アフリカ大陸北西端にあるモロッコは、ヨーロッパ、アフリカ、アラブの交差点として様々な文化を築いてきた国である。エキゾチックで神秘的なイメージが強いが、今回はあまりにもドリーミーなオーラを放っている小さな町「シャウエン」を紹介したい。
なんでも迷路のように入り組んだ旧市街(メディナ)全体が、まるで魔法をかけられたかのように美しく「青」に染まり、世界中から訪れる旅人を魅了しているそうだ。さっそく筆者も、おとぎの国のような世界に足を運び、ファンタジー気分に浸ってきたぞ。
・シェフシャウエン
世界遺産の迷宮都市「フェズ」をバスで出発して約4時間、山道をグングンと進んで行った先に、いきなり爽やかすぎるブルーシティが姿を現した。運転手が「シェフシャウエン、シェフシャウエン」とアナウンスして到着を知らせる。美しい景色に興奮したのか、眠りから覚めた観光客が次々に歓声を上げていた。
街全体が青い理由は、青を神聖な色とするユダヤ人が移り住んだ際に染めたという説や、単純に虫除けという説まで様々。以前は、イスラムの聖域として異教徒の立ち入りを禁止していたそうで、今でも凄まじいほどに秘境的なオーラを感じることができる。
・メディナ内は迷路
また、城壁に囲まれたメディナ内は路地が複雑に入り組んでいるため、テキトーに歩いているとすぐに迷子になってしまう。ただ、シャウエンは小さな街なので「迷路を楽しむ」くらいの気持ちで大丈夫。治安も良く、客引きも激しくないので、自由気ままに散策できるハズだ。
・オススメのレストラン
さらに、モロッコは基本的に物価が安いので、店選びを間違えなければ500円前後で満腹になれる。特に筆者が気に入ったのは『Restaurant Beldi Bab Ssour』という名のレストラン。地元モロッコ人にも人気があり、ウマい地元料理がリーズナブルに食べられる有名店だ。
例えば「モロッカンサラダ」と「アンチョビのタジン鍋」を注文すれば、パンのサービスも付いて約440円。ちなみにタジン鍋は、パンで具材をすくいながら食べるのがモロッコ流である。う~ん最高にウマい!
・絵本の世界
穏やかに時間は流れ、日が暮れても雰囲気は抜群。猫やヤギも細い路地を自由に歩き、そこら中に絶え間なくメルヘンオーラを放ち続けている。なんというか噂どおり、すべてが子供の頃に夢見た絵本の世界のようであった。
もしモロッコへ行く機会があれば、ぜひシャウエンにも足を運んでいただきたい。1泊でも十分に雰囲気を味わうことができるが、日数がない場合は予習して楽しむのがオススメだ。世界中の旅人が憧れるシャウエンの美しさにきっと誰もが魅了されるだろう。
Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
▼シャウエンの街並み
▼水遊びをする子供たち
▼夜も雰囲気がある
▼お土産選びも楽しい
▼お気に入りの『Restaurant Beldi Bab Ssour』へ
▼モロッカンサラダ
▼タジン鍋はパンで具材をすくって食べる