これまでに本サイトでNetflixのおススメ海外ドラマを多数紹介してきたが、一番見る価値がある作品は、他でもない傑作ドキュメンタリーシリーズ『殺人者への道』だと胸を張って言えると思う。
無実の罪で投獄された可能性があるスティーブン・エイブリーを追った本シリーズ。そのシーズン2に登場し、新しく彼の弁護を担当することになった女弁護士がスゴ腕すぎて感動もののレベルなので紹介することにしたい。「彼女の力量をもってすれば、もしかしたらスティーブンの無実が証明される可能性があるのでは……!?」と思えるほどなのである。
・『殺人者への道』ってどんな作品?
‟いかにして殺人犯がデッチ上げられるか” がテーマとなっている本シリーズで中心になるのは、スティーブン・エイブリーという男性だ。1985年に米ウィスコンシン州で婦女暴行罪で逮捕された彼は、18年間も服役した後、2003年にDNA鑑定により無実が証明されて自由の身に。
そして彼は、ずさんな捜査を行った保安局を相手に3600万ドル(当時の為替で約47億円)の損害賠償を求める訴えを起こす。しかし、2005年にテレサ・ハルバッチさんという女性が殺害されると、同じ街に住んでいたスティーブンに容疑がかけられ再逮捕されてしまう。
しかも、スティーブンの甥で、知的障害があるブレンダン・ダッシー(当時16歳)が犯行を自供して逮捕。ブレンダン・ダッシーは警察に自白を強要された可能性があるものの、裁判の結果スティーブンは仮釈放なしの終身刑、ブレンダンは2048年まで仮釈放なしの終身刑が言い渡されてしまったのだ。
これらが描かれた『殺人者への道』のシーズン1では、違法な家宅捜査や事情聴取、何度も捜査した場所から突然出現した不利な証拠などが飛び出し、「メンツを潰された保安局にスティーブンがハメられたのでは……!?」と思った視聴者は少なくなかったようだ。
・ロックスター級の女弁護士が新たな担当に
そしてシーズン2では、新たにスティーブンの事件を担当することになった女弁護士、キャスリーン・ゼルナーさんにスポットライトが当てられる。これまでに彼女は17人もの贖罪を晴らしてきた経歴をもつ、まさにロックスター級ともいえる超有能弁護士なのだ。
そんなキャスリーンさんが、今まで見過ごされてきた証拠の数々について法医学専門家に分析を依頼。被害者テレサさんの車で発見された血痕やボンネットから採取されたDNA、死因とされていた弾丸など、以前の裁判では行われなかった分析や鑑定を綿密に行い、徹底的に証拠を洗い直す再調査に挑んだのだ。
そして、テレサさんの通話記録から事件当時の彼女の行動パターンも洗い出し、犯罪捜査ドラマも顔負けの調査を進め、検察側が意図的に提出しなかった証拠が存在することも発覚。さらに、事件の鍵を握る新たな目撃者が現れ、その結果「えええええーーーーー!!!!」と思わず叫んでしまうような被疑者が浮上することに……。
・もしかして有罪判決が覆される可能性も……!?
シーズン2で行われた科学分析結果や公判の行方を変えたであろう重大な事実の発見、そしてキャスリーンさんの弁護士としての力量をもってすれば、スティーブンの無罪が証明される確率は低くないのでは……と思えてしまうほどなのだ。
それにしても自分が雇う弁護士の能力により、裁判の行方が決まる可能性があると思うと恐ろしくさえある。とにかく、司法制度や法執行機関の役割について問いたくなる本シリーズは、シーズン2も見応えタップリなので絶対に要チェックだ。
参照元:Twitter @Netflix、Netflix
執筆:Nekolas
▼『殺人者への道』シーズン2の予告編はこちら
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— Netflix (@netflix) September 25, 2018
▼スゴ腕弁護士のキャスリーン・ゼルナーさん
Kathleen Zellner will challenge everything you think you know about what happened to Teresa Halbach. pic.twitter.com/KzsnZcLKe3
— Making A Murderer (@MakingAMurderer) October 17, 2018