオルを湯船で使わない」「湯船で髪や身体を洗わない」「洗濯はしない」を確認し、身体を洗い流してから湯船へ。
喜楽湯では、延岡の美味しい地下水をボイラーで温めてから浴槽へ送っている。最高だ、自然と笑顔になってしまう。なんというか、湯加減も景色も絶妙に昭和……この感じがたまらん。そんで、あともう少し時間が経てば常連客で賑わうだろう。素敵な空間だなぁ。
入浴後に脱衣所でくつろぎ、帰る前には番台のおばちゃんとプチ会話を楽しむ──古き良き昭和の銭湯は、観光の舞台にもなり得るほど魅力的だった。なお、コーヒー牛乳は売ってないので持参しましょう、というのは地元の方からのアドバイス。機会があれば、ぜひ!
・今回ご紹介した銭湯の詳細データ
店名 喜楽湯
住所 宮崎県延岡市柳沢町1-4-8
時間 15時~19時
休日 日曜日
Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
▼最高の一番風呂でした