漫画『賭博黙示録カイジ』のスピンオフ作品である『中間管理録トネガワ』『1日外出録ハンチョウ』。作者は異なるものの、一部では本家を超える面白さと評されるほどにクオリティが高い。『カイジ』ファンで未読の方は、ぜひ一度読んでみることをオススメする。

さて、この両作品はタイトル通り、原作では敵役の利根川と大槻が主役として描かれる物語だ。が……! つい先日。そこへ新たな名物キャラのスピンオフが登場した。そう、原作におけるラスボス的存在・兵藤会長である。ネットではすでに話題を呼んでいるが、これがクソ面白いのでご紹介したい……!

・会長スピンオフが話題に

「帝愛グループ」の総帥である兵藤会長は、とどのつまりおじいちゃんではあるものの、原作ではカイジの絶対的な宿敵として描かれる。残虐非道で気難しく、そしてとにかく金を死ぬほど持った圧倒的強者だ。

先ほど「兵藤会長のスピンオフ」と書いたが、実は会長のスピンオフ作品が新しく始まったわけではない。正確に言うと、先日公開された『中間管理録トネガワ』の最新話が、兵藤会長のメイン回だったのである。

何だそれだけかって? F〇ck You……! ぶち殺すぞ……ゴミめら……! とどのつまりおじいちゃんと言えど、さすが日本有数のコンツェルン・帝愛のカリスマ。その破壊力は無類である。気になる本編は現在、講談社の漫画アプリ「コミックDAYS」にて無料で読むことができるぞ(2019年9月4日時点)。


・以下ネタバレ注意

第66話『断金』。簡単に説明するとこの回は、会長が自らのハングリー精神に再び火を付けるため、24時間の極貧生活に挑むというものだ。原作ならどう考えてもやってくれなそうだが、あくまでこれはスピンオフなので無問題。それでは会長が時間内に使える金額を発表しよう。その額なんと……


100万円……!


1年で100万円ではなく、1日で100万円である。圧倒的100万円………! 突入する……! 節約……1日100万円生活……!! 都内にある駅徒歩2分・新築5LDKオートロックの物件でスタートした会長の極限生活は、とりあえずリビングに敷く用の虎の毛皮(81万円)を購入するところから幕を開ける。

・王

おじいちゃん、算数苦手か? とツッコまざるを得ない想定外の行動に思わずコーヒーを噴き出したが、その後も節約という名の豪遊に勤しむ兵藤会長。結果、残り2時間で残金4500円という危機的状況に追い込まれることに。使いすぎだろ!

・孤独のアレ的な

4500円……。庶民の感覚だとおそらく4銭くらいの はした金を手に、最後に会長が訪れたのは雑居ビル地下に構える小さな食事処。そう、まさかの庶民派グルメ旅のスタートである。井之頭五郎かな? お茶をセルフでつぐ会長の姿など、一体誰が想像しただろうか?

だがしかし。「見るからに安っぽそう」と文句を言いつつ、意外と食えることに驚く会長。最後の最後で自分が忘れていた世界を思い出したその表情は、心なしか穏やかに見えなくもない。こうして会長の1日100万円生活は、ちょっといい話っぽく幕を閉じたのだった。


……まあ、終わって早々に開かれる祝宴に再びコーヒーを噴き出すことになるのだが、それはぜひご自分の目で確かめていただきたい。

参照元:コミックDAYS『中間管理録トネガワ』
執筆:あひるねこ

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