昆虫が苦手だ。小学生の頃は素手で捕まえるくらい余裕だったが……いつの間にかダメになってしまった。昔大好きだったカブトムシも絶対に無理で、もし家の中で現れたら自分でも引くレベルの悲鳴を上げてしまうだろう。今ではもう、ただただ恐ろしい存在なのだ。
それはさておき最近、将来の食糧危機を解決する栄養源として「昆虫食」が注目されているらしい。なんでも熊本市内には、昆虫食専門の自動販売機まで設置されたのだとか。昆虫を……食べるだと!? マジのマジで絶対に無理だが、一応現地に足を運んでみることにした。
・昆虫食をはじめました
自販機が設置してあるのは、熊本市中央区「子飼(こかい)商店街」のスグ近く。風船専門店『DISCOVER BALLOON』の店主が企画し、店頭に設置したらしい。てことで、近隣の駐車場に車を停めて、あたりを探してみると……うげげげげげげげ。マジかよ。
「世界初昆虫食自動販売機」発見!
あまりにも強烈。昆虫のイラストが自販機一面に描かれていて「昆虫食をはじめました」というPOPが貼り付けてある。地獄にあるPOPかよ。 “手軽に昆虫を買って食べることができます” と聞いて「ヤッター!」と喜ぶ人がこの世にいるのだろうか。うげげげげ。
・種類豊富
商品のラインアップは「バッタ」「コオロギ」「ゲンゴロウ」「カブトムシ」(各1300円)など約10種類。さっそく購入……する勇気がなかったので、自販機を設置した風船専門店スタッフの方に話を聞いてみることにした。ちなみに店内でも昆虫食の販売をしているぞ。
聞くところによると「バッタはチョコレートでコーティングしているから食べやすい」「コオロギは初心者にオススメ」「ゲンゴロウとカブトムシは見た目そのまんまだから最恐」とのこと。なるほど。個人的にはどれも無理だが、インパクトを求めるのであれば “バッタ以外” がベターだろう。
・カブトムシを購入
──という話の流れで、結局「カブトムシ」を買うことになってしまった。ゲンゴロウには愛着が無いから、口に放り込んだら泡を吹いて気絶するに違いない。それならば……ということでカブトムシだ。小学生の頃は家で飼って遊んでいたしな。大丈夫大丈夫。たぶん。
とは言え、最もカブトムシを愛していた小学生時代でも「食べたい」と思ったことは1度もない。大丈夫なのか、本当に大丈夫なのか。ドキドキしながら商品を取り出してみたころ……パッケージは未来感あふれる宇宙食みたいな感じ。ほほう、オシャレですな。
・ふっくら丸いフォルム
ふたたび店内へ。いよいよだ。開けてみると……リアルなカブトムシがゴロゴロ入っている小袋が出てきたぞ。リアルなカブトムシがゴロゴロである。この距離感でカブトムシと対峙するのは小学生以来だ。よう久しぶり、まさかお前を食べる日が来るとはな。最悪な気分だ。
手でつかむだけでも鳥肌が止まらないが、コイツを口の中に入れると思うと意識が飛びそうだ。選んだのはオス。角が立派なオスである。裏返した時のビジュアルが……OH~マジのマジで最悪だぜ。
そして、なんというか、このふっくら丸いフォルムがヤバ過ぎる。噛み応えがえげつない予感しかしない……。てか、これ以上想像するのは危険だ。もう食べよう。パクリ。
ぬおおおおおおおおおおお!
ぐおおおおおおおおおおお!
・生涯忘れることはないでしょう
さすが昆虫の王者カブトムシ、口の中でも存在感は圧倒的。噛んだ瞬間、全身にブワーッと鳥肌が立ちました……。ほぼ味はなく、卵の殻をバキバキ食べているような感覚。そしてほのかに香る土の匂い。まさにaikoの『カブトムシ』。生涯忘れることはないでしょう。地獄を味わった気がした。
なお、商品は国内外のメーカーから仕入れているそうで、ラインアップは随時更新されるという。昆虫グルメに興味のある方は、色々試してみてはいかがだろうか。熊本土産に購入しても面白いかもしれないが、キレられる可能性も十分にあるから気をつけてくれよな!
・自販機の設置場所
住所 熊本県熊本市中央区北千反畑町7-8(DISCOVER BALLOON)
Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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▼地獄でした