本日11月17日は「将棋の日」らしい。そんな記念すべきハレの日に、このような悪夢の如き記事をお届けするのは大変心苦しいのだが、私(あひるねこ)の胸の内に留めておくのも限界なのでどうかお付き合い願いたい。

今から約2年前、将棋のルールを知っている人と知らない人が対局したらどうなるのか? という趣旨の記事が公開された。詳細は該当の記事をご覧いただくまでもなくゴミなので別に読まなくて結構だが、まことに残念なことに、あの悪夢が再び繰り返されようとしているのだ。

当然ながら本稿もアルティメットゴミのため、以下は暇すぎて死にそうな人だけ読んでくれ。約束だぞ。

・悪夢再び

将棋界の若き天才・藤井聡太七段に、ほぼほぼ素人であるにもかかわらず勝てると豪語するのが当編集部のサンジュンだ。2年経っても同じようなことを のたまっているあたり、ある意味ではこの男も天才なのかもしれない。


──サンジュンさんは前回が人生初の将棋だったんですよね? あれ以来、将棋は指しているんですか?


サンジュン「指してるか指してないかで言ったら、まあ指してないよね。でも俺も日々勝負はしているから。将棋に限らず。だから前回より間違いなく強くなっている。もちろん藤井七段も強いと思うけど、最終的に勝つのは俺でしょ。将棋はイマジネーションの世界だからな」

・意味不明

ちょっと何を言っているのか分からなかったが、そこまで自信があるなら……ということで、今回も編集部内で対局をしてもらうことに。しかし、前回の対戦者である Yoshioがどういうワケか対局を拒んだので、新たな将棋経験者を探す必要がある。

そこで白羽の矢が立ったのが、ロケットニュース24の頭脳・かわらのだ。当サイトのシステム等を一手に引き受ける かわらのは、言わばロケットの核とも呼べる存在。サンジュンの対局相手としてこれ以上ない適材と言えるだろう。サンジュン vs かわらの……戦いの幕が今、切って落とされた!

・対局開始

さあ、どんなカオスが巻き起こるのか? と思いきや、意外なことに(?)サンジュンの最初の一手は「歩」。しかも1マス進めただけだ。まさか将棋のルールを覚えた!? という淡い期待は次の瞬間、粉々に砕かれることになる。冒頭の注意書き通り、ここから先はノークレームでお願いしたい。

・悪夢その1:偵察がいる

注目の二手目。いきなりサンジュンの口から「引っかかりましたね。はい、偵察です」という言葉が聞こえた時はさすがに理解が追い付かなかった。て、偵察……? 将棋で? しかもこの男、かわらのの歩を一気に3駒も奪っていったぞ。ちょ、待てやァァァァアアア!

だがしかし、暗殺だのアサシンだのと口走るサンジュンの謎理論により、まんまと丸め込まれてしまう我々。その一方で、香車によって歩を奪われた場面を「納得がいかない」という理由でナシにするゴリ押しっぷりは相変わらずだ。念のため言うが、開始2分の出来事である。

・悪夢その2:向きとか関係ない

桂馬が5マス先までジャンプするなんてのは日常茶飯事。その後、「馬が二つ揃ったからエンペラーナポレオンです」と言って駒を奪っていくまでは まあ分かるのだが(分かるか?)、「帰還します」と言いながら駒の向きを180度変え出したのはだいぶ意味が分からなかった。……は?

いやそれ、相手の駒になってんじゃん! かわらのの桂馬じゃん!! しかしサンジュンは「ゴタクはいいんだよ」とあくまで俺様。事あるごとに元いた場所まで駒を帰還させたがるクセは終盤まで散見された。ここでヤバイのは、帰還自体も同じターンに含まれているという点だろう。そう、まさかのヒットアンドアウェイである。

・悪夢その3:内通者がいる

駒を取られても、その事実を強引になかったことにするサンジュン。時には大人しく受け入れるのだが、残念ながらそこには罠が潜んでいた。かわらのが ようやくサンジュンから奪った香車、しかしそれは……


なんとサンジュン陣営の内通者だったのである!

・悪夢その4:MAP兵器の存在

自身の持ち駒と思いきや、突如敵として自陣に現れた かわらのの香車。そしてこの後、今日一のハイライトが訪れることになる。前回の対局でサンジュンは、香車のことを “兵糧を運ぶ車” だと思い込んでいた。しかし今回は、“毒で攻撃する駒” とさらに勘違いをこじらせてしまったのだ。


「はい、ポイズンです」


ポイズン……だと……? すると次の瞬間、両翼に陣取っていた香車周辺の駒がゴッソリいなくなったではないか! そこには飛車、角行という戦局を握るキーマンも含まれている。哀れかわらの、一瞬で飛車角落ち……!!

・悪夢その5:ユダもいる

先ほど内通者の存在が明らかになったばかりだが、サンジュンはユダ、つまり裏切り者の存在も匂わせていた。それは かわらのの王の両隣に控えていた銀将の一つが、前方に移動した時のこと。なんともう片方の銀が裏切り、隣にいる王に王手をかけたのである! なんでやねん!!

・悪夢その6:逆王手

さあ、ここからは怒涛の展開である。一気に行くぞ! ①かわらのの歩の目の前に、なぜか飛び出してくるサンジュンの王。まさかの逆王手へ。

②かわらの、歩で王を殺(と)ろうとする。

③サンジュン「キングアーサーです」→ 王の周囲にいた かわらの駒、全滅。

・悪夢その7:士気の概念

サンジュンによると、歩や銀の2~3駒くらいなら王一人で一掃できるらしい。また、そのことによってなぜか兵の士気も上昇。前線にいた駒たちが雪崩のように突撃してくるというカオスな状況に。


サンジュン「王が自ら槍を振るうということが、どういうことなのか考えないと。そりゃ兵だってテンション上がるよ」

という、相変わらずの謎理論に翻弄される かわらの。その表情からは、いつもの穏やかな微笑みは失われつつあった。

・悪夢その8:最終的にタイマン

「フラッシュバック。あの日あのとき見た光景……」と意味の分からないことを呟きながら、ここに来て全軍を最初の位置へ帰還させるサンジュン。よく見ると、かわらの陣営が王と銀のみになっていて吹き出す。壊滅やないか! それに対し、サンジュン陣営はまったくの無傷。どういうことなんだ……。

その後、銀すらもいなくなり、かわらの陣営は王のみという絶望的な戦況に。しかしここで、サンジュンからまさかの提案が切り出される。王による一騎打ち……そう、タイマンの申し出である。

向かい合うサンジュンの王と かわらのの王。そして、その周りを囲むように集結し、王に檄(げき)を飛ばすサンジュン兵たち。そろそろ言わせてくれ。何なんだよこれ!

・悪夢その9:軍を増強

結果、大方の予想通りサンジュンの王が勝利を収めることになった。その理由が「だって……勝てる?」だったのは悪い意味で予想外だったが、長かった不毛な戦いにようやく幕が下りることを思えば些末な出来事だろう。

しかし、サンジュンはまだまだ止まらない。恒例の全軍帰還をキメたと思ったら、今度は敵駒の引き抜きを始めたではないか。いや、そういうシステムねーから! 桂馬を4つ集めて騎馬軍を編成するなどやりたい放題で、最終的に当初の倍近くまで戦力を増強したのだった。

「燃え尽きたね……」と力なく呟く かわらのは、もともと猫背気味だった姿勢がさらに丸まり、ほぼ猫のような形状になっている。無理もない。我々は人生の貴重な30分をドブに捨ててしまったのだから……。

・助け求む

今回も悪夢のような強さを見せつけたサンジュン。この男によれば、将棋とはイマジネーションであり、同時に自由の象徴だという。自由というより無法では……? というツッコミはさておき、そろそろ誰かにサンジュンを止めて欲しいのも事実だ。

というわけで、我々はプロ棋士からの挑戦を受け付けることにしたぞ! 腕に覚えのあるプロの方は、ぜひ問い合わせフォームから連絡してくれよな! 頼む、誰かサンジュンをぶっ潰してくれェェェェェエエエ!!

参照元:今日は何の日
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼対局後も不毛な検討は続く……

▼動画もあるぞ!

▼無駄に長いから二つに分けたぞ!

▼2年前の悪夢はこちら。