漫画『賭博黙示録カイジ』のスピンオフ作品である『中間管理録トネガワ』。「カイジ」でおなじみの絵柄と世界観とノリで、利根川幸雄の苦悩と葛藤を描いたギャグ漫画だ。
そして『ああっ女神さまっ』といえば、88年の連載開始から2014年の完結まで26年にもわたり、月刊アフタヌーンを牽引し続けた名作ラブコメ。特に90年代には爆発的ヒットを飛ばしていたイメージがある。
絵柄的にも世界観的にも一切交じり合うところが無い両者だが……今週号のヤングマガジンにてまさかのコラボ。異色すぎて、誤植かなにかだと思ってしまうレベルのカオス空間が誕生しているぞ……!
・就活
舞台は『中間管理録トネガワ』にて利根川幸雄が幹部を務める「帝愛グループ」の入社面接会場。ご存知無い方のために、簡単にこの会社について述べておこう。カイジの世界において、様々な方面で多角的な経営を行っている超巨大企業だが、中身はヤクザが取り仕切る超ブラック企業。
サラ金をメインとして成り立っており、ひとたび金を借りたらぶっ飛びすぎている暴利であっという間に返済不可能なレベルにまで膨れ上がるシステム。取立てには臓器売買や人身売買も……というとんでもない企業である。
そこに就活中(?)なのか、女神であるベルダンディーが面接を受けにくる。もう意味が分からない。そして、利根川サイドのイラストはいつもの作風。対するベルダンディーも、いつもの作風。
どちらもいつもの作風だが、その「いつも」が違いすぎるため、同じページ内に描かれているのがもはや雑コラレベルでシュール。さて、ここから先はもう少し踏み込んだネタバレがあるので注意していただきたい。
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> この先ネタバレ注意 <
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・クズ
一応、世界観的には『中間管理録トネガワ』寄りで、そこにベルダンディーがやってきた……という感じ。なお、服装は『ああっ女神さまっ』側でおなじみのなんかフワフワした女神っぽい服である。
ゆえに、我々読者としてもベルダンディーの方こそ浮いていると受け取るのが正解……だと思う。そして面接が始まるや否や、利根川幸雄と共に面接官を務める部下の黒服が、ベルダンディーに対して我々読者ですらなかなか言えないことにぶっこんでしまう。
「TPOも弁えられぬ」「クズ」「どうかしてるとしか……」
なんというド正論……! 先にも述べた通り「帝愛グループ」側も相当どうかしてる連中の集まりではあるが、就活に女神風衣装でやってくるベルダンディはそれ以上にどうかしてる。しかし……そこぶっこんでしまって、いい……のか?
その後、いくつかの質疑応答がなされるものの、ベルダンディーの回答は帝愛グループに就職するにはズレまくったアウトな内容ばかり。普通なら即行で蹴り出されてもおかしくないが、どういうわけか面接を続ける利根川。
・ネットの声
予想外な上に、突っ込みどころしかないコラボにネット民も動揺を禁じえないようす。SNSでは理解が追いつかない人々が大量発生しているので、幾つか紹介しよう。
「ベルダンディー×トネガワまじかよww」
「トネガワ × ベルダンディー、意味がわからなさ過ぎて秒で買ってしまった。」
「は?ベルダンディーとトネガワ??」
「就活してるベルダンディーだって正気か!?って事態なのにトネガワとコラボって本気か!?」
「ベルダンディーとトネガワ‥だと!?」
「トネガワにベルダンディー出てるってどういうことだよ」
「なんでとしか言えねぇ」
「トネガワとベルダンディー…?」
・衝撃の結末
コラボ自体が予想外だが、話の展開も予想外すぎて面白い。「債務者とは‥?」という生々しい問いに答えるベルダンディーなど、ここ以外で見ることは出来ないだろう。
なぜ利根川は面接を続けるのか……。そして炸裂するベルダンディーの能力。その場で出されるまさかの面接結果と、衝撃の結末……。読み切りとなっているので、全ての謎は今週号のみで解決するぞ! ぜひご自身の目で展開を見届けていただきたい。
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.