どんなに素晴らしい料理でも、ただ味がいいだけでは、本当の意味で「美味しい」と感じるのは難しいだろう。たとえ最高級のキャビアであったとしても、紙コップに入っていたり体育館のようなだだっ広いところで食べたら美味しいとは言い難く、どこか味気ない気持ちがしてしまうはずだ。

美味しいモノとは、つまるところ五感で楽しむものではないだろうか。目で見て耳で聞き、鼻で嗅いで舌で味わう。食感もまた美味しさを感じさせる大事な要素だ。それが見事に調和した焼肉店が東京・板橋にある。そのお店「炭火焼肉ホルモン時楽」は、まさに五感で味わう焼肉屋だった

・予約必須

お店は都営三田線の板橋本町駅のA2出口を出てすぐのところにある。


お店の利用は予約をオススメする。予約は2時間制で、土日祝は18時からと20時15分からの2部制となっている。私(佐藤)は、2019年3月31日つまり新元号発表の前日にお店を訪ねる機会を得た。


・ワイルド焼肉だと!?

一見、メニューは普通の焼肉屋さんの品揃えなのだが、良く見るといろんな品々が用意されていることに気付く。たとえば、ワイルド焼肉。


お店の名物であるワイルドタンはセット(ワイルドタン1900円 + タン塩1300円 + タンシタ580円、いずれも税別)での注文となっている。そのほかにも、ニンニクをたっぷり使っていて、翌日の仕事に支障をきたす恐れがある「明日をダメにする」カルビとハラミ(いずれも税別1500円)と個性的だ。


今回は「明日をダメにする」2品は注文せず、ワイルド焼肉中心のメニューをお願いした。


ワイルド系をオーダーするにあたっては、あらかじめ焼き方を確認しておくことをオススメする。ワイルド系の品々はまさしく肉塊であり、通常の焼肉と形状が大きく異なるため、焼き方を頭に入れておくと良いだろう。


・分厚すぎるタン!

さて、さっそく肉のお披露目といこう。まずは名物のワイルドタンだ。とにかく分厚すぎる!


私がこれまで食してきたタンは、うす切りのものが一般的だった。サッと炙ってレモン汁に浸して食べるのが普通だったが、同店のものは違う。推定厚さ3センチ! これを見れば「最低5分は焼く」という注意書きの意味が理解できる。


実はこのタンには、切れ目が入っていて短冊状になっている。これを炭火でじっくりと焼き上げるのだ。うわ~……見ているだけでも幸せ。焼き上がる匂いを嗅いでいるとハイになりそうだ。


焼き上がる様を見るためだけに、網の上に乗せたのではない! 当然食べるために焼いているのだ。1切れつまんで塩コショウでいただく。


一口噛むと肉汁がジュワーッ! と出てくる。まるで柑橘系の果実でも噛んでいるかのように、旨味のつまった汁が口の中にジュワリと広がる。ヤバい! この美味しさは麻薬のようだ。一発で “すぐにまた食べたい中毒” を引き起こしてしまう


・赤い石? ヒレ肉

驚いたことに、これがまだ1品目だ。次に続くのはワイルドヒレ肉。テーブルに運ばれてきた時、一瞬「赤い石かな?」とマジで思った。


なんという武骨な肉塊か。これをそのまま網にのせることの罪深さよ。こんなぜい沢な食べ方があっていいんですか? いいんですッ!


ヒレ肉の焼かれている姿が、妙に幸せそうに見えるのは気のせいだろうか? きっとこの肉は「炭火あったけ~」と思っているに違いない。私の心は完全に肉に寄り添っている。まるで隣に並んでいるような気さえしてきた

ヒレ肉よ、隣にいるぞ~……。そんなことを妄想している間に、1番ヤバいヤツがきた! ワイルドハラミだ!!


・ハラミがヤバい!


きっと芸人のスギちゃんがここにいたら「ハラミだぜ~! スギちゃんハラミ食っちゃうぜ。ワイルドだろ~」と言うに違いない。いや、スギちゃんを引き合いに出さなくても十分ワイルドだ。

血が滴るような肉とはコレのことをいうのだろう。ワイルドハラミをそのままドン! 焼き網へッ!!


正直に白状しよう。この美しき肉たちが焼ける様を前にして、私は完全にそのビジュアルにやられている。脳内麻薬がドバドバ分泌して、ちょっと変な酔い方をしているような気がする。だって、ずっと気持ちいいんだもの~。まさに夢心地だ~♪

炭火で焼かれているアツアツのお肉に頬ずりしたくなってしまう


この豪快さはもうステーキだろ。焼肉じゃなくて、ステーキだよ、マジで。このままかぶりつきたいところだが、ハサミで切り分けて、さらにじっくりと火を入れる。


ああ! もうダメだ。あまりにも幸せなビジュアルにどうにかなっちまいそうだよ~! 俺も一緒にこの身を焦がされたい~ッ!!


おっと……いかんいかん。脳内麻薬が出過ぎて、食べる前に昇天しそうになってしまった。ハラミはニンニク醤油かわさび醤油がオススメってことなので、軽くニンニクを醤油に溶いていただきます!


食べる前から存分に多幸感を得ているというのに、肉を口に入れると、幸せは天井知らずや~。まさか新元号発表前日にこんな美味しいお肉を食べられるとは。これはきっと「令和」でもステキなお肉に出会えるに違いない。


・コースがお得かも

なお、今回は6人で訪問。オーダーはアラカルトで食べたいものを食べたいだけ注文。



1人3~4杯ずつドリンクを飲んで、会計は1人5200円だった。


ちなみに名物ワイルドタン、ヒレ肉、ワイルドザブトンなどの肉類と2時間飲み放題などがついた「ワイルドタンコース」(2名以上)は税込みで1人5400円だ。もしかしたらコースでオーダーした方がお得かもしれないぞ。予約は、電話かInstagramTwitterのDMで受け付けているとのことだ。店休日はこれらSNSでチェックしてくれよな!

・今回訪問した店舗の情報

店名 炭火焼肉ホルモン時楽
住所 東京都板橋区本町36-9 アーバンライフ 101
営業時間 18:00~22:00(ラストオーダー22:00)
定休日 毎週月曜日(別途休業日あり)
※休業日についてはInstagram・Twitterをチェック

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

日本、〒173-0001 東京都板橋区本町36−9 板橋本町アーバンライフ