iQOS(アイコス)互換をうたう製品の進化が止まらない。もはや、本家アイコスはその進化から取り残されており、コンビニで販売していても購入する気がなくなるほど、優秀な互換デバイスが続々と登場している。

本当に優れた製品はどれなのか? それを探し出すために検証を重ねるこの企画。今回は、バイブ + 3段階温度調節 + 大容量バッテリーで1回の充電で18本も連続喫煙が可能な「wand(ワンド)2.8」についてお伝えしたいと思う。

・本家アイコスは進化から置き去り

私(佐藤)が調べたところでは、現在の互換デバイス市場は、バイブ + 温度調節は当たり前になっているようだ。バイブがあれば、手元を見なくても吸い始めと吸い終わりがわかる。また温度調節で自分に合った喫煙体験をすることができるだろう。

しかし残念なことに、本家アイコスにはこれがない。しかも正規品は壊れやすいという致命的なポイントがある。優れた互換デバイスを買い求める人は増えるのは自然なことだろう。


・セラミック製ヒートカップを採用

さて、今回紹介するのは、中国製のワンド2.8。この製品は、アイコスのようにブレードで加熱する方式ではなく、セラミック製のヒートカップ全体で、ヒートスティックを加熱する。喫煙具「ウェポライザー」のチャンバーと同じ方式だ。

購入したのは、この製品のゴールド、価格は5899円。購入したものを開封してみると……。アレ? ホワイト?

と思ったら、保護用のカバーが装着してあった。製品はたしかにゴールドだ。


・小さいけど重い

サイズ感としては、アイコス本体よりも一回り小さい。しかし重い! 2500mAhのバッテリーを搭載しているので、その分重い印象を受ける。手に馴染むサイズではあるが、持った感じはバッテリーを持ってる感アリアリだ。

付属品は掃除用の綿棒とブラシ、そしてまた充電ケーブル。マジでケーブルはもういらない……。

いちおう3カ月保証もついているのだが、保証書の日本語が怪しい。対応には、あまり期待しない方が良さそうだ……。


・取り外し可能なヒートカップ

本体上部のヒートカップに、ヒートスティックを挿入して喫煙する。

ヒートカップは取り外すこともできる。本体に装着した状態で清掃できるのはもちろん、取り外して細かいところまで、ヒートスティックのカスを取り除くことができるだろう。メンテナンスしやすい構造だ。


・実際に吸ってみると……

この製品は起動と同時に加熱が開始される。本体中央のボタンを素早く3回連打すると起動、そのまま予熱が開始される。予熱完了後に1回バイブして喫煙が可能になる。

いきなり予熱が開始されるので、起動時にはヒートスティックを差し込んでおいた方が良さそうだ。

ためしに3段階温度調節の「高温状態」で吸ってみたところ、加熱がしっかりとしており、ブレードを使う加熱形式の製品と、喫味はそれほど変わらない。むしろ、雑味が少なくクリアな印象を受ける

吸い始めは煙の量が少なく、物足りない感じがあるが、次第に味が強くなっていく感じがする。時間を追うごとに煙の量も増していき、なかなか満足いく吸い応えだ。

ちなみに、このところアイコス互換デバイスにハマりまくっているGO羽鳥にも貸してみたところ……

羽鳥「ウ〜ン、正直、以前に試した『EFOS E1』に比べたら、まだマイルドなんだけども……メンソールだと、やっぱり味が強いね。辛くなるというか、ビターになる。苦いというか。ケムリもけっこう出るってことは、加熱しすぎなのかしら。オレは『Pluscig B2』が好みだなぁ……」

とのことである。

それはさておき、吸い終わったヒートスティックを見ると、十分に加熱されていることがわかる。

それでいて、ヒートカップもキレイなままだ。


・操作性に難あり

加熱・喫煙に関しては申し分ないものの、操作性がイマイチだ。電源がオンになっているのかオフになっているのか、現在スタンバイの状態にあるのかどうかがわかりにくい。温度調節はスタンバイ状態で行うとあるが、いつがスタンバイなのか、判別する材料が少ない。

またバイブレーションの時間が短く、油断するとバイブに気付かないことも十分にあり得る。

・今後、さらなる進化に期待

何より気になったのは、本体が熱くなることだ。連続喫煙可能とあるが、1本吸っただけで結構熱くなるので、続けて吸うのが怖くなってしまう。これはまだ進化途中の製品と心得た方が良さそうだ。さらに改良されて、より良い商品になることを期待したい。

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
こちらもどうぞ → シリーズ「アイコス互換デバイス