元アリtoキリギリス・石井正則さん著書の『駄カメラ大百科』によると、駄カメラは “駄目(ダメ)なカメラ” という意味ではなく “駄菓子のように懐かしくお手頃で買えるカメラたち” のことを指す。
本書で紹介されているカメラたちは、全てが特徴的で魅力的。影響された人は多いだろうが、実は私(石井)も愛読している1人だ。そんな中でも、ひときわ心を奪われてしまったのが『現場監督』というカメラだった。
そして『現場監督』のことが気になって夜も眠れなくなってしまった私は、失われた睡眠時間を取り戻すべく、ヤフオクにて落札を決心した。その価格は送料含めても2,600円也~。安っ! 駄カメラ最高かよ!!
・工事現場用カメラ
届いた『現場監督』を手に取ってみると、ごっつくて「どんなことにも動じない!」と言わんばかりの外観だが、実際にも防滴・防塵・防砂。しかも、耐衝撃性を兼ね備えていて、見た目通りのやつだった。
『現場監督』の撮影方法は超かんたん。フィルムを詰めたら撮りたいものにカメラを向けてシャッターボタンを半押し。ファインダー(覗き窓)横の緑と赤のランプが点灯したら、シャッターボタンをいっぱいまで押し込むだけだ。ピントや露出(明るさ)の調整はカメラが自動でやってくれたぞ。
そんな『現場監督』のことについて、駄カメラ大百科にはこう記されていた。
『現場監督』は1988年に初の「工事現場用カメラ」として産声をあげました。そぅ! 建築や土木業など、工事現場の現場監督さんが使うためのカメラとして、この名前が付けられたのです!
マジかよ……。いや、ネーミングでまさかとは思ったんだが、ガチで工事現場用のカメラだったのか。よし、それならマジの現場で撮影をしてみようじゃないか。
・現場で撮影してみた
ということで善は急げだ! 内装業の仕事をしている知人に頼み込んで、現場に直行した。果たしてその撮影結果は……
粉じんや木くずが舞う中での撮影だったが、『現場監督』はものともせずバッシャバシャとシャッターを切りまくったのである。帰宅して本体をチェックしたが、もちろん故障はなし。撮影結果としても、薄暗い現場内で鮮明な写真を残せている。まさに、その名に恥じぬ実力を持っていると強く感じたぞ!
一目見た時から心を奪われていたが、使ってみたら『現場監督』のことがもっと好きになった。ヤフオクで買った「1円の駄カメラ」もよかったし、駄カメラには夢と魅力が詰まっている。あと職人の皆様、お仕事中に失礼いたしました。お陰で良い写真を撮影することができました。ありがとうございます!
参考リンク:Amazon「駄カメラ大百科」
Report:石井陽太
Photo:RocketNews24.