2019年10月17日、年に1度の「プロ野球ドラフト会議」が行われた。今年の目玉は何と言っても163km右腕の岩手大船渡高校『佐々木朗希(ささき ろうき)』投手であった。4球団競合の末、交渉権を勝ち取ったのは千葉ロッテマリーンズ──。そう「王者は奢らず勝ち進む♪」の、あの千葉ロッテマリーンズである。
ドラフト会議を見守っていたロッテファン歴約25年の私、P.K.サンジュンは、井口監督が拳を突き上げるのと同時に拳を突き上げた。キタァァァアアアアッ! ……そう思ったのも束の間、今度はとんでもない不安が襲ってきた。我が千葉ロッテが佐々木くんを育て切れるのか? と──。
・クジ運が強すぎる
ここ数年、ドラフト会議でのロッテのクジ運の強さはファンからしても異常と言わざるを得ない。2015年の平沢大河を皮切りに、佐々木千隼、安田尚憲、そして昨年は藤原恭大と、4年連続でくじを引き当てているのだ。
少し前までは「鬼引きの日ハム」だと思っていたが、佐々木くんを引き当ててしまった今、考えを改めざるを得まい。「ドラフトの神は千葉ロッテだけに微笑み続けている」と。それくらいロッテのクジ運は神懸っている。
・過去にはない感情
さて、先述のように我が千葉ロッテは4年連続でクジを引き当てているので、多少なりとも耐性がついているかと思いきや、これまでこんな感情になったことはなかった。大河、佐々木千隼、安田、そして藤原。いずれのときも「ようこそ! どうかチームを強くしておくれ!!」と願っただけである。だがしかし……。
佐々木くんを引き当ててから一晩が経った今でも、不安が波のように押し寄せてきている。本当に佐々木君をロッテで預かっていいのか? 佐々木くんを世界レベルまで持っていけるのか? とどのつまり「佐々木くんを育て切れるのか?」ということだ。
佐々木朗希投手は、あの大谷翔平をも凌ぐとされる逸材中の逸材である。なにせ高校3年生にして最速163km、甲子園を目指す岩手大会決勝戦では監督の指示で登板せず、大きな議論を呼んだことも記憶に新しい。そして我が千葉ロッテがそんな逸材をお預かりした経験は……皆無だ。
・こんなコ預かったことがない
そもそも佐々木くんクラスの逸材が滅多にいないという話はあるにせよ、ダルビッシュや大谷を育て上げた日ハムや、田中マーくんを輩出した楽天と比べて実績がないことは紛れもない事実である。超高校級とされた唐川や大嶺……おっと、これ以上は言うまい。
とはいえ、ここ数年に限って言えば、高校生投手が伸びてきていることもまた事実。通算25勝を挙げている6年目の二木を筆頭に、今シーズン5勝を挙げた5年目の岩下、8勝を挙げた3年目の種市……などなど、高卒投手陣たちが確実に芽吹き始めている。
んが──。
しつこいようだが、佐々木くんクラスの逸材をお預かりしたことはない。“令和の怪物” とも称される佐々木朗希投手はロッテの宝であると同時に球界の宝であり、さらに言うならば世界の宝にもなり得る存在だ。本当の本当にロッテで大丈夫か? 単なるいちファンなのに不安が尽きない。
希望があるとすれば、ダルビッシュ有や大谷翔平を指導した「吉井理人コーチ」の存在だろうか。きっと佐々木くんは2軍スタートなので、1軍の吉井コーチとは直接的な接点は少ないかもしれない。……が、佐々木くんを預かることになった以上、球団は吉井コーチに土下座してでも育成方針を聞くべきだろう。
……と、ここまで散々ネガティブな話をしてきたが、いま私は同じくらいワクワクしている。ついにロッテ黄金期の到来なるか? パの5球団、そしてセの6球団よ。我が千葉ロッテのスーパーエース「佐々木朗希」に震えて眠れ。俺はそれ以上に震えて眠る──。
参考リンク:千葉ロッテマリーンズ
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
▼今年は1回しか観に行けなかったけど、来年はたくさん行くぞ!