なにかウマい そば が食べたいなぁ……と思いながらググってみると、東京都調布市にある歴史古き寺院「深大寺(じんだいじ)」がヒットした。そうであった。深大寺といえば「深大寺そば」が有名であり、深大寺周辺には多数のそば屋が並んでいると聞いたことがある。そば! そば! そば!!

しかし、そばのためだけに深大寺に行くのはもったいない。近所に銭湯でもないかな……とググってみると、これまた看過できないスポットが、深大寺すぐそばにヒットした。それこそが、深大寺天然温泉『湯守の里』である。

・恒例のタトゥー確認

とりあえずはいつものように、電話にてタトゥーOKかを聞いてみる。すると「どのくらいのタトゥーですか?」との返事がきたので、「肩にワンポイント」と答えると、以下のような回答が返ってきた。


「それくらいの大きさでしたら、バンドエイドなりで隠してもらって、ハミ出しても良いので隠してもらって、まわりのお客様に見えなくしてもらえたら、退館ということにはならないかと思います」


──よし! 隠せばOKとのことである。「ハミ出しても良いので」という言い方が少し気になったが、バンドエイドを用意して、いざ出陣である。

調布駅、吉祥寺駅、三鷹駅からはバスで行ける。場所は京王バスならびに小田急バスの「深大寺」停留所(もしくは「中央道深大寺バス停下」停留所)から徒歩6分。自然豊かな住宅街を抜けると、そこに『湯守の里』があった。

料金は月〜土なら大人1000円で、60分以内の館内利用なら「カラスの行水(800円)」なるコースもある。21時から閉店22時までの「ナイトカラス」なら500円で入浴可能。日曜日や祝日は、それらより100円高くなる。

より詳しい情報は公式サイトの情報をご覧いただくとして、さっそくお風呂ゾーンに入ってみると……

内湯もあるけど、露天が最高……!!


さらにお湯は……


漆黒の黒湯!

手ですくってみると、ドロドロした真っ黒というより、「コーヒー」みたいな感じであるが、地下1500メートルの地層に含まれている昆布やシダ類などからなる「フミン酸」なる有機物が含まれているからこその色らしい。


男女でお風呂の内容は変わってくるが、私が「お!?」と思ったのは、まず……

「香り風呂」なる建物だ。お湯の上に、なにやら黄色い物体がプカプカと大量に浮いているのが遠目から見えたので近づいてみると……

ひよこのおもちゃだった。カワイイ。


もうひとつ、露天風呂の奥にある謎の「ほこら」的な穴(洞窟風呂)が気になったので、おそるおそる入ってみると……

電気風呂だった。

私、ビリビリ強めの電気風呂は苦手なのだが、ここの電気風呂は微弱な感じで丁度よい。生まれて初めて、電気風呂で気持ち良いと思ったくらいだ。しかも洞窟内の証明はなぜか赤色。ミステリアスな雰囲気が実にナイス。


ちなみにここ、休憩室や「お食事処」も充実しているので、数時間は余裕でくつろぐことができるだろう。有料だが、「レンタル館内着(200円)」を借りておくのも一興だ。もちろん大小タオルセットも200円でレンタルできる。


・気遣いの心

帰り道、どうしても「ハミ出しても良いので」が気になったので、あらためて店員さんに聞いてみた。もしもバンドエイドくらいでは隠せないほどのタトゥーが入っていたとしたら? と。すると、以下のように答えてくれた。


「隠せる隠せないかと言うよりも、他のお客様に恣意的(しいてき)な行動を取らないでいただければ……要するに、気遣いがあれば、こちらもお守りいたします


なんと寛大かつ心強いお言葉であろうか。

ちなみに恣意的とは、「自分勝手」や「思うまま」にふるまうさまのことを言う。タトゥーが入っていようがいまいが、恣意的に行動する者は厳しく罰せられるべきであるが、タトゥーが入っていて恣意的な行動をしたら、より印象は悪くなることを忘れてはならない。気遣いの心、忘れるべからず。

・今回ご紹介した施設の詳細データ

店名 深大寺天然温泉『湯守の里』
住所 東京都調布市深大寺元町2-12-2
時間 10:00~22:00
休日 年中無休

Report:GO羽鳥
イラスト:マミヤ狂四郎
Photo:RocketNews24.
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