全国のスーパーに存在する「渋いお菓子コーナー」には、ポテチやガム等のコーナーと明らかに違う空気が流れている。この空間を若者は素通りしがちだがよく考えてみてほしい……これらは決して「お年寄り向け」に作られているワケではないということを。

幼少期を祖父母宅で過ごすことの多かった私は、自然と渋いお菓子が好きになった。しかし渋いお菓子界はあれでなかなか奥深く、地域によって店の品揃えが全然違うのだ。東京では懐かしのお菓子にお目にかかれることが少なく寂しい。


今回は私が個人的に超オススメする渋いお菓子ベスト5をご紹介したい。これは私の地元たる山陰地方でよく見るラインナップであるが、山陰生まれのお菓子というワケではないのもまた奥深いところ。お盆に里帰りをした際は近くのスーパーを探してみて頂けると幸いだ。

第5位:『たんさんカルルス』

昔食べていたのは缶入りだったが、今回見つけることができなかった。薄くてパリッとした甘いせんべい……特に何ということはないんだけど、無意識につい食べ続けてしまうんだ! 商品名は違うがほぼ同じ商品を東京でも見かけるので、おそらく全国区のお菓子だと思われる。

第4位:『鶯(うぐいす)ボール』

兵庫県の銘菓なので関西圏ではおなじみの商品。「ボール状のソフトせんべい甘ダレ添え」といったところで、これまた何てことはないんだけど永遠に食べ続けてしまいそうな不思議な魅力を秘めている。ミニサイズはかわいいので子供にあげると喜ばれるかも。

第3位:『のりセサミ』

渋いお菓子界はああ見えてかなり商品の入れ替わりが激しい。「町で1店舗だけが取り扱っている」「消えた商品がしばらくして復活」「頼めば取り扱ってくれる」といったことも珍しくないのでリサーチが重要なのだ。

3位の『のりセサミ』は全国区のロングヒット商品であるハズなのだが取り扱う店が少なく、この日は7軒のスーパーを巡ってついに見つけることができなかった。その名のとおり海苔とゴマがそのまんま生地に練り込まれており、甘さとほのかな塩味がお茶請けに最適!

第2位:『蜂蜜ふらい』

山陰のお菓子で唯一ランクインしたのが松崎製菓(島根)の『蜂蜜ふらい』。あま〜い生地をそら豆とともに強めに焼いてあり、バリボリとした歯ごたえだ。山陰では若年層にもファンが多く、いずれ渋いお菓子界の天下を獲る逸材かも? 東京では大きめのSEIYUだと高確率で置かれているぞ!

第1位:『太郎』

ダントツの1位は名古屋の「宇佐美製菓」というところが製造している『太郎』である。2位以下については好みが分かれるところかもしれないが、『太郎』に関してだけは簡単に異論を認めるつもりはない。正直『太郎』を紹介したくてこの記事を書いたといっても過言ではないのだ。

ちょっと唐揚げっぽいビジュアルの『太郎』の味を説明しようすると「よくある甘くて香ばしい揚げおかき」としか言いようがない。言いようがないけど太郎のウマさは尋常じゃない。ああ……どうすれば『太郎』の魅力を伝えられるのだろう?

つまり『太郎』は「よくある甘くて香ばしい揚げおかき界の王」なのである。原材料に特別なものが使用されている様子はないが、これはすなわち配合が生んだ奇跡。とにかく全てがいい塩梅。混ぜられたピーナツの個数に至るまで、絶妙にナイスなバランスなのである。


私は今のところ1度も東京で『太郎』を見かけたことはない。しかし隣町へ行けばたくさん置いてあるのかもしれないし、渋いお菓子界には謎が多いのだ。「見つけたら即買い」が基本であることは言うまでもない。

もちろん他の地方にはまだ見ぬ菓子が多数存在しているはずなので、お盆に帰省した際にオススメを尋ねてみればおじいちゃん、おばあちゃんも喜ぶと思うよ!

参照元:前田製菓「のりセサミ」
Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

▼いろんな食べ方があるようだ