明治時代に全国5カ所に造られた監獄、いわゆる “明治の五大監獄” の一つ「奈良少年刑務所」。なんでも、当時は奈良監獄と呼ばれていたらしい。そんな刑務所が2017年3月、閉鎖された。今後はホテルなどに活用されることが決まっており、2020年度の開業を目標としているようだ。
監獄ホテルだなんて、人気が出そうだな! 改修工事を控え、一般向けには最後となる見学会が7月16日に実施されたので、記者も足を運んでみた。さすが重要文化財に指定されているだけあって、迫力のある建物の数々……。気になるその概要を、以下に一挙公開だ!!
・これまで非公開だった部分もドンと公開
明治時代の赤レンガが印象的な、旧奈良少年刑務所。これまでにも毎年実施される矯正展で、中に入ることができた。しかし収容者がいたため、見ることができるエリアはほんの一部だったのだ。今回は収容棟や独居房、作業場なども見学できるとあって、開門と同時に多くの人が押し寄せていたぞ。
現存状態の建物を一目見ようと、どうやら1日で約1万人もが訪れたらしい。記者も炎天下で「奈良にこれほどの人が詰めかけるのは珍しいな」などと思いながら、約3時間待った次第である。いやあ、暑かった……。
・ノスタルジックな建物
それはさておき、放射状に伸びた建物の配置は、ホテルに改装しても現状のまま残すようだ。独房に改修を施した「文化財ホテル」として活用されるんだって。奈良っぽい……。実際に足を踏み入れてみると、なんと言うか正直、空気が重たい感じがした。刑務所だったので当然ではあるが、窓が少なかったことなども関係しているだろう。
ただ建物としては古すぎず新しすぎず、程よいノスタルジック感があり、趣深かったぞ。奈良と言えば、観光地でありながら宿泊施設が少ないことで有名。監獄ホテルが完成した暁には、奈良に泊まってくれる人が少しでも増えると良いなと思う。旧奈良少年刑務所の今後に注目だ。
Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
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▼旧奈良少年刑務所
▼2階から1階が見えるよう作られている
▼逆もしかり
▼独居房の重厚な扉
▼食べ物などを差し入れる窓
▼もちろん鍵も頑丈
▼中央看守所
▼トイレもスケスケ
▼外からも部屋の場所がわかるよう番号が振られている
▼精神疾患などの受刑者を隔離するためにかつて使われていた病棟
▼江戸時代の奈良奉行所で使われていた牢
▼受刑者用のプール
▼自力更生と書かれた石碑
▼建物の中から見る風景
▼そのほかイロイロ
▼一般公開日は長蛇の列でした……