世の中のラーメンブームで、様々なラーメンが開発されてきた。美味さを極めたものもあれば、奇をてらったものもある。そして美味さを極めたからこそ、奇をてらったような姿になるものもある。今回私が食べてきたのは後者。美味しさを極めたが故のラーメンだ。

では、何が奇であったかというと、ずばり炎である。炎とは我々の身近にあるが、危険なため制御ができるようになっている。制御の利かない炎というのは、燃え盛りとても危険だからだ。その危険すぎる炎を、油いっぱいのラーメンに投下するとどうなのるか……。そんなデンジャラスすぎるラーメンが京都・めん馬鹿一代には存在する。

・ファイヤーラーメン誕生秘話

京都の上京区に店を構えるめん馬鹿・一代。2019年3月にリニューアルオープンしたそうで、とても綺麗な外観からは危険な様子は微塵も伝わってこない。本当にここで「炎を入れるラーメン」が食べられるのだろうか……と不安になるくらい、見た目は至って普通のラーメン屋だ。

お店のホームページによると、創業は1984年から。店主はラーメンの誕生について「設立から半年後。店主は、京都の九条ネギが沢山入ったラーメンを、より美味しく提供する方法を発見しました。 そこからファイヤーラーメンが誕生し、めん馬鹿で最も人気のあるラーメンとなりました」と語っている。創業から35年も続く、歴史あるラーメンなのだ。

・いざ店内へ

私が店に行ったとき、これからラーメンに炎を入れようという時だったらしく、危険だから外で待っているようにと促された。炎が入れ終わり店内へ案内されると、お客さんは全員外国人! 調べてみると、どうやらYouTubeでファイヤーラーメンの動画がアップされており、外国人旅行者にとても人気らしいのだ。

外国人旅行者に紛れ、女性が1人でファイヤーラーメンを食べるというのは少し恥ずかしさがあったが、メニューのラーメンには「ネギラーメン(ファイヤーラーメン)」しかないので、単品(税込1350円)を堂々と注文する。

そして何故かステンレス素材のカウンターテーブル。察するに普通のテーブルだと燃える可能性があるのだろう。

ドキドキしながら写真を撮ろうとスマホを準備していると、店員さんから「炎が危険でお写真は撮って頂けないので、私たちの方で動画でしたらお撮りさせて頂きます」と声をかけられた。危険な香りが漂い始め、内心ビビりつつも動画をお願いする。

他にも紙エプロンを渡されたのだが、1枚は普通の紙エプロン。もう1枚はその紙エプロンの上にかけておくようにと、紙エプロン2枚装備をお願いされた。さらに水の入ったコップは、テーブルの下にスペースがあるのでそこに隠し、テーブルの上には何もない状態にする。普通のラーメン店には無い “準備” が、これからの炎が凄まじいことを予感させる……!

・いよいよファイヤーラーメン登場

ラーメンと炎の準備が終わると、アトラクションのような説明が始まる。「腕は後ろに組んで、体は後ろに引いてください」「椅子から離れないようにお願いします」「大きな声で叫ばないでください」などなどラーメンとは思えない説明を受け、ドキドキはマックス!


ラーメンが目の前に置かれ、いよいよ炎が運ばれてくる。


炎、投下っ……!


あ゙、あ゙、熱゙いッッッ~~~~~~~~~~!!!!!!! 熱風が吹いた! 熱が体を通っていった!! 燃えたのか? 私は燃えたのかっ!? 一瞬の出来事で何が起きたかわからない。だが、とにかく熱かった。優しい熱じゃない、激しく荒々しい熱が一瞬で沸き上がった。

一瞬の炎と共に魂もどこかに飛びそうになったが、お店の人たちが拍手や歓声をくれて我に返る。しかし、あの火柱の熱と光は今も私の脳裏に焼き付いている。手を伸ばせば届く距離に、巨大な火柱。しかもそれはラーメン。忘れられない衝撃の光景だった。


・燃えたとは思えない味

気持ちを切り替えて、火柱が立ったラーメンを実食。「丼は熱いので触れないでください」という注意を受け、熱には細心の注意をしつつ、恐る恐る食べてみる……が、ビックリするほど熱くない! むしろ食べやすい熱さで、火柱が立って数秒後とは思えない。

ラーメンはシンプルなしょうゆ味で、麺を覆っているネギは火柱のすぐ下に居たのに焦げておらず、ほんのりと香ばしくシャキシャキで美味しい。麺はやや硬めでコシがあるし、チャーシューは脂身が少なく肉肉しい。焦げているところはなく、シンプルに美味しいネギラーメンだ。

・とにかく炎がすごすぎた

ファイヤーラーメンと聞くと、どんなクレイジーなラーメンがくるのかと構えてしまう。炎を入れるというアイデアは確かにブッ飛んでいたが、味に関してはシンプルで美味しく、昔ながらの醤油ラーメンを追及しているように感じた。

外国人旅行者も多いということで、日本のラーメン文化を知ってもらうにはとても良いラーメン屋さんだと思う。普通の暮らしに飽きている人、刺激が欲しい人は京都に行ったら、是非めん馬鹿一代に行った方が良い。日常とは違う、スリリングで美味しい食事がここにはあるぞ!

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

名称 めん馬鹿一代
住所 京都府京都市上京区南伊勢屋町757-2 佐々木ビル
時間 11:30~23:00
休日 日曜営業

参考リンク:めん馬鹿一代
Report:mai
Photo:RocketNews24.