絶対に課金しない! そう心に決めていたはずなのに、いつしかガードがズルズルと緩んでしまうのがスマホゲームの世界である。鋼の意志で無課金を貫く人もいるだろうが、快適にゲームを進めたくなるのが人の性(さが)。ついやっちゃうんだ……なんて人は決して少なくないはず。

ゲームによって課金事情は違うが、一体どれくらいお金を積んだら快適に遊べるものなのか──。本記事では、最近何かと話題になる『ポケモンGO』と『ドラクエウォーク』に注目。どちらもガチでプレイしている記者(私)が、一例としてそれぞれの課金事情を紐解いていきたい。

・ポケモンGOの課金事情

まずは人気の衰えを知らないポケモンGOの方から。膨大なプレイ人口を抱えていることもあってか、同ゲームの課金は良心的と言っていい。そう、課金しなければ快適にプレイできないかと聞かれたらNOなのだ。というのも!

課金(ポケコインを購入)して何に使うのかというと、主には「レイドバトルのパス(参加券)」と「タマゴの孵化装置」の2つくらい。ちなみにレイドバトルは基本的に1日1回無料、タマゴの孵化装置も無限で使えるものを1つ所持している。要するに無料で遊べる最低限の環境はある。じゃあなぜ課金するのか。

ポケモンGOにはコレクション魂……能力の高いポケモンや “色違い” の姿をした珍しいポケモンを欲しい欲望があるからだ。逆に言うと、能力や珍しい姿を求めないのであれば無課金でもストレスなくプレイできる。

仮に求めるならば、個人的には1万円あればお釣りがくると思っている。私自身、月に使う金額はおよそ1万円(イベント内容にもよるけど)。先日、ウルトラボーナスという年一のお祭りこそゴリゴリ課金したが、普段は1万円を使い切れないことだって珍しくない。コレクションに差は出るが、遊び方は人それぞれ。そこまで溝は生まれないゲームと言えるだろう。

・ドラクエウォークは?

一方、リリース前に課金ゲーとも噂されていたドラクエウォークの方はどうなのか。こちらはポケコインならぬジェムというものを購入するスタイルで、現時点だと課金対象のほとんどは「装備」になっている。ガチャで装備のレアアイテムを引いていくって感じだ。

そうなると、少なくともポケモンGOよりもガチャ要素は強くなる。リリース当初、無課金でプレイすると決めていた私も、気づけばアッサリと誘惑に負けてしまった。理由は、ファンにたまらない内容が散りばめられていることに他ならない。いきなり「メタル装備」のガチャが始まったと思えば、「ロト装備」を追撃してきたのだ。

ただし、課金をしなければプレイできないかといえばそうでもない。リリースから日にちが浅いこともあって、スタートダッシュキャンペーンやダウンロード記念のプレゼントが用意されている。また、クエストの報酬でジェムも貯められるし、誰でも何回かは無料でガチャを回せる。

まぁ、装備だけなら全部揃えなくても我慢できるし……想像していたよりも課金ゲーじゃないな……と思いきや、ニクい演出がいろいろ用意されているからマイッチング。例えば、何度かガチャを回すと……

あと1回ガチャを回せば星5が確定っ……!


なんて特典が設けられていたり、なんと装備がそのままアバターに反映される仕様だからコレクター魂に火がつく。

何も装備しなければ冴えない主人公が……

装備すると、あらまぁなんということでしょう! これを全部「ロト」で揃えようものならカッコいいことこの上なしなのだ。ドラクエウォークもポケモンGO同様にコレクションの側面が大きいが、装備で強さが変化するから課金に制限を設けていない人は肘の高さまで積んでいることだろう。

ちなみに私は装備のほとんどを無課金で引いたもの(運が良かったかも?)でゲームを進めているのだが、これと言って困ったことはない。とにかく誘惑がスゴいけど、今はこれ以上の課金をする予定はない。

ドラクエウォークはポケモンGOと違って際限なく課金できる(年齢制限はあり)ため、欲望のダムが決壊するといくらでも積んでしまう可能性がある。それを言うと他のスマホゲームも同じだが、プレイヤーの求める快適さによって金額は変動しそうだ。


当然ながらプレイヤーによって課金の捉え方は違う。あくまで一例として参考にしてくれたら幸いだ。これまで課金界では「課金は食事」「課金をしたら無料でガチャを回せる」……といった数々の名言(迷言?)が生まれてきた。大事なのは身の丈に合った課金をすること。程よく楽しみつつ、無理のない範囲で楽しむようにしよう。

執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:ポケモンGO、ドラクエウォーク (iOS)