夏が終わっていく。今年は猛暑で、涼しくなることに安堵を感じる人も多いはず。その一方で、どこか物悲しい気持ちにもなる。季節の移ろいとは、人を感傷的にさせるものだ。
ただでさえ心落ち着かない時期に、悲しい歌なんか聞いたらどうなるだろうか? 普段頑固なオッサンでも、ボエ~ッ! と嗚咽しながら、滝のような涙を流すかもしれない。そんなオッサンがイントロだけで号泣しそうな、夏の別れ歌を3曲紹介したいと思う。
・名曲3選
夏の暑さは、人に元気と活力を与える。世代を問わず、「夏は恋の季節」と認識されているに違いない。しかし夏は必ず過ぎ去っていく。そう、今まさに秋を感じさせる風が吹いているように、夏の恋ははかなく別れを伴っていることが多い。
そんな移りかわりを歌い上げた名曲は数多く存在する。そのなかでも確実に30代以上を骨抜きにする曲が、以下の3つだ。
・ガラス越しに消えた夏(作詞 松本一起、作曲 大沢誉志幸)
鈴木雅之のソロ1枚目のシングルで、カップヌードルのCMソングとして一世を風靡した。作曲した大沢誉志幸のもうひとつの名曲『そして僕は、途方に暮れる』、この2曲をそこそこの年齢の人たちに聞かせれば、遠い目をしながら目を潤ませるはずである。とくにオッサンは古傷が蘇って、胸の奥が疼き出し、うううッとうめき声をあげる可能性も否めない。
・夏をあきらめて (作詞作曲 桑田佳祐)
サザンオールスターズのアルバム収録曲でありながら、研ナオコのカバーシングルとしてヒットした曲。トツトツとした調子で歌う彼女の声が、暮れ行く夏の侘しさをかき立てる。ちなみに、中島みゆき作詞作曲の『かもめはかもめ』もまた、悲しい別れの曲。アラフォー女性が聞いたら、その場で膝から崩れ落ちる可能性もゼロではない。
・何も言えなくて…夏 (作詞 知久光康、作曲 中村耕一)
ロックバンド「J-WALK」の代表曲。THE虎舞竜 (とらぶりゅう)の『ロード』と同じように、何度もシングルカットされた、夏の名曲。いや、『何も言えなくて…冬』があるから、夏の曲ではないか。とにかく、このイントロを聞けば、涙を堪えながら熱唱し出すオッサンが、100人に2人くらいいるかもしれない。
ちなみに彼らは現在「THE JAYWALK」として活動しており、最近『何も言えなくて…夏 2018』をリリースしたばかりだ。
──という訳で、少し口うるさいオッサン上司を静かにさせたいと思ったら、これらの曲を用意して、感傷に浸らせるといいだろう。
執筆:佐藤英典
イラスト:Rocketnews24