寒い! 歳を取るにつれ、この寒さが耐え難く、もういっそ冬場は南の島で暮らしてやろうかと思っているところだ。しかも気温が下がると、作り置きのご飯、特に白米なんかは硬くなってしまう。

たとえば、記者の暮らす奈良県の名産「柿の葉寿司」もそう。そのまま食べても美味しいが、冬場は心なしか酢飯の部分が硬く冷たいのだ。はじめて口にした人に、この状態が柿の葉寿司の限界だと思われては困る。そう考えた記者は、トースターで焼いてみることにした。

・オーブントースターに放り込む

小説家の谷崎潤一郎は『陰翳礼讚(いんえいらいさん)』の中で、柿の葉寿司について語っている。「吉野の山間僻地(へきち)の人が食べるもの」などと、若干皮肉にとれる表現をしながらも、実際に家で作ってみたようだ。要するに美味しかったのだろう。

柿の葉寿司とひと口に言っても、作り方ひとつで味わいは大きく変わる。谷崎のように家で作る場合もあるし、冒頭に書いた通り専門店も数多く存在する。いずれも、鯖や鮭などから出る脂が酢飯に染み込んできた頃が食べごろだ。しかし魚も米も冷え切っていては、難しい。ってことで、オーブントースターに放り込んでみたところ……

なんと、夏場に食べる柿の葉寿司のように酢飯がフワッとしたではないか。口に入れると、魚の旨味がしっかり米に染み出ている。冷えている状態に比べて、柿の葉を開いた瞬間に香る魚のにおいがキツイが、大した問題ではない。ガリでもつまんでおけば大丈夫だ。

・葉が少し焦げるくらいまで温めるべし

ポイントとしては、柿の葉が少し焦げてきたかなというところで、トースターから出すこと。トースターにもよるが、常温で保存しておいた柿の葉寿司ならば、恐らくその程度で酢飯の中央まで熱が伝わるはずだ。

そのままでも美味しい柿の葉寿司だが、工夫次第でより旨味がアップすることを発見できた。新しい柿の葉寿司の食べ方として、推奨していきたい。谷崎さんにも、教えてあげたかったな。

Report:K.Masami
Photo:RocketNews24.