中国のサービスはダメダメすぎ。かの地には「おもてなし」なんて概念は無いのではないか。一昔前まではそんな声も聞こえてきた。釣銭を投げつけられたり、明らかに商品があるのに「メイヨー(没有 / ない)」と言われたり……。
しかし、それはもう過去の話だ。中国のサービス業は日々変化しているのだが、先日訪れた店のぼっち飯対策が思わず二度見レベルだったのでお伝えしたい。大皿料理が多い中国では1人メシは場所を選ぶものね、でもこの店なら全く困ることはないぞ!
・神接客の店『ハイディーラオ』
私(沢井メグ)が訪れたのは中国の火鍋チェーン『海底撈(ハイディーラオ)』だ。以前の記事でも紹介したが、美味しさはもちろんのこと、ハイレベルすぎる接客で有名。日本にも池袋や新宿に支店があるので、ご存知の方も多いだろう。
中国の店舗では、待ち時間に無料のお菓子や果物、ネイルアートあり。テーブルにスマホを置こうものならスーパーダッシュでやってきて「汚れては大変!」とジップロックに入れてくれる。そのほか様々な伝説を作っているが、どうも店員ひとりひとりの裁量権が大きいようで、「お客様が喜んでくれたら嬉しいもの!」と全力でもてなしてくれるのだ。
・女性が巨大クマとお食事
先日、上海市にあるハイディーラオで、気になる光景に出会った。ボックス席で女性が食事をしていたのだが、その向かいにいたのは……巨大なクマが! コストコで売っていそうな、当編集部のアンジェリカに激似なクマのヌイグルミがいたのである。
もしかしてヌイグルミを買った後に食事に来たのかな? しかし、よくよく見ると、クマちゃんは明らかに新品ではないのに謎のタグがついており、持参したにしては違和感がある。ハッ、これはまさか……!? ハイディーラオならありえる!
・思い切って真相を聞いてみた
沢井「向こうに巨大なクマのヌイグルミとご飯を食べている女の子がいたんだけど、あのクマは彼女が連れてきたの? それとも……?」
すると店員さんはニッコリ微笑んでこう答えてくれた。
店員さん「ああ、あれは店からお貸ししているんですよ。一人で来られるお客様に “クマちゃんが一緒に食事しますよ” って意味をこめているんです」
へええええええ……ってムーミンカフェかよ!? 巨大クマちゃんはお一人様へのサービスのひとつだったのだ。中国人もぼっち飯って気にするんだなぁ。
・1人で鍋を食べたいときもある!
2017年に発表された中国メディアの調査によれば、中国では18~35才の若い世代のうち約7割がぼっち飯に抵抗があるのだという。
そういえば、一人旅をしていたときに、女性に「一人だと恥ずかしいから一緒にご飯を食べてほしいの」って声をかけられたことがあったなぁ。運悪く、前夜から嘔吐が止まらなかったのでお断りしてしまったのだが……今更だけどゴメン。
1人は気まずい。どうしても火鍋が食べたいときもある! 1人用のプチ火鍋じゃなくて、大きい鍋で思いっきり! それもハイディーラオのやつを!! ハイディーラオはそんな思いを叶えてくれたと言えるだろう。
なお、お一人様客に、クマちゃんが付き添ってくれるのは海寧路店だ。他の店舗に行く場合は、お店の人に聞いてみよう!
・近年サービスが落ちた? んなこたぁない!!
かつて「神サービス」と絶賛されたハイディーラオも、近年では「サービスが落ちた」なんて言われることがある。が、んなこたぁない! 確かに一部変更となった部分はあるが、それより何より他店のサービスが追いついてきたため、相対的に見て、衝撃が薄れているのではないだろうか。
たとえば子連れ対応。今回、1才児と一緒に行ったのだが、ハイディーラオのお子様対応はチビっ子に優しいと言われる中国でも群を抜いてスゴかった! それはまた次の機会に紹介したい。
・今回訪問したお店の詳細データ
店名 海底撈(ハイディーラオ)上海・海寧路店
住所 中国上海市虹口区海宁路269号二楼201室
時間 10:30~翌朝3:00
参考リンク:中国青年報(中国語)
Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.