あなたは「ビャンビャン麺」という料理をご存じだろうか? ご想像の通り中国発祥の麺料理で、“ビャン” は漢字にすると1文字57画あることでも知られている。たびたび「ビャン」の漢字はSNSなどで話題になるが、果たして実際はどんな料理なのだろうか?

ここ数年、都内では「蘭州ラーメン」の専門店が多くなりつつあるが、まだまだビャンビャン麺が食べられる店は多くない。そんな中、中央区の八丁堀にビャンビャン麺専門店があるとの情報をキャッチ! これは……行くしかあるまい。

・数少ない専門店

今回訪れたのは、JR八丁堀駅から徒歩5分ほどのところに店を構えるビャンビャン麺専門店「秦唐記」だ。漢字は話題になるものの、日本におけるビャンビャン麺の歴史は浅く、おそらく1度も口にしたことがない人がほとんどであろう。そういう意味でも「秦唐記」は、都内でも希少なビャンビャン麺専門店と言えるハズだ。

その「秦唐記」のホームページによれば、ビャンビャン麺は中国・陝西省(せんせいしょう)の料理だという。うどんと似ているが包丁は使わず、ゆでる直前に生地を伸ばして麺を仕上げるらしい。また「担担麺」のようにスープ込みの総称ではなく、あくまで麺そのものを「ビャンビャン麺」と呼ぶそうだ。

・油そばスタイルがスタンダード

さて、今回注文したのは「全盛り麺(1050円)」である。お店の人によればビャンビャン麺は、いわゆる汁なしの “油そばスタイル” が一般的とのこと。「秦唐記」にはビャンビャン麺の担担麺もあったが、最初は汁なしのビャンビャン麺がオススメだ。

注文を受けてから厨房ではビタンビタンと音を立てながらビャンビャン麺が仕上げられていく。麺の素材や形状は違うのだろうが、系統的には蘭州ラーメンとほぼ同じような調理方法に見える。料理ができるのもあっという間で、5分もせずに目の前に運ばれてきた。


・よく混ぜて食べよう

麺の上にはひき肉、野菜、タマゴなどがトッピングされており、これを混ぜていただく。中華料理であろうと油そばは、混ぜて混ぜて混ぜて……とことん混ぜていただくのが美味しい食べ方に違いない。というわけで、麺と具が完全に絡むまで徹底的に混ぜた。そして一口食べてみると……。


好(ハオ)!

うむ……これは好である! それなりに野菜は入っているものの決してアッサリ系の味わいではなく、むしろド級のパンチがある。強い旨味と同時に油分も相当なものなので、卓上にあるお酢をかけながら食べるといいだろう。

・超ガツンと系

肝心のビャンビャン麺はというと、むっちりもちもちの食感で具ともイイ感じに絡む。個人的には蘭州ラーメンというよりは刀削麺に近い麺だと感じた。また、麺だけでもかなり食べ応えがあるので、お腹は空かせて出かけることをオススメしたい。

というわけで、初めてのビャンビャン麺はとても “好” な料理であった。ここ数年「もちもち」はグルメ界のトレンドなので、これからビャンビャン麺専門店が増えていく可能性も少なくないだろう。漢字だけではなく、料理そのものにも注目だ。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 秦唐記
住所 東京都中央区新川1-13-6
時間 ランチ11:00~15:00 / ディナー17:00~23:00
休日 無休

参考リンク:秦唐記
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼これが「びゃん」の漢字。激ムズ。

▼ちなみに麺を茹でたお湯もついてきた。そば湯的な感じ?

▼中国最強の蘭州ラーメン店「馬子禄(マーズルー)」の記事はこちらをどうぞ。

▼刀削麺なら「芊品香(センピンシャン)」がオススメだ。

▼想像の10倍くらいパンチがあった。お酢を入れて食べよう。

日本、〒104-0033 東京都中央区新川1丁目13−6