誰もが真似したくなるような芸で一世を風靡しながらも、時代の荒波に消えていく一発屋芸人たち。最近では、その時ついたイメージをウマく運用してテレビに出続ける人も多くなったが……消える人は本当に消える

そんなガチの一発屋のうちの1人がコウメ太夫さん。現在、テレビではすっかり見なくなった彼がヤヴァイことになっていた

・ガチの一発屋

花魁(おいらん)の格好で舞を踊りながら世の不条理にキレる──蝶のように舞い蜂のように刺すスタイルは、お笑いネタ番組『エンタの神様』で大ブレイク。当時、学生だった私(中澤)の周りでコウメ太夫(当時:小梅太夫)さんを知らない人はほとんどいなかった。

しかし、『エンタの神様』世代じゃない人にとっては、「コウメ太夫って誰?」っていう感じかもしれない。それほどに、コウメ太夫さんはガチの一発だった。今でもなんだかんだでテレビに出ている小島よしおさんやダンディ坂野さんよりも、一発屋レベルで言うと上と言えるだろう。

・コウメ太夫さんの現在

そんなコウメ太夫さんは現在、Twitterで「#まいにちチクショー」というハッシュタグを付け、毎日ネタツイートをしている。おそらくハッシュタグ名を見たら察しがつくと思うが、ツイートの内容は当時のネタと同じような感じだ。と、ここまでは普通なのだが、衝撃なのはこの先……

なんと、そのツイートに「まいにちチクショー指導くん」というアカウントが毎日勝手に指導をしているのである! さらに、「まいチク指導くんを批判くん‏ 」が登場し、勝手に指導する指導くんを批判。

・連鎖は続く

さらにさらに「まいチク指導くんを援護くん」が登場、雪だるま式にリプライ欄で争いが起こる中、しまいには「まいチク指導くんに起因する争いを仲裁くん」まで登場。コウメ太夫さんと全く関係のないところで争いが勃発し終結する

彼らのおかげかどうかは知らないが、コウメ太夫さんの「#まいにちチクショー」には毎日、凄い数のリプライが寄せられている。そのやり取りの一部を下記にご紹介したい。

コウメ太夫「フクロウが飛んでいると思ったら~、私のおふくろでした~。チクショー!! #まいにちチクショー」

・指導くん周り

まいにちチクショー指導くん「★★☆☆☆☆☆ シンプルにそんなに面白くないし、お母様にも失礼。しかもなんで飛んでんねん。コウメは無名からいくつもの試練を乗り越えてここまで這い上がってきたろ。今まで築き上げてきたものが崩れてしまうぞ。コウメ・スピリットを確立し直して “明日から” ではなく今日から切り替えてほしい」

まいチク指導くんを批判くん「指導くんの、なんで〇〇してんねん。は聞き飽きた。コウメが改善されないのは指導くんが悪いのだと早くわかってほしい。具体的なアドバイスをして頂きたい。後半の自己啓発本やベンチャー企業で使っているような言い回しは寒すぎる。人に言う前に自分が指導方法を今日から切り替えてほしい。」

まいチク指導くんを援護くん「人それぞれに成長の速度は違う。大器晩成という言葉があるように、右肩上がりに能力を伸びるわけではない。コウメはその典型であり、今は結果が出ずとも耐える時期なのである。改善されていない訳ではなく試行錯誤しているし、それはきっと成長につながっている。」

まいチク指導くんに起因する争いを仲裁くん‏「援護くんの言葉から大映ドラマ『スクールウォーズ』に出てくる名言「愛とは相手を信じ、待ち、許してやること」を思い出す。もしかしたら批判くんにも「相手を信じ、待ち、許してやる」精神が必要なのかもしれない。確かにその精神を欠いている指導くんに対して寛容な心を持つのは難しいとは思うが」

・ネタを勝手に説明・解説する人

説明・解説「古代中国においてフクロウは成長した雛が母鳥を食べるという言い伝えがあり、親不孝の象徴とされてきた。人の親になって初めてわかった母の厳しさの本当の意味。親の期待に沿うことだけが親孝行ではない。自ら親不孝者であるとの呵責に苦しんでいた過去を乗り越え、母と同じ目線に立てた喜びを誇る作品

・ネットの声

「飛べるお母さんがいて羨ましいです。コウメさんも飛べるようになりますので頑張ってください。応援しています。」
「人間が空を飛べるなんてことは人類史上ないことなので化学的な根拠はあるんですか?」
「すごいですね」
なんで嘘つくの?
「ふくろうでも長く生きてほしいですね」

──指導くん周りのリプライは元より、ネタの「説明・解説」をする人物も登場。ほぼ全員がマジレスしているようだ。コウメ太夫自身がこの反応を喜んでいるのかどうかはわからないが、このリプライ欄はコウメ太夫のツイートが生んだ新しい文化と言えるかもしれない。

参照元:Twitter @dayukoume
執筆:中澤星児

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