これを書いている2日前の夜に、わけあってヤフオクであるものを落札した筆者。ヤフオクの存在はもちろん知っていたが、利用したのは生まれて初めてだった。取引は今のところ全く滞りなく進んでおり、実害のある問題は発生していない。

ちなみに、発送連絡は本記事執筆の1日前に来たが、まだ商品は届いていないという状態。それゆえに、もろもろが最終的にどうなるかは分からない。ただ、取引の最中というこの段階で、ヤフオクのシステムそのものに対しそれは違うんじゃないのか……と感じる事態に遭遇。こういうのはさ、もっと厳格であるべきだと思うんだよなぁ。

・「非常に良い」と評価されました


おめでとうございます!! ○○さんから「非常に良い」と評価されました。
これにより、現在の評価ポイントが「1」に上がりました。


この文面から始まるメールが、今日届いたのだ。最初はよくある迷惑メールだと思ったが、送り主はヤフオク。どうやら現在進行中の取引についてのものらしい。なるほど、落札者が筆者を評価し、その評価内容は良い物で、なにやらポイントを得たということか。



オーケー分かった。しかし、先述のとおりまだブツを受け取っていない。多分届くまでにはもう1日か2日かかる。こちらから評価してないのに「非常に良い」ってどういうことだよォォオオオオオオ!! こういうのは全部済んでからじゃないんか!?

一瞬こちらが何か手順を間違えて、押すべきではないボタンをクリックしてしまったのか……などと焦ったりもした。なにせ、これ以上無いくらいのヤフオク初心者である。万が一のために逐一スクショを取っていたので、自分のとった行動を再チェック。

しかし特に間違った行動はとっていないようだ。とりあえずググってみると、どうやらヤフオクのシステムとして、そういう仕様なのだということが判明。ヤフオクを利用したことがある多くの人からすれば、ここまでの記述は「そういうものなのに、こいつ何言ってんだ?」という感じだっただろう。


・評価の順番

それでもやはり違うと思うのだ。それを説明するために、まずは出品者にとって落札者の評価ポイントがどこにあるのかを考えていただきたい。


1. レスポンスの良さ
2. 出品者に対する正当な評価


筆者はこの2点だと思う。レスポンスというのは、各種連絡とか、入金の速度とかもろもろである。そして、出品者に対する正当な評価というのはそのままの意味。ヤフオクというのは相互に評価することがマストなシステム。出品者にとって、評価は将来の売り上げにも影響する重要なものだろう。対応には相応の評価があってしかるべきである。

それでは次に、落札者が出品者を評価するポイントはどこにあるのかを考えていただきたい。


1. レスポンスの良さ
2. 受け取った商品の状態と、商品説明の内容の一致度


人によっては商品の写真だとか説明の文章だとかを気にする人もいるようだが、それは取引以前の問題。それらを見た上で取引すると決めた以上、あとからごちゃごちゃ言うのは筋違いだと思う。したがってこの2点だと主張したい。

1つ目については説明不要だろう。2つ目については、ジャンク品と書いてジャンク品を取引することもあるのがヤフオク。品物の質そのものよりも、説明文と届いたものがどれくらい一致しているかが重要だろう。良品と書いた上でジャンクを売るのは駄目だし、逆にジャンクと書いてまともな品を売るのもまた駄目だと思う。

以上から、互いを評価する順としては落札者が先で、出品者は後であるべきだと思うのだ。悪意ある落札者が出品者をおとしめんとして、実情を無視したろくでもない評価をつけることは大いにありえると思われる。

しかし、その逆は将来的に継続して落札してくれる可能性のある、ある種の「顧客」を失う可能性こそあれど、メリットは無い。この順番で支障は無いだろう。メルカリのように、同時に開示する的なものである必要も無いと思う。


・後で変えられる

それが今回、落札者である筆者が出品者を評価する前に(そして品物を受け取ってもいない段階で)、向こうがこちらを「非常に良い」などと評価してしまったのである。お前に俺の何が分かると言うのだ。実はこう見えて、とんでもない悪質な落札者かもしれないんだぞ? いいのか? んん?

無論あえて悪質なことをするつもりはない。届いた品物に問題なければ、そのままこちらも「非常に良い」とするだろう。ちなみに調べてみると、どうやらあとから評価を変えることはできるらしい

したがって、筆者が急にヴィランと化して悪質な行為に及んだとしても、出品者はその旨をそのまま最終的な評価に反映させることができる。つまり先に評価をしても、後で別の評価をしなおす手間が生まれる可能性はあるが、他に実質的な問題は無い。

だがなぜ先に評価するのか? なにぶんヤフオク利用開始から3日目。出品経験ゼロで、落札経験は未完了のものが1件というド素人具合なため、見当違いもあるかもしれない。それでも思いついたものを述べると、2つある。

1つは、お前も「非常に良い」をつけろよ? というプレッシャーをかけるため。もう1つは、特に明確な理由無く、習慣的にそうすることになっているから。なんとなく他にもありそうだが、これといって思いつかなかった。

そして、思いついたこの2つについてだが……普通にありそうな話だと思わないだろうか? ありそうだが、どちらとも実にろくでもないものだ。その上で言いたい。ヤフオクは気軽にできるとはいえ、金品のやり取りが発生している取引の場。評価というのは果てしなく公正であるべきだし、理由の無い行動が習慣化して良いはずも無いだろうと。

とはいえ、人間とは得てしてそう機械のように、規範やら理想通りに振舞えないもの。なあなあな取引やら癒着的なもの、暗黙の了解的なものは、どこからとも無く発生して定着していくのが自然な流れだろう。


・緩い

だから今回筆者は、相手の出品者が悪いとは微塵も思っていない。すでにそういうふうになっている場で、その場においては何もおかしい点なく真っ当に行動した結果なのだろうな……と、そう納得している。ヤフオクという世界において、おかしいことを言っているのは恐らく筆者だろう。

それでも言いたいので言うが、やはりヤフオクのあり方は緩すぎる。人間である以上は不可避な、理想からのズレは、システム側できっちり矯正されるべきだろう。正当ではない評価がつけられないようにするとか、入金が確実になされて、詐欺が発生しないようにするだとか、そういうのである。

実際にヤフオクを含め、多くのオークション系のサービスにて、そういった部分は力が注がれている。その対策されるべき部分の1枠として、上述のような段階で評価が出来てしまう緩さはどうなんだよと感じたのである。

たかが評価、されど評価。ヤフオクにおいて評価というのは、つける気軽さや管理の緩さ以上に、出品者側の売り上げや、落札者の動向への影響がデカい……というか、評価の影響がほぼ全てじゃないかとすら思う。厳格さが足りないんじゃないのって。細かすぎるとも思うけど、初ヤフオクでそう感じたわけです。ま、慣れて行くと何も感じなくなるんだろうけど。

参照リンク:ヤフオク!
執筆:江川資具