先日、山梨県の都留(つる)市を訪れたのだが、たまたま立ち寄った喫茶店があまりにも昭和レトロな雰囲気で驚いた。お店の名前は「純喫茶 旅苑」。あとから聞いた話によると、地元ではかなり有名なスポットらしい。テレビでも何度か紹介されたことがあるという。

とにかく扉を開けた瞬間から完全に昭和だった。薄暗い店内の雰囲気もマスターのゆったりとした語り口も、どこか懐かしさを感じさせる。しかし1番驚いたのは……名物メニュー「ウインナーコーヒー」を注文したら粗品がもらえたことだ。詳しく紹介したい。

・粗品がもらえる喫茶店

都留市役所から歩いて5〜6分の場所にある「旅苑」。スナックのような看板だが「ウインナーコーヒー」と書いてあるので喫茶店なのだろう。カーテンがかかっていて店内の様子は確認できなかったが、勇気を出して入店してみると……


扉の向こうはもう昭和だった。



バブル時代を思わせるような雰囲気。薄暗い廊下の先にまた扉。はじめてなのでルールがよく分からないが「学生専用のワンタッチボタン(いわゆるインターホン)」があり、貼り紙によると「ワンタッチの方で10分メニューは入店時に申し出て頂きます」とのこと……難しい


それはさておき、店内も驚くほど薄暗かった。喫茶店とスナックを組み合わせたような感じだろうか。アンティーク調の照明が「昭和の昼ドラ的空間」をうまく演出している。


外は寒かったが、ストーブのすぐ近くの席に案内してもらえた。昔ながらのソファはバネ入りで独特の座り心地。やたらと年季の入った反発力である。


聞けば、創業したのは50年以上前らしい。手書きのメニューを確認して「ウインナーコーヒー」を注文。プラス50円で粗品付き。もちろんお願いした。何がもらえるのだろう。


約5分後、やって来たのは……


生クリームたっぷりのウインナーコーヒー、ひとくちチョコレート、煎餅、そして紙袋


紙袋に入っていたのは……

粗品のボックスティッシュ。


表書きには「なるべくウインナーコーヒー」と書いてあった……時間が経つにつれてじわじわくる。粗品を眺めながらウインナーコーヒーをいただこう。


濃いめのコーヒーと生クリームで優しい味わい。ほっとする美味しさだ。マスターが時間をかけて丁寧に淹れてくれたのがわかる。なんというか、レトロな店内で飲む一杯は格別だった。

・昭和を感じたい方におすすめ

というわけで、タイムマシンに乗ったような気分を味わいたい方、驚くほど昭和を感じたい方は山梨県都留市の「純喫茶 旅苑」に行くといいだろう。注文はなるべくウインナーコーヒーで。覚えておくこと。


・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名:純喫茶 旅苑
住所:山梨県都留市上谷4-1-10
時間:12:00〜20:00
休日:不定休

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.

▼なるべくウインナーコーヒー