スーパーで気軽に買える「アボカド」。そのまま食べても美味しいし、もちろん調理しても美味しい。あまり知られていないがアボカドはフルーツに分類され、森のバターと例えられるほど栄養価が高く、とても有能な食材。

そんなアボカドを切ると、真ん中に大きな種が入っている。実はこの種から「アボカド」を育てることができるのだ。実際に私はスーパーで買った「アボカド」から、発芽させることに成功。日々愛を注ぎ、大切に育てていたのだが……。

・育てたきっかけ

私は前に家中を緑化すべく、豆苗を育てていた。この豆苗は後に事件が起きるのだが、同時期くらいに「アボカド」も緑化対象として育てることに決めた。何より育て方が簡単であり、土が無くとも水のみで栽培ができる。

まずアボカドから種を取り出し、種の尖っている方を上にして、3分の1くらいが水につかるようにする。その際、種が水につかるくらいの位置に、爪楊枝を何本か刺して固定する。種が容器の底に落ちないようにするためだ。

あとは様子を見て水をあげ、発芽を待つ。これだけなので、とても気軽な気持ちでアボカド栽培を始めた。


・成長していく

通常は大体2カ月から半年くらいで発芽するらしく、私は3カ月くらいしてから先に根の方が出た。根が出るということは、アボカド自体は生きているということ。その後も根っこの成長を楽しみつつ、芽が出るのを待っていた。

それから2カ月後くらいだろうか。ようやく小さいながらも芽を確認できたが、あまり元気がない様子だったので心配していた。すると、やはり芽は1カ月も経たずして枯れてしまった。すごく残念だった……。しかし、根の成長は日々たくましくなるばかり。私は根の生命力に励まされ、引き続き見守っていこうと思った。


・見た目の変化

やがて、根のサイズが容器に合わなくなってきた。容器が小さすぎるのだ。そこで、今まで使っていなかったドリンクボトルで栽培することにした。前の容器よりも数倍大きいし、ドリンクボトルは透明なので根っこがよく見える。これでもっともっと「アボカド」が成長できると、すごくわくわくしていた。

だが根が伸びるにつれ、見た目がどんどん変化していく。最初に生えてきた2つの根からは小さな根がうねるように伸び出し、まるで種から触手が出ているよう……。このあたりから私はアボカドを見るたびに、なんとなく「エイリアン」を連想するようになっていった。


・癒しが欲しかった夜

ちなみに、アボカドの栽培に使うことにしたドリンクボトルはプラネタリウムショップで買ったもので、実は発光する。ボトルの下にスイッチがついており、そこを押すだけ青く綺麗に光るのだ。この機能、普段は使っていなかったのだが……。

疲れていたとき、私は発光のことを思い出した。そして、あの綺麗な光が見たいと思った。栽培しているアボカドが入ってはいるが、そんなことどうでもいい。それくらい私は疲れていた。部屋を暗くして、ボトルの下についているスイッチを押す……。



アボカドが、地球外生命体になった


・神秘的な「アボカド」

種から飛び出す爪楊枝、青く照らされる無数の根。宇宙感がすごい。初見でこれがアボカドだと気付ける人はいるだろうか。宇宙を彷徨うUFOか、ホルマリン漬けにされた宇宙人にしか見えない……

植物の生命力は、宇宙が持つ無限の可能性にある意味似ていると思う。数あるスーパーのアボカドの中から私に購入され、このように育ち、記事にされるなんて、考え方によっては宇宙級に奇跡なアボカド。そう思ったら一層愛着がわき、私は今後も癒されたい夜にこのアボカドに頼ろうと思った。

Report:mai
Photo:RocketNews24.