「20世紀最大の発明」と名高いカップ麺! カップ麺は日本企業の発明品。1971年に日清が発売した『カップヌードル』がその元祖である。その後、世界中に広がり一大文化となった。

ラーメン発祥の国・中国もその例外ではない。数多くのカップ麺が販売されているなかでひとつ注目したい商品がある。それは『紅焼牛肉麺(ホンシャオニュウロウメン』。どうやら日本人の評価は真っ二つであるよう。なぜなのか? 結局、ウマイのかマズイのか、何なのだろう。

・結局ウマイのかマズイのか / 改めて中国の国民的カップ麺を食べてみた

コンビニでもスーパーでも、空港でもどこでも売っている『紅焼牛肉麺』。中国の国民的カップ麺と言っていい存在だ。各メーカーが紅焼牛肉麺味を出しているが、なかでも台湾発祥の「康師傅(カンシーフ)」がシェアの大半を占めているのだとか。

そんな「康師傅」のものでさえ意見は真っ二つ。

マズイ派「スープにコクがない」「薄い」
ウマイ派「スパイシーで美味しい」「クセになる味」

一見すると正反対の感想にも見えるが……いったい何が起きているのだろう?

・まずは食べてみよう

2018年、康師傅の紅焼牛肉麺の中身はこんな感じ。麺、乾燥具材、乾燥スープ、液体調味料、そしてフォーク。

フォークは大変ありがたい存在で、日本にも導入してほしいシステムなのだが、このカップ麺には肝心のアレがなかった。

作り方、どこにも書いてねえ!

なんとなくは想像がつくのだが、一応カップの内側に線はあるもののお湯の量は不明、待ち時間も不明、そして液体調味料が先入れなのか後入れなのかもわからない。「何これ不親切」、そう思う人もいるかもしれない。どうすればいいのか、答えは中国人を見ればイッパツだった。

・中国人の食べ方はこう

結論から言おう……! そこにルールはなかった。あるのは「自由」、この2文字のみ!

濃い味が好きな人は湯量を少なく、薄い味が好きな人はタプタプになるまで入れている。待ち時間も目指したい麺の硬さに合わせればいい。「バリカタ」が好きな人は短め、「やわ」が好みなら長めでどうぞ。

液体調味料だってお湯を入れる前にブリっと入れる人もいれば、フタの上で温めてから入れる人もいる。何をどうしようと自由なんだ。コツがあるとしたら、自分の好みを見極めること。

ちなみに私はお湯をチョイ少なめ、待ち時間2分で液体調味料は後入れするのが好きだ! そうすることで、日清のカップヌードル風味+中華スパイスを入れたような味に。少なくとも「コクがないダシがない」とは言わせない味になるのでオススメだ。

・ルール? 細けえことはいいんだよ!

そういえば、中国の長距離列車ではお湯のサービスがあり、乗務員さんがカップ麺の「お湯の量どうする?」と聞いてくれることがあるそうな。やはり自分の好きなようにすればいいんだ!

日本のカップ麺は、時間や順番などが事細かく設定されており、その通りに作れば確実に美味しくできる。一方、中国の国民的カップ麺は「あとは好きにしてね」というスタンスと見ることができるだろう。

そんな風に自分の好みに合わせて作る康師傅の紅焼牛肉麺は、現地のホテルや列車の中で食べると尋常じゃなくウマい。だが、日本で食べると「普通にウマイ」くらいになる。中国で食べるという行為自体がスパイスになっているのだろうか。

Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

▼こちらが康師傅の『紅焼牛肉麺』。旬な芸能人がプリントされており、その変遷も面白い

▼麺のほかに入っているのはこの3つの袋&フォーク

▼液体調味料は入れても入れなくてもOKらしい。「好みに合わせて加減してね」と書かれている。しかし入れないと薄めのカップヌードル味になるので、個人的には入れた方が吉だ

▼お湯加減も自由なら


▼待ち時間も自由。フォークをさしておくとフタが開かないので好(ハオ)。フォークまじ有能

▼完成。

▼麺の食感がかなり貧弱なので、固めに仕上げた方がウマイ……というのが私の結論だ

▼紅焼牛肉麺は、康師傅のほか『統一』や『今麦郎』などもよく見かける