子供を想う親の愛……それは偉大だが、時にこじれてしまうこともある。特に、リスキーなクリエイターを目指すとなると、1度は就職についてもめるものではないだろうか。ミュージシャンになりたかった私(中澤)も、上京する際、両親は否定しかしなかった。

まあ、今から考えると、何のツテもなかったんだから当たり前と言えば当たり前である。現在話題になっているのは、あるマンガ家がプロになる時のエピソードを描いたマンガ。このマンガにクリエイターから共感の声が寄せられている。

・担当さんからの電話

週刊ヤングマガジンでデビューしたマンガ家・横山了一先生(@yokoyama_bancho)の実体験を描いた本作。内容は、担当がついた時のエピソードである。

まず、実家に電話を入れた担当さんは横山先生のお母さんに怒られたという。そこで、横山先生が実家に電話してみると、やはり「怒った」という母親。お母さんが担当さんに言い放った言葉とは……

マンガ家なんて目指さずにちゃんと就職させる

──うむ。「就職=安定」の感じはめちゃくちゃ既視感がある。この言葉に、横山先生は人生の中で1番母に怒ったとのこと

なお、そんなお母さんは、2年後ヤンマガでの連載が決まってからは何も言わなくなり、今は北海道でサイン会などをすると、知り合いに声をかけたりして応援してくれるという。このマンガに以下のような声が寄せられている。

・ネットの声

「ゲーム関係の仕事につきたいと言ったら『ゲームで遊んで暮らせるほど、世の中甘くないんだよ!』でしたね」
「そのうち親も諦めます」
「分かります分かります 自分も漫画を描いているのに子供には普通に就職してほしいとも思う自分がいます」
「小林よしのり先生も初連載直後、「漫画家なんて馬鹿な事やめっとよ!」と大合唱だったとか…美内すずえ先生も新人賞で賞金が出た途端、母の態度が変わったそうです」
「ベルばらの作者の人を思い出す」
「親の心配というのが割と子供の人生の枷になるんですよねー」
「私も理解してくれませんでしたね」
「そうですよね。そうなんです。子供の道を親が決めてはいけないんです。本当…。でもお母さんの気持ちもちょっとわかる…」
「でもすごく、お母様の愛も感じます」

──クリエイターからは「そのうち諦めます」など、明らかに実感のこもった声が多数。一方で、母親の気持ちに共感している人も多い。現在、2児の父親である横山先生も、「今では母の気持ちも分かる」とした上で、「子供の人生をジャマしないようにしたい」と振り返っている。

おそらく、クリエイターを志す時、親の理解を得られない人は多いだろう。そして、夢が叶わなかった未来のことを考えると親の心配は正しい。だが、夢が叶っていない私は思うのだ。「挫折から得られるものも多い」と。

参照元:Twitter @yokoyama_bancho
マンガ:横山了一, used with permission.
執筆:中澤星児

▼今となってはあの時の親の気持ちも分かる