
かつて、自分探しの旅が流行った時代があった。本当の自分を見つけたい。自分だけの花を咲かせたい。でも、オリジナリティーってそんなに良いものか?
他人よりウマくできることもオリジナリティーなら、できないこともオリジナリティーだ。旅に出るのはマイナスの個性を認めたくないからではないだろうか。
……と、突然オリジナリティーについて考えてしまったのは、イギリスで入った回転寿司屋が原因。この寿司屋は絶対自分探しの旅には出ないだろう。
・謎のメニュー
そんな回転寿司屋の名前は『YO! Sushi』。昼時、お腹が減ったので座って食事できる店を探していた私(中澤)は、ロンドン「ウォータールー駅」の中でこの店を発見した。
店名で「sushi」と名乗っているが、外に掲げられたメニューを見てみると全く寿司ではない。どういうことだってばよ!?
ひょっとしたら「日本食を出すレストランだよ」的な意味合いで、あくまで店名として『Sushi』を使っているだけかもしれない。まあ、座れそうだしここでいっか。
・暴走するオリジナリティー
入店し人数を告げると席に案内された。店内には日本の回転寿司のようなレーンが設置されている。へ~、この形態で寿司ではないものが出てくるのか。ちょっと珍しいかも。
ともかく、歩くことに疲れていたため座れただけで十分だ。落ち着いたところで渡されたメニュー表を見てみたところ……
さっき見た寿司ではないものが「sushi」に分類されているッ!
オリジナリティーヤバすぎだろォォォオオオ!!
まともな寿司がサーモンの握りくらいしかない……。後は攻めに攻めまくっている。逆に聞こう。なぜこれが寿司だと思ったのかと。もはやオリジナリティーが暴走している。
・sushiを食べてみた
とは言え、他に食べるものもないため、スシローの異端メニューより攻めてる創作寿司をいくつか注文してみた。
「inari taco」……いなり寿司に、アボカドとタコとポン酢とシラチャーソース入りマヨネーズをトッピングしたもの。って盛りすぎィィィイイイ!
「crunchy california」……アボカドとカニカマ(多分)の巻き寿司。照り焼き味の玉ねぎがまぶされていて、マヨネーズがかけられている。外側は海苔ではなくゴマを使用。
「tuna mayo」……日本でもお馴染みの響きだが、キュウリも入っている巻き寿司で、やはり日本でよくあるツナマヨ軍艦とは少し違う雰囲気。外側は海苔ではなく青のりがまぶされている。マヨ薄めでツナがパサついているのが気になった。
「dragon」……アボカドとカニカマ(多分)の巻き寿司。七味と青ネギがまぶされ、外側はサーモンとゴマで巻いている。なぜ頑なに海苔を使わない?
「YO! roll」……巻寿司。具はサーモン、アボカドで、「まさご(ししゃもの卵)」で巻かれている。『YO! Sushi』のシグネイチャーロールらしいが、ある意味全部シグネイチャーみたいなもんなので関係ない。
「prawn star」……やった! 海苔で巻いてる!! と思いきや海苔は揚げられていた。惜しい……。具はアボカドで巻き寿司の上には海老が添えられているようだ。だが、その全てを埋め尽くすかのように、謎の白濁したオレンジソースがかかっている。甘め。
──と、日本人感覚で言うと割と想像を絶するモノが出てきたが、基本的に米がベチョッとしている以外は、味自体は決して悪くない。醤油をかけたら大体ウマかった。
ちなみに、握りのネタは、サーモン、炙りサーモン、焼きナス、アボカド、ローストビーフ、エビフライの6つのみ。巻き寿司が主体なようだ。価格はひと皿2.3ポンド(約299円)~5.5ポンド(約715円)である。
・イギリス発の世界的な回転寿司チェーン
寿司と言われたらちょっとオリジナリティーがヤバすぎるが、オリジナル料理として考えると、これはこれでアリな気がしなくもないかもしれないこの回転寿司屋。後日調べたところ、イギリス発の回転寿司屋で世界的にチェーン展開されているようだ。
というわけで、もし海外で『YO! Sushi』の看板を見かけた際は、この記事を参考に心構えをしていただけると幸いである。
・今回紹介した店舗の情報
店名 YO! Sushi
住所 Unit 2/3, The Balcony, Waterloo Station, London SE1 7LY イギリス
営業時間 11:00~22:00
定休日 無休
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]
▼サーモンは普通の寿司だった
▼ガリがウマくてガリガリ減った
▼ヒースロー空港の『YO! Sushi』は客で満員だった
中澤星児
















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