「日本で2番目に低い山がある」という情報をキャッチした私の率直な感想はといえば「そりゃ、あるでしょうね」だった。しかしその標高が『4.53メートル』で、おまけに所在地が『大阪』であると知れば急に「ネタの香り」が漂ってきたのだから大阪ってスゴイ。

国土地理院の発表によれば『山の定義』というものは存在しておらず、「周りに比べて地面が盛り上がって高くなっているところ」であれば山といってよいのだそうだ。つまり砂場の砂を積み上げたものだって「山っちゃあ山だし、砂っちゃあ砂」ということになる。要は山を名乗っているかどうか、であろう。

「日本で山を名乗っている中で2番目に低い山」たる大阪の天保山では、なんと『登頂証明書』を発行してくれるらしい! メチャクチャほしいってほどでもないが、もらってきて自慢すれば1日くらいは職場の人気者になれるんじゃないか?

・天保山公園

大阪中心部にほど近い大阪港駅から歩くこと10分弱。大阪港周辺には海遊館や観覧車、商業施設もあって曜日を問わず観光客で混み合っている。


天保山エリアを海遊館とは逆方向に進むと……



人もまばらな公園……



ここが天保山公園だ!



道をまっすぐ進むと……



緩やかな階段があり……



さらに数メートル進めば……



山頂だ!!!



・証明書はお近くの商店で

どこから山が始まっていたのか、そしてどこまでが山頂なのか全く分からなかったけれど、確かに私は天保山を制覇した

山頂にはここが確かに山であることを示す三角点があり、設置年は明治44年だという。大阪特有のシャレ的な意味合いで存在する山なのでは? と疑っていたが、これは意外に大マジなのかもしれない。はたまた明治時代の大阪には、すでに現代に通じるシャレ心が存在していたということかもしれないし……詳細は追って調査したいと思う。

念のため登頂の証拠として記念撮影をしておいた。

登頂証明書の発行は天保山商店会が行っており、商店会の加盟店で買い物すると証明書がもらえるシステムだ。やみくもに入店しても加盟店でないケースが多く、事前に確認しておくといいだろう。


私が訪れたのは大阪港駅を出てすぐのたこ焼き店『ゆかり』。



注文し「証明書を……」と告げればすぐに手渡してくれた。証拠写真の提示を求められることはなかったぞ!


『ゆかり』の方によると、証明書を求めて訪れる人は「100人来る日もあれば、ゼロの日もある」とのことだ。ちなみに天保山は元々「日本一低い山」だったのが、最近別の山に抜かれて2位に転落してしまった。しかし、証明書には昔のなごりで「日本一低い山」と印字されているからね!


・大阪人に聞いてみた

あまりにもあっさり手に入ってしまった登頂証明書を眺めながら、私は急に不安になった。大阪生まれでない私は「日本で2番目に低い山で登頂証明書がもらえる」というネタを面白がっていたが、もしかすると地元大阪の人にしてみれば「今さら何をいっとんねん」ってな話かもしれない……。

「何をいっとんねん」で済めばまだいい。「おもんないわ」ってなもんだったら私は一体どうすればいいというのだろう? 笑いの国・大阪の方々を「スベった感じ」にしてしまうことだけは、どうしても避けなければならない……! あとバカにされるパターンも嫌だ。


と、いうわけで当サイト唯一の大阪出身者・中澤記者にこの件について意見を聞かせてもらうことにした。


──「天保山で登頂証明書がもらえる件」を、大阪の人は知っているんでしょうか?

自分の体感だと、8割くらいの人は知っているんじゃないかと思います。ちなみに僕は知っていました。

──ほぼ全員じゃないですか! 

大阪のローカルテレビ番組とかで天保山の登頂証明書もらったりってよくやってるんですよ。『ちちんぷいぷい』とか。ただ、そういうの一切見ない人は、知らない人もいるかもしれませんけど。

──そのことについて大阪の人はどう思っているんでしょう?


人それぞれだと思うんですけど、僕の周りでは天保山ってどちらかというと “がっかりスポット” なんですよ。学生時代は「天保山行かへん?」ってネタで言って、「行かへんわ!」って返す感じでしたね。「それよりヘップファイブやろ」的な。


・ま、いっか☆

大阪の人にとって「おもんない」ではなく「考えたことない」といったような位置付けだった天保山の登頂証明書問題。天保山に限らず、観光地というのは往往にしてそんなものであったりするのだろう。

県外者の私にとっては相当面白かった天保山。そして嬉しかった登頂証明書。それでいいじゃないか。USJ行きの船も出ているしネ。周辺に立ち寄った際はぜひ登頂し、証明書をゲットしてみてほしい。ちなみに遭難したら救助隊がかけつけてくれるらしいぞ!

参照元:国土地理院HP天保山商店会
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.