もうクリスマスは終わった。12月25日を過ぎたら翌日には、あの華やかな雰囲気は街から払拭されている。クリスマスソングはもうどこからも聞こえて来ない。ショーウィンドウにサンタクロースはもういない。親し気に手をつないでいたカップルの姿は影をひそめた……。恋人気分はもう終わりじゃーいッ! 今年も終わりだ、年明けの準備をサッサとせんかい、コラーーーッ!!

……と、聞こえて来そうな街の雰囲気に一変している。実際百貨店の食品売り場に行くと、鮮魚コーナーが俄然、おせち料理を売る気満々! それまで精肉コーナーでチキンをバンバン売ってたのに、精肉コーナーのテンションは低めだ。という訳で、今年最後の血迷いは高級かまぼこだぞっと。

・血迷いスポット

さて、軽く血迷ってやろうとやって来たのは、伊勢丹新宿店だ。その気になれば、誰でも軽く血迷えるので、血迷いスポットのひとつとして覚えておいて欲しい。鮮魚コーナーでは、おせちに使用する食材が数多く売られている。すでに数の子や伊達巻などが陳列されており、完全に臨戦態勢。お節モードに突入している状況だ。

クリスマス期間中の鮮魚コーナーの静けさがウソのようである。


伊勢丹ともなると、100均おせちとは次元が違う。商品価格も2桁くらい違うから、びくびくしちゃうよ。

びくびくしながらも気が付けば、木箱に入った何かを買っていた。レシートを見ると「ネリセイヒン」とある。価格は5400円! マジかよ、俺!!


買っていたのは、紀文のかまぼこでした。


・木箱に入った高級かまぼこ

まさか木箱に入ったかまぼこを買う日が来るとは。二十歳の自分には、想像もつかなかったことだろう。あれから25年を経て、木箱に入ったかまぼこを買えるくらいになったぞと、あの日の自分に教えてやりたい……。


木箱のなかにはきっと素晴らしい逸品はが収められているに違いない! 見目麗しい、輝くようなかまぼこがコレだッ!!








う~ん……、あまりパッとした感じはないかな。めちゃくちゃウマそう! って感じでもない。いわゆるシズル感が少ないというか……。


・味はウマいがメンバーの反応はイマイチ

カットしてみると、いくぶん上質な印象を受ける。生地はしっかりとしており、切るとプリっとした感触。断面の色つやがとても良く、かすかに磯の香りを感じさせる。


原材料にはグチという白身魚のみを使用しており、味は大変たんぱく。藻塩と魚の旨味がしっかりとしていて、醤油をつけなくてもこれだけで十分に美味しさを楽しむことができる。幼少の頃に、おばあちゃんの家で食べた懐かしいおせちの味が蘇ってくるようだ。

とはいっても、かまぼこである。味に派手さはない、正直な感想としては地味な旨さだ。当編集部のメンバーにも食べてもらったが、反応はイマイチ……。


とくに、最近100均ローソンのおせちを食べたあひるねこは、次のように感想を述べている。


あひるねこ「だって、かまぼこでしょ? 5400円の方が美味しいのは確かだけど、かまぼこでしょ?」


とのことだった。明らかに100円のかまぼこと5400円のかまぼこでは、見た目も味も比べものにならないはずなのだが。


彼は一体なぜ、かまぼこに厳しいのか。その真相はナゾである……。という訳で2018年、私は大いに血迷った1年となった。この調子で来る年もさらに血迷って行きたいと思うので、応援のほどよろしくお願いします!

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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