「せんべろ」……なんと甘美な響きだろうか。言うまでもなく、1000円でべろべろに酔えるほど安く飲めること指し、我々のような酒飲みにとってはまさに聖なる言葉である。とある夕方、どこかに熱い「せんべろ」はないものか? と、歓楽街をフラフラさまよっていた私、あひるねこ。

そうして辿り着いたのが東京・自由が丘だった。オシャレで華やかなこの街は、正直せんべろのイメージとは程遠い。しかし、ここにはたった1000円で、ドリンク最大4杯にお通し3種が付いてくる『せんべろセット』なるものが存在するのである! よしよし、今宵の酒場はここ、自由が丘に決めたぞ。

・自由が丘でせんべろ

「あひるねこです」やや吉田類を意識しながら駅から小走りで出てきた私。自由ヶ丘駅を出ると、そこには数多くの飲食店がひしめいていた。これは思ったよりもいい店がありそうだぞ。酒場を物色しながら歩くこと約5分。少し外れた路地にひっそりと佇むのが、今夜の目的地「波の」である。

・海鮮丼のお店

カウンター席に着くと、最初の1杯を聞かれる代わりにまずお冷が出てくる。そう、実はこちらは居酒屋ではなく、海鮮丼専門店なのだ。特にいくら丼が有名で、テレビなどで見たことがある人もいるかもしれない。しかし、本日の目当ては『せんべろセット』。こいつのコスパが最高なのよ。

・『せんべろセット』はコスパ最高

1000円ポッキリの『せんべろセット』を頼むと、最初に4本の点棒を渡される。え、雀荘!? と思いきや、これを使ってお酒を注文するらしい。ビールや焼酎、日本酒には点棒が2本必要で、ハイボールやサワーだと1本。つまり、サワー系なら最大4杯飲めてしまうというわけだ。面白いシステムだな。

さて、ここはチョイスが難しいところだ。コスパ重視なら全部ハイボールというのもやぶさかでないが、1杯目のビールは捨てがたい。でも日本酒も良さそうなのがあるしぃ……。酒飲みゆえの苦悩の果て、結局ビールの誘惑に打ち勝てなかったでござるよ。我が注文に一片の悔いなし。

・お通し3種が付く

席代がないため、最大4杯で1000円ジャストってのは なかなかお得だ。とそこへ、すっかり忘れていたお通しがキターーーッ! そうか、まだコイツがいたんだっけ!! この日は枝豆、だし巻き卵、イカとウニの塩辛の3種。量こそ少ないが、間違いないメンツである。どうよ? これで1000円だぞ。

・まさかの神対応

まあ、速攻でグラスが空くよね。あとはハイボールやサワーで攻めるのが、せんべろ的には正しい飲み方だろう。実質3杯となるが許容範囲内だ。ところが、ここに来てついに本気を出してきた「波の」さんは、ハイボールを頼んだ私にこんなことを聞いてきたのである。

「濃くしますか?」

なん……だと……? そう、なんと「波の」さんは、サービスでお酒を濃く作ってくれるのだ。しかも店員さんの方から聞いてくれるなんてシュゴイ! こんなの初めて!! もちろん追加料金はかからないぞ。これぞまさに神対応というヤツだろう。

・つまみも安い

せっかくなので、他にも何かつまみを頼んでみようか。本来、海鮮丼のトッピングであるマグロやサーモンなどは、単品でつまみとして注文することができる。リーズナブルかつ新鮮な、隠れた実力者とでも呼ぶべき頼もしい存在だ。これは酒が進みますわ。

・締めのいくら丼

3杯飲んだしそろそろ帰る、という選択肢もあるのだが、さすがに “アレ” を食べずには帰れまい。というわけで、いくら丼オネシャース! こちらのイクラ丼は、税込200円のご飯の上に、1グラム当たり16円の国産いくらを量り売りで乗せてもらうというシステムだ。それでは50グラムでオネシャース!!

いくらが50グラムだから、合わせて1000円か。丼は見た目以上に深みがある。それにしても、この赤く輝く宝石たちのなんと美しいことよ。口に運ぶと、心地良い食感と共に粒々が弾け、いくらの濃厚な旨みが広がる。新鮮そのものだ。

・海鮮で安く飲みたい人に

刺身を食べた挙句、飲んだ締めにいくら丼とは、ずいぶん贅沢なせんべろになってしまった。しかし、振り返ってみても『せんべろセット』のコスパの良さは特筆すべきものがある。安く飲みつつ、できれば海鮮も食べたいという人に断固オススメだぞ!

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 波の
住所 東京都目黒区自由が丘1-3-22
時間 11:30~14:30、17:30~22:30
休日 年中無休

参考リンク:波の
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼注文に点棒を使う『せんべろセット』は税込1000円

▼追いマグロ(税込300円)

▼追いサーモン(税込400円)

▼追い本ずわい蟹(税込500円)

▼国産いくら丼を手軽に食べられるのは魅力だ

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