2018年8月、2020年に開催予定の東京オリンピック・パラリンピックに向けて政府が酷暑対策として導入を提案したことから始まったサマータイム議論。「欧米では導入しているから~」という賛成意見を目にした方も多いと思う。

ところが去る9月14日、欧州委員会がサマータイムの廃止を正式に提案した。予定は2019年……つまり来年からとのこと。奇しくも日本が導入しようかどうかというところでの動きだ。

・欧州委員会が発表

発表したのは、欧州委員会にて交通担当委員を務めるVioleta Bulc氏。自身の公式Twitterにて、EUにおけるサマータイムを2019年10月で廃止にするよう欧州議会に提案したとの告知をだした。

少し遅れて同様のツイートが欧州委員会の公式Twitterでもなされており、ちゃんと正式のもの。ツイートに添付された動画によると、2019年の3月までに欧州議会と欧州理事会の承認を待つ流れで、両者からの承認を得て初めて確定となるそうだ。

・提案の理由は不人気だったから

また、動画では今回の決定に至った理由も知ることができる。それによると、なんと84%ものEU市民がサマータイムに反対だったようで……つまり「みんな嫌がってるしやめようぜ」ということである。

なお、2019年3月29日にEUを抜ける予定のイギリスについては、どうなるのかまだ決まっていない。しかし、Bulc氏のツイートには「EUに関係なくUKもやめてくれないかな」というリプライもついており、不評なのに違いは無さそう……というか、84%の中にイギリス市民も入ってると思われるしそれはそうか。

・日本はどうするのか

そこで気になるのは「結局日本はどうするのか」ということ。先に筆者の個人的意見を言っておくと「絶対イヤ」だ。理由は早起きしたくないからという怠惰極まりないものであるが、嫌なものは嫌なのだ。

今年の酷暑を考えると、確かに2020年のオリンピック時には同様の気候を想定して何らかの対策は必要と思われる。でもサマータイムじゃない別の方法、それこそ競技を早朝や日没後にするとかで何とかしてもらいたい。

日本では、その後「議員立法での成立を目指す」なんて話を最後に話題にのぼらない。しかし、ずっと導入していたEU市民が嫌だって言っているんだし、やはり文化を問わずグローバルに不評なシステムなんだと思う。

台風や地震という災害、そして自民党総裁選に沖縄県知事選と、なんだかあやふやになりつつあるサマータイム。実際に経験して結構辛かった筆者的には、結果が出るまでどうも落ち着かない。様々な案件にまぎれて気づいたら決定していたみたいな流れだけは困る。いよいよ廃止に向けて動き出したEU情勢をふまえた上で、政府には丁寧に扱ってもらいたい。

参照元:Twitter @Bulc_EU@EU_Commission
執筆:江川資具

▼委員会公式よりもちょっと早く発表したVioleta Bulc氏のツイート

▼欧州委員会の公式Twitterでも発表