残すところあと数カ月で、30年間続いた平成が終わる。高度成長期だった昭和と比べると、何かと元気のないニュースが多い印象の平成であるが、果たして昭和にあって平成に足りなかったものは何なのだろうか? おそらく「魁!! 男塾」であろう──。

「魁!! 男塾」とは1985年、つまり昭和60年から週刊少年ジャンプにて連載されていた伝説の漫画作品だ。女性についてはいざ知らず、ハッキリ言って男塾を読むと読まないでは男としての価値が違ってくる。そうだ、平成にはきっと男塾が足りなかったのだ──。

・ジャンプ黄金期

宮下あきら先生が手掛けた不屈の名作、魁!! 男塾。「北斗の拳」や「ドラゴンボール」と比べると知名度は低いものの、当時はいわゆる “ジャンプ黄金期” の真っただ中である。そんな中、コミックにして34巻分続いたという事実自体が、男塾の凄さを物語っているだろう。

それでは男塾はどんなジャンルの漫画なのか? 初めて全巻集めたコミックが「魁!! 男塾」だった記者をもってしても、その定義は難しい。格闘漫画なのか、ギャグ漫画なのか、人間ドラマなのか? 1つだけ言えることは「男に必要な要素」が詰め込まれているということだ。

・男に必要なすべてがある

例えば、男には “強さ” が必要不可欠である。男塾には肉体的な強さはもちろんのこと、精神的な強さも描かれており、しかも決して強いキャラだけが活躍する漫画ではない。例えば、秀麻呂(弱キャラ)が全長30mはあろう「上がらずの旗」を持ち上げたとき……当時少年だった記者は泣いた。

そして男には “豪快さ” も必要だろう。どんな障害物があろうとひたすら一直線に突き進む「直進行軍(ちょくしんこうぐん)」、煮えたぎった油の中でひたすら耐える「油風呂」、そして頭の上に硫酸を乗せたまま座禅を組む「地獄禅」。時として常識を超えた豪快さが、男を大きく育てるのだ。

さらに男は “知識” を持ち合わせねばならない。その点、男塾は「民明書房」がほぼ全ての現象のルーツや教えてくれる。例えば「ゴルフ」の起源をみなさんがご存じだろうか? 詳しくは男塾をご覧いただきたいが、中国にはかつて「呉 竜府(ご りゅうふ)」なる拳法の達人がいたらしい。つまり……わかるよな?

最後に男塾が教えてくれるのは “チャレンジ精神” もしくは “勇気” と言っていいだろう。男塾では死んだキャラクターがほぼ100%の確率で生き返る。というか、死んでいなかったことになっている。何かに挑戦しようとしても勇気が出ないとき、記者は「死ぬことはない」と何度勇気付けられたかわからない。もちろん男塾のおかげだ。

・4日間限定で無料

そんな男塾が2019年2月18日から21日までの4日間、ebookjapanにて無料で読めるという。こ……これは読むしかない! 読んだことがない男どもはもちろんのこと、久しく男塾を読んでいない野郎どもも必読である!! ワシが男塾塾長、江田島平八である!

とにもかくにも、当時を知るおっさんたちにはグサリと突き刺さるであろう、魁!! 男塾。さあ、お前の中の男を呼び覚ますんだ……! もう1度言うが、21日までの4日間、無料で読めるのである!!

参考リンク:ebookjapan
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼ちなみに男塾は、その後も形を変えて続いている。「女塾」なんてのもあるぞ。

▼ユニクロから男塾Tシャツが出たときは胸アツだった。ウソじゃなく3枚買った。