灯台下暗しとはよく言ったもので、身近なことほど目が曇るものだ。2020年冬、SNSを通じて「奈良県公式サイトに掲載されている(た)路線図がオカシナことになっている」と話題だ。

簡単に説明すると、路線図の位置が実際の場所とまるで合致していないのだ。詳しくは以下をご覧いただきたいが、その不自然なマップが出来上がった経緯について、県庁に問い合わせてみた。加えて、路線図には載せられていない奈良の魅力についても奈良住み歴約10年の記者がお伝えしたい。

・県に問い合わせてみた

件(くだん)のマップは “鉄道利用マップ” と名付けられたもので、各地へのアクセスを示そうと線路図を奈良県の地図上に落とし込んだものだ。問題は、その線路の位置。地図と路線図とにズレがあることは上記した通りで、SNSを通じて発覚した。

実際にその鉄道利用マップを見ると、奈良県いっぱいに線路がはびこっているようだが、残念ながら現実はそうではないない。マップ上の最南端にある “近鉄吉野駅” なんて、実際はもっと北に位置するのだ。

いやはやしかし、このハチャメチャっぷりはどうしたことだろう。奈良県のことを、あまり知らない人が作ったのではないかと疑いたくなるレベルである。考えても仕方がないので、県の広報広聴課に尋ねたところ返ってきた答えはこうだ。

「かなり前に載せたもので(何故このような仕様になったのか)詳細はわかりません。調べてはみましたが、いつ頃作られたものなのかも不明です。

わかりやすいように、線路を大きく載せたのではないかと思うのですが、背景が奈良県地図になっているので誤解させてしまいました」

つまり、奈良県地図はあくまでイメージということか。ちなみに2020年1月10日現在、県のサイトを覗くとマップは新しいものに変わっていた。SNSで話題になったことを受けて、新しいものに差し替えたそうだ。

実は2020年1月8日の午前6時に、Jタウンネットがこの件について記事にまとめている。記者もその時点で県の公式サイトを確認していたが、その際にはまだ以前のマップが使われていた。つまりそれ以降、差し替えられたのだろう。県の方も「ぜひ新しいものを見てほしい」と仰っていたぞ。

・郡と町の区別がついていない? 

とは言え、このような事が起こっても仕方がないのかもしれない。記者の周りにも奈良県民でさえ、奈良の南は吉野だと思っている人がチラホラいる。確かに、その認識はあながち間違いではい。例えば、奈良県最南端にある十津川村の住所は吉野郡十津川村。

しかし奈良の南が吉野だと言う彼らの指す吉野とは、たいていが吉野郡 “吉野町” ……である印象を受ける。つまり吉野といっても、それが “郡” を指すか “町” を指すかで大きく変わって来るのだ。単なる推測だが、そうしたちょっとした認識違いが、旧鉄道マップに反映されてしまった可能性も無きにしも非ずではないだろうか。

・奈良に来て確かめてみて

SNSを通じて話題になるまで、旧鉄道マップは注目されていなかったようだ。記者も恥ずかしながら今回のことがあり、はじめてサイトの該当ページを目にした。しかし奈良県には電車で足を運ぶことができる場所、またそれ以外にも心惹かれるであろうスポットはたくさんある。

そこで奈良に住まう記者が、サクッとその魅力をお伝えしたい。旧鉄道マップにあった下市口は、奈良県内でも比較的都会の部類だ。それは電車が通っていることからも想像に難くない。病院もあるしな。このあたりは柿の葉寿司を作っている店が大小問わず存在する。駅に降り立つ機会があれば、マストで購入すべし。

View this post on Instagram

お昼ご飯 #奈良にうまいものアリ

A post shared by Kinoshita_Masami (@masami_1010) on

また旧鉄道マップの吉野は、言わずと知れた桜の名所。春になれば国内外から、大勢の観光客が訪れる。その期間は車ででかけたところで駐車場がほぼほぼないので、電車を利用せざるを得ない。新鉄道マップを活用するチャンスだ。

そして個人的にオススメしたいのが、電車が通っていない吉野郡エリア。日本一の走行距離を誇る路線バス “八木新宮特急バス” が、近鉄大和八木駅から出ている。それに乗れば、上記した十津川村まで行くことが可能。記者もまだ試したことがないのだが、一生に一度くらいは乗ってみたいと思っている。

吉野郡エリアはとにかく自然が豊か。右を向いても山、左を向いても山だ。温泉もある。水もとても奇麗で、夏になればカヌーやカヤックを体験する姿も目にする。そうした風景を目にすれば、奈良に対するイメージが大きく覆されることだろう。

県内外の人が “旧鉄道マップ” をきっかけに、改めて奈良の地形について考えることができたように思う。これを機に「いっちょ確かめに奈良に行ってみっか!」となれば良いなあ、と陰ながら願っている次第だ。

参照元:奈良県公式サイトJタウンネット
Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
Screenshot:GoogleMaps、奈良県公式サイト

▼奈良県公式サイトは新しくなったが、アイキャッチ画像に旧鉄道マップの名残が……

▼奈良も土地ごとに魅力がいっぱい! 鉄道が通っている場所、そうでない場所ともに面白いよ。記者のイメージはだいたいこんな感じ